絶世の悪女と呼ばれる公爵令嬢【完】

mako

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サル殿下と絶世の悪女【完】

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ヨハネスがマドリンに戻り半年が経った頃、ヨハネスとフランチェスカの婚約が発表された。



『フランチェスカ、私は政略結婚だとしても日々共に過ごして行く中で、愛情でも友情でも何かわからないが小さな情を重ねていきたいと思う。』


フランチェスカはヨハネスの言葉に小さく頷いた。


『そのためにはまず、2人の時は素のままのフランチェスカでいて欲しい。王族の仮面は夫婦には必要ないからね?』


優しく微笑むヨハネスにフランチェスカは


『ならば殿下もですね?』


ヨハネスは笑いながら


『私は元々このままだからね。大丈夫だよ?』


『そんな訳ありませんわ!殿下は仮面を付けるのがお得意ですもの。ほらサル殿下の仮面など、皆を欺いていらっしゃいましたわ!』


フランチェスカはケラケラと声を上げて笑っている。



…。



フランチェスカは子どものように無邪気に笑いヨハネスを眺めている。


『あれは媚薬にやられてたからね…』



ヨハネスは何故か真っ赤になりながら答えると



『私はこう見えて野性的なのです。野性の眼力を侮るでなかれ。媚薬に侵されている様は見事でしたわ!ですが時折みせる王族の鋭い眼差しは確かな物でした。』


フランチェスカは目の前のショコラを頬張りながら楽しそうである。ヨハネスは自分の前でこの様に嬉しそうに食す令嬢を見たことが無い。



…素のままとは言ったが。



困惑するヨハネスに


『美味しいですよ?殿下は?』


ヨハネスは甘い物は好んで口にしない。フランチェスカの眼差しに思わず



『食べるかい?』


『よろしいのですか?』


瞳を輝かせて喜びを表現するフランチェスカは嬉しそうにヨハネスのショコラを手に取り大事に切り分けている。その目は真剣そのもの。


…そこまで?



ヨハネスは相変わらず読めないフランチェスカからもはや目が離せなかった。



政略結婚でありながら2人は仲睦まじくヨハネスは側妃などを設けず生涯フランチェスカだけを妻とした。小さな情を積み重ね続けた2人はいつしか大きな愛を手に入れたのである。



一方のエミリアも三羽ガラスと共に、賑やかな日々を送り絶世の悪女と呼ばれた令嬢はいつしかリア王国王妃となり国民から愛される王妃へと名を変えていたのであった。




マドリン王国とリア王国。隣国の2国の安寧はその後も続き今も尚、絶世の悪女とサル殿下の逸話は語り継げられているのである。







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