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ヨハネスの覚悟
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いよいよジュリアの出産が近くなった頃、リア王国に予期せぬ来客が訪れていた。
謁見の間にてジルベルトとエミリアの前に腰を下ろすのはエミリアの以前の婚約者であるヨハネスであった。
非公式の訪問の為に静かに進む時間の静寂を楽しむようにヨハネスは目を閉じている。その姿をエミリアは懐かしそうに見つめていた。かつてヨハネスはこうやって思考を整えていた。
ヨハネスは静かに目を開けると
『これから我が国の王太子妃が産む子どもは私の子どもではない。』
固まる2人を交互に見ながら
『そのご様子は、既にご存知かな?』
ヨハネスは淡々と話す。
『それで?そのお話しをわざわざここまで来て話される真意はいかに?』
ヨハネスは小さく息を吐くと
『エミリアを裏切った私がこんな事を言えた義理は無いが、エミリアはどこの王太子妃となろうともマドリン王国公爵令嬢であった事には変わりはない。』
ジルベルトの眼差しが強くなる。
『此度の件、全ての責任は私にある。私はもうどうなっても構わないが私のせいでマドリンの歴史を閉す事は出来ない。私が廃太子となれば次は第2王子が、立太子する事になるだろう。第2王子はエミリアとも親しい。どうか力を貸してやってほしい。』
『子どもの父親に心当たりは?』
ジルベルトの問にヨハネスはフッと笑い
『全てご存知でしょう?産まれてくる子どもは銀髪碧眼。ならば父親は?銀髪碧眼なんてなかなか珍しいからね?すぐに第2王子と噂になるさ。だが第2王子には子どもが作れない。だから銀髪碧眼の男を差し向けたのさ。自分の子どもとする為に。』
ジルベルトは驚きながらヨハネスを見据え
『そこまで分かってて何故?』
『それしか無いからだ。マドリンを残す為には。』
ヨハネスは真っ直ぐにエミリアを見た。エミリアは
『マドリンの後継者の血が得体の知れない者同士の血という事になりますが?』
…。
押し黙るヨハネスに尚も
『私はマドリン公爵令嬢として、そのような事は認知できません。王族において何よりも重んじられる血が王族によって軽んじられるなどあってはなりませんわ。』
『では、そなたは祖国が無くなっても良いと?』
エミリアは覚悟を決めた。
『殿下、絶世の悪女として申し上げますわ。確かに殿下は熱に絆されてアホになってました。それは事実。しかし嘘偽りで王族としての地位を貶めた事は無かったわ。
それに比べ、第2王子はやり方が汚いわ。人を騙して…そんな人に屈してよろしいの?産まれて来たお子様が金髪であればそれは喜ばしい事。しかし銀髪碧眼ならば覚悟を持って処分すべきです!これは国に対しての欺き。例え王族であろうと同じ事。その処罰に異議を申し立てる者がいるのであれば私は筆頭公爵家の娘として使えるものを全て使って加勢いたしますわ!』
驚いたのはヨハネスだけではない。隣のジルベルトもそして後ろに控える側近もまた目を丸くしている。
『エミリア、君は私を恨んではいないのか?』
ヨハネスは恐る恐るエミリアに問うと
『どうして恨むのですか?』
『『『え?』』』
…妃殿下よ、普通は恨むよ。あんたの立場なら
『確かに婚約者としては貴方は最低最悪でしたわよ?ですが私とてマドリン王国臣下の身。次期国王となられるお方を恨むなんて以てのほか。それに熱に絆されてアホになる前の殿下も私は知っていますからね?先程の目を閉じて戦略を練るお姿。懐かしく拝見いたしましたわ。』
にっこり笑うエミリアにヨハネスはかつて自慢の婚約者であった時のエミリアを見た。
…あぁ、変わってしまっていたのはエミリアではなく私の方だったのか…。
目の前の元婚約者の美しい微笑みを思い出したヨハネスは一筋の涙を流した。
『ヨハネス殿下、貴方に覚悟がお有りならば私は妃の幼なじみの貴方に加勢しましょう。』
