絶世の悪女と呼ばれる公爵令嬢【完】

mako

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マドリン王国結婚式

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マドリン王国王太子妃を迎える式には各国からも参列し盛大に執り行なわれた。

エミリアはヨハネスの事は婚約者としては好きでは無かったが幼なじみという側面からは幸せになって欲しいと思っている。

目の前の2人は間違いなく幸せそうだ。エミリアは自然と笑みが溢れる。

『おめでたいね。相変わらず。』


エミリアは声を聞いて振り返ると久方ぶりの再会であるリア王国王太子のジルベルトが苦笑いをしていた。



『ご無沙汰しております』

エミリアが美しいカーテシーを披露するとジルベルトはあからさまに

『他人行儀だな…』


1人呟くもエミリアは幸せそうな2人に拍手を贈っている。
その様子を眺めながらジルベルトは大きく息を吐いた。




夜会が始まると、祝の場ではあるが各々社交も始まる。エミリアは1人庭に出ると足繁く通い詰めた王宮をぐるりと見渡しお気に入りのベンチに腰を下ろした。


常に距離を保つ為に装着してきた仮面。それは政略結婚への小さな反抗である。ヨハネスとの婚約に夢を見ていた頃もあった。共に過ごしているうちにヨハネスの2面性に肩を落とした。上部だけの言葉に踊らされる程、世間知らずでもなかった。日に日に積もる嫌悪感。それでも王太子妃になるのは己の定め。その重りから解放されたエミリアはただ目の前の薔薇園を眺めながら冷たい風に当たっていた。


『エミリア嬢』


エミリアの隣に腰を下ろしたのはジルベルトであった。エミリアは辺りを見渡し急いで立ち上がると

『貴方!王太子としての自覚あるの?こんな所で私と2人でいる所見られたら大変よ!』


エミリアは駆け出す勢いであるがその手首をしっかり掴むジルベルト。驚いたエミリアは不思議そうにジルベルトに問う。


『どうしたの?何かあったの?』

ジルベルトはようやく安堵の笑みをこぼすと


『良かった。嫌われてるのかと思ってたよ。』 


…。


エミリアは首を捻り


『どうして貴方を嫌うの?』


『他人行儀で距離を取るのは君の必殺技だろ?』



…。


『必殺技ってね。語彙力足りないわよ?』


2人は顔を見合わせ笑いあうとジルベルトは真顔になり



『エミリア嬢、明日時間をくれないか?話があるんだ。国家機密だからここでは話せない。』


…!

国家機密とならば穏やかでない。ジルベルトが明日公爵邸を訪ねる事を約束すると2人は別々に会場へ戻って行った。



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