絶世の悪女と呼ばれる公爵令嬢【完】

mako

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約束通り、リア王国は確固たる証拠を持ってマドリン王国を訪ねたのはエミリアの出産を来月に控えた頃であった。表向きは体調不良のエミリアの静養である。



王宮では国王と王妃、ヨハネスとヘンリー、そしてヘルツベルト公爵一家が揃っている。


一同は痩せ細ったエミリアを見て驚愕している。


ジルベルトは公爵にまず


『義父上、申し訳ありません。エミリアの為とは言えエミリアを傷つけこのような姿にしてしまったのは全て私の責任です。』

素直に頭を垂れた。 


押し黙る公爵に代わり国王は


『エミリア、ゆっくりと静養するが良い。』


優しく包み込むように話す国王にジルベルトは


『それには及びません。本日はすべてを終わらせる為にここに参りました。』



『離縁ですか?』


王妃の言葉に


『お望みですか?』


王妃は小さく微笑むと



『そのような事!』


驚いたように目を見開く。



ジルベルトは鼻で笑うと


『全ては貴女の嫉妬から始まった事でしょう?』


王妃は不思議そうに首を傾げた。



『貴女はご自分の中のどうにもならない気持ちをエミリアにぶつけた。』


…。


『まずはご自分の息子との婚約を破棄させ、次に私との結婚をもぶち壊し、誰も信じられなくなる絶望を与えたのだ。』



…。


『何を言ってるの?』


王妃は目を見開き首を振る。


『媚薬。』






『我が国ではこの媚薬はひと昔前に悪用され今では厳重に取り締まる程。もちろん私も立場上免疫は付けている。しかしマドリンではまだそこまで整ってはいない。だからこそヨハネス殿下は免疫もない媚薬に踊らされた訳だね。』



驚きながらヨハネスを見る一同。ヨハネスは既に知っていたような表情でジルベルトを見ている。


『婚約者に苦しめられるエミリアを見て満足したとおもいきや、今度は我が国に嫁いだエミリアをまたも同じ目にあわせる為に私を標的とした。私に免疫がある事など我が国の者は周知の事。貴女はそれを知らず息子と同じように媚薬を使った。』 



『そんなよもやま話誰が信じるものですか!』


王妃は相手にせぬよう国王に微笑むとジルベルトの指示により扉が開かれる。


衛兵に捕らえられたリア王国公爵令嬢の二コルはふてぶてしい態度で入ってきた。



『これでもまだ知らぬと?』


王妃はジルベルトを目を細めて睨みつけると


『この方は?』 


『我が国の公爵令嬢です。』


『まあ、自国の公爵令嬢にしてやられたの?』


ジルベルトは王妃を真っ直ぐ見据え


『我が国の公爵令嬢には媚薬を手に入れる事は出来ません。それをご存知なかったのですね?薬を調べれば産地などすぐ分かる。残念ながら我が国では作れませんからね。』



『他国から手に入れられるわ!』



『無理です。厳しく取り締まってますから我が国に持ち込むのは不可能なのです。』


『現に持ち込まれたのでしょう?』



ジルベルトはニヤリと咲うと


『そうなのです。取り締まりを縫ってしか持ち込めない代物を誰が持ち込んだのか?取り締まりの無い者。それは王族だけなのです。

他の媚薬ならまだしも、たまたまこの媚薬だけは特別扱いになっている。私に免疫がある事。特別扱いの媚薬だった事。そして何より使ったのが世間知らずの公爵令嬢。

全てが残念でしたね。普通の令嬢ならばこの話をには絶対に乗らない。何故ならワタシに免疫がある事を知っていますから。』


ワナワナと震える王妃の手を国王がそっと握る。驚いた王妃は国王の顔を見ると国王は静かに頷いた。





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