ジルベルトはヨハネスに手を差し出すと2人は固く握手を交わした。
謁見の間にてジルベルトとエミリアの前に腰を下ろすのはエミリアの以前の婚約者であるヨハネスであった。
非公式の訪問の為に静かに進む時間の静寂を楽しむようにヨハネスは目を閉じている。その姿をエミリアは懐かしそうに見つめていた。かつてヨハネスはこうやって思考を整えていた。
ヨハネスは静かに目を開けると
『これから我が国の王太子妃が産む子どもは私の子どもではない。』
固まる2人を交互に見ながら
『そのご様子は、既にご存知かな?』
ヨハネスは淡々と話す。
『それで?そのお話しをわざわざここまで来て話される真意はいかに?』
ヨハネスは小さく息を吐くと
『エミリアを裏切った私がこんな事を言えた義理は無いが、エミリアはどこの王太子妃となろうともマドリン王国公爵令嬢であった事には変わりはない。』
ジルベルトの眼差しが強くなる。
『此度の件、全ての責任は私にある。私はもうどうなっても構わないが私のせいでマドリンの歴史を閉す事は出来ない。私が廃太子となれば次は第2王子が、立太子する事になるだろう。第2王子はエミリアとも親しい。どうか力を貸してやってほしい。』
『子どもの父親に心当たりは?』
ジルベルトの問にヨハネスはフッと笑い
『全てご存知でしょう?産まれてくる子どもは銀髪碧眼。ならば父親は?銀髪碧眼なんてなかなか珍しいからね?すぐに第2王子と噂になるさ。だが第2王子には子どもが作れない。だから銀髪碧眼の男を差し向けたのさ。自分の子どもとする為に。』
ジルベルトは驚きながらヨハネスを見据え
『そこまで分かってて何故?』
『それしか無いからだ。マドリンを残す為には。』
ヨハネスは真っ直ぐにエミリアを見た。エミリアは
『マドリンの後継者の血が得体の知れない者同士の血という事になりますが?』
…。
押し黙るヨハネスに尚も
『私はマドリン公爵令嬢として、そのような事は認知できません。王族において何よりも重んじられる血が王族によって軽んじられるなどあってはなりませんわ。』
『では、そなたは祖国が無くなっても良いと?』
エミリアは覚悟を決めた。
『殿下、絶世の悪女として申し上げますわ。確かに殿下は熱に絆されてアホになってました。それは事実。しかし嘘偽りで王族としての地位を貶めた事は無かったわ。
それに比べ、第2王子はやり方が汚いわ。人を騙して…そんな人に屈してよろしいの?産まれて来たお子様が金髪であればそれは喜ばしい事。しかし銀髪碧眼ならば覚悟を持って処分すべきです!これは国に対しての欺き。例え王族であろうと同じ事。その処罰に異議を申し立てる者がいるのであれば私は筆頭公爵家の娘として使えるものを全て使って加勢いたしますわ!』
驚いたのはヨハネスだけではない。隣のジルベルトもそして後ろに控える側近もまた目を丸くしている。
『エミリア、君は私を恨んではいないのか?』
ヨハネスは恐る恐るエミリアに問うと
『どうして恨むのですか?』
『『『え?』』』
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『確かに婚約者としては貴方は最低最悪でしたわよ?ですが私とてマドリン王国臣下の身。次期国王となられるお方を恨むなんて以てのほか。それに熱に絆されてアホになる前の殿下も私は知っていますからね?先程の目を閉じて戦略を練るお姿。懐かしく拝見いたしましたわ。』
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…あぁ、変わってしまっていたのはエミリアではなく私の方だったのか…。
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ジルベルトはヨハネスに手を差し出すと2人は固く握手を交わした。
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