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オリヴィアとイザベラ
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オリヴィアが執務室で側近のレオナルドとお茶を飲んでひと息付いているとイザベラが訪ねてきた。
『私も仲間に入れて下さい』
にこやかに微笑むイザベラはお菓子を手ににっこりと笑う。レオナルドは歓迎するかのように笑い返すとソファを空けた。
『レオもそのままで!』
イザベラはレオナルドの隣りに腰を下ろすとオリヴィアを真っ直ぐ見据えて頭を下げた。
『妃殿下、改めて御礼を言わせて下さい。』
目をパチクリさせるオリヴィアに笑いを堪えるレオナルド。
『帝国制圧の際、妃殿下はまず私をお救いするように殿下に頭を下げられたと聞きました。既に私の素性を知りながら。』
オリヴィアは驚いた様に
『頭をお上げ下さい。貴女はどんな経緯があろうと王女として嫁ぐという名目で帝国に人質として娶られるとご存知だったはず。その大役を果たされたのですから当たり前の事ですよ。』
目を細めるイザベラとにっこりと微笑むレオナルドを前に照れた様に俯くオリヴィア。
『妃殿下、貴女は今やこの大帝国の皇后陛下であらせられます。もっと背筋を伸ばしてドンと構えて居てください。』
レオナルドは俯くオリヴィアを覗き込み話した。
『レオナルド…。貴方はなかなか手厳しいのね。』
『当たり前です。私は大帝国皇后陛下の側近ですからね。』
そう言うとレオナルドは優雅にお茶を飲んだ。
『イザベラ様はこれからどうされますの?』
イザベラは首を傾げると
『さぁ、どうしましょうか?あまりに自由だと決めかねるのです。ね?』
『しばらくゆっくりされるといいですわ。』
オリヴィアもまた和やかなひとときを楽しむ様にお茶を口にした。
『ところでお姉様が言ってみえたようにフィリップ様とお顔を合わせる事もあるかと存じますが、大丈夫ですか?…その一応正妃であられたのですから。』
控え目に問うオリヴィアにイザベラは笑いながら
『ご心配には及びませんよ?妃殿下が心配なさる様な事は無かったのですから。』
『…?』
キョトンとするオリヴィアにレオナルドは
『子づくりしていないって事ですよ!』
目を見開くオリヴィアに代りイザベラが
『こら!レオ。そんな言い方をしたら妃殿下が卒倒してしまいますよ!』
…卒倒って、そんな子どもじゃないわ!
『じゃなきゃいつまで経っても伝わりませんよ?』
…レオナルド、なかなか貴方も辛辣ね。
オリヴィアは心の中で呟いた。
『それに殿下、いえフィリップ様は私の素性をご存知でしたから。』
…?
またも目を丸くするオリヴィアに通訳のように
『だからフィリップ殿はイザベラ様が人質として嫁いだ事をご存知だったということです。』
…え?
もはや頭が混乱し思考停止のオリヴィアに
『まあ、とにかく大丈夫という事ですよ!』
オリヴィアは乱暴に話を着地させたレオナルドの顔を眺めていると
『妃殿下、そんなに見つめられては照れますが?』
オリヴィアは急いで俯いた。
イザベラはレオナルドを睨みつけるとレオナルドは舌を出して戯けてみせた。
…もう。
『私も仲間に入れて下さい』
にこやかに微笑むイザベラはお菓子を手ににっこりと笑う。レオナルドは歓迎するかのように笑い返すとソファを空けた。
『レオもそのままで!』
イザベラはレオナルドの隣りに腰を下ろすとオリヴィアを真っ直ぐ見据えて頭を下げた。
『妃殿下、改めて御礼を言わせて下さい。』
目をパチクリさせるオリヴィアに笑いを堪えるレオナルド。
『帝国制圧の際、妃殿下はまず私をお救いするように殿下に頭を下げられたと聞きました。既に私の素性を知りながら。』
オリヴィアは驚いた様に
『頭をお上げ下さい。貴女はどんな経緯があろうと王女として嫁ぐという名目で帝国に人質として娶られるとご存知だったはず。その大役を果たされたのですから当たり前の事ですよ。』
目を細めるイザベラとにっこりと微笑むレオナルドを前に照れた様に俯くオリヴィア。
『妃殿下、貴女は今やこの大帝国の皇后陛下であらせられます。もっと背筋を伸ばしてドンと構えて居てください。』
レオナルドは俯くオリヴィアを覗き込み話した。
『レオナルド…。貴方はなかなか手厳しいのね。』
『当たり前です。私は大帝国皇后陛下の側近ですからね。』
そう言うとレオナルドは優雅にお茶を飲んだ。
『イザベラ様はこれからどうされますの?』
イザベラは首を傾げると
『さぁ、どうしましょうか?あまりに自由だと決めかねるのです。ね?』
『しばらくゆっくりされるといいですわ。』
オリヴィアもまた和やかなひとときを楽しむ様にお茶を口にした。
『ところでお姉様が言ってみえたようにフィリップ様とお顔を合わせる事もあるかと存じますが、大丈夫ですか?…その一応正妃であられたのですから。』
控え目に問うオリヴィアにイザベラは笑いながら
『ご心配には及びませんよ?妃殿下が心配なさる様な事は無かったのですから。』
『…?』
キョトンとするオリヴィアにレオナルドは
『子づくりしていないって事ですよ!』
目を見開くオリヴィアに代りイザベラが
『こら!レオ。そんな言い方をしたら妃殿下が卒倒してしまいますよ!』
…卒倒って、そんな子どもじゃないわ!
『じゃなきゃいつまで経っても伝わりませんよ?』
…レオナルド、なかなか貴方も辛辣ね。
オリヴィアは心の中で呟いた。
『それに殿下、いえフィリップ様は私の素性をご存知でしたから。』
…?
またも目を丸くするオリヴィアに通訳のように
『だからフィリップ殿はイザベラ様が人質として嫁いだ事をご存知だったということです。』
…え?
もはや頭が混乱し思考停止のオリヴィアに
『まあ、とにかく大丈夫という事ですよ!』
オリヴィアは乱暴に話を着地させたレオナルドの顔を眺めていると
『妃殿下、そんなに見つめられては照れますが?』
オリヴィアは急いで俯いた。
イザベラはレオナルドを睨みつけるとレオナルドは舌を出して戯けてみせた。
…もう。
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