絶世の悪女と呼ばれる公爵令嬢【完】

mako

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律儀なヨハネス

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ヨハネスは迷惑を掛けたジルベルトとエミリアに自ら報告を兼ねてリア王国を訪れた。


ヨハネスが王宮に案内され長い廊下を歩いていると前からジルベルトとニコルがやって来た。ヨハネスは笑顔を作るもジルベルトの腕がニコルの腰をしっかりホールドしているのを確認すると、目の前に来るジルベルトを睨みつけた。



『ようこそ、ヨハネス殿下。私は今から視察が入っておりますので晩餐には帰ります。』


ヨハネスの返答を待つこと無く歩みを進めた。ヨハネスは案内をするケイダンを睨みつけるもケイダンは小さく頭を下げるとエミリアの待つ部屋へと案内をした。






『エミリア!』


エミリアを見るやいなやヨハネスは声をあげた。エミリアとは長い付き合いであるヨハネスでさえ見たこともない憔悴ぶりに、驚き駆け寄ると痩せ細った身体にお腹だけが小さく膨らんでいる。



『エミリア、お前?』


エミリアはヨハネスを見ると静かに微笑んだ。


ヨハネスはケイダンに


『これはどうゆう事だ!エミリア、帰るぞ!こんな所に居たら君は殺されてしまう!』


痩せ細りヨハネスがエミリアを抱き込むとフワァと軽く浮かぶ。


『殿下!お待ち下さい!』


飛び込んできたのはハロルドである。


ハロルドはヨハネスに駆け寄りエミリアを奪い返すとゆっくりとソファに座らせた。



ハロルドを押しのけるヨハネスを強引に外に連れ出すと



『殿下!今しばらく!』


『そんな事を言ってる場合か!エミリアをエミリアは返して貰う!』


ハロルドは礼を欠く事を承知で


『殿下!貴方が言えた事ではありませんよ!』



辛辣な一言にヨハネスは顔を歪めハロルドを睨みつける。静まり返る空気。





『…媚薬。』


ヨハネスは即座に反応する。


『流石、ヨハネス殿下。貴方も気付かれておりましたか。今しばらく…お願いします。』



ハロルドの言葉にヨハネスは頷く他に無かった。



それからヨハネスはハロルドから全容を聞き絶句した。



『…まさか。』


報告書を眺めながら声にならないヨハネスに



『そのまさかです。信じる信じないは殿下にお任せします。しかしながら我々は確固たる証拠を持って貴国に伺う日はそう遠くないはず。ご理解下さい。』



ヨハネスはじっとハロルドと視線を合わせた。どのくらいの時間が過ぎたであろうか。どちらともなく視線を外すとヨハネスは


『分かった。』


ハロルドは去りゆくヨハネスの背中を見つめながら隣国の王太子としてのプライドを見た気がした。ハロルドの想像を遥かに超えた王太子なのかもしれない。



…サル殿下じゃなかったのかよ。


ハロルドはヨハネスの力で抑えられた首元を撫でながら1人呟いた。



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