たまたま王太子妃になっただけ【完】

mako

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主従関係

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オリヴィアの執務は丁寧で且つ正確であるのは周知の事。それに加え最近はそれらを熟す速さも加わりもはや無敵といった所となっているが肝心のオリヴィア自身は相変わらずのヘタレ気質である。


『妃殿下、本日はまた幼子のような出で立ちでいらっしゃいますね。』


側近のレオナルドはガゼボでお茶を飲む目の前の主に呟いた。  


『レオナルドったら、貴方の周りのご令嬢はさぞや大人なのでしょうね。』


オリヴィアとて最近はレオナルドには少しは反撃を試みるまでの仲になっていた。

オリヴィアはすました顔でお茶を飲みながらレオナルドを見るとその後方にイザベラとフィリップの姿を捉えた。


…!


目を丸く見開き次第に真っ赤になるオリヴィアを見てレオナルドは振り返る。
何かを察知したかのようにニヤリと笑うと


『妃殿下は最近、あの方々のご様子が気になる様ですね。』



オリヴィアは吹き出すの堪え、


『べ、別にそうゆうのでは…』


『ないですか?』


『あるけど…』



オリヴィアは上目遣いでレオナルドを見るとレオナルドは笑顔でオリヴィアからの言葉を待っている。



『だからイザベラ様はこの国を背負いフランツに嫁がれたのよ?』


『それならば妃殿下だってジュリランを背負われてここに嫁がれましたよね?』


…。


『で?』


オリヴィアは頭を整理するように目をクルクルされながら


『嫁いだ先でご苦労もあったと思うの。』


『それでしたら妃殿下とて同じ。スザナからはお人形のように王太子妃として仕上げられ、私からは王太子妃の役割を叩き込まれておりましたからね。』


被せるように一つずつオリヴィアの話を潰していくレオナルドに苛立ちを覚えながらも


『私は苦労ではなかったわ。むしろ助けられていたのだから感謝こそしても苦労だなんて。』


『イザベラ殿も帝国で正妃として今まで経験も出来なかった贅沢が出来て楽しんだと仰っておりましたよ。』


…。


『妃殿下の心配することは無いのです。で?本音は?』




オリヴィアはあからさまにレオナルドを睨みつけると



『だから正妃として、あれ程美男子のフィリップ様の隣でいらして、そのキュンとする事など無かったのかしら?』


レオナルドは大きくため息を付き


『ったく、無自覚なのが1番始末におえない。いいですか?貴女のその言動、殿下の耳に入ればまた面倒な事になりますよ?』


『…何故?』



レオナルドはまたもため息を落とす。



『あれ程殿下と一緒に居てまだわかりませんか?アレクセイ皇帝陛下はびっくりする位ヤキモチを焼かれますからね?いつだったかの夜会でえらくご立腹になられてたのを忘れたのですか?』


オリヴィアは大きな瞳を斜め上に向け考え込むと


『あったわね!そうバルコニーに出ちゃったから!』


レオナルドは主を軽く睨みつけると


『ですから!バルコニーに出る事にお叱りを受けたのでありませんからね?ってまだ分かっておいででは無かったのですか?』


オリヴィアは開き直り


『で?今日はバルコニーに出ても居ないけどまたお叱りを受けるの?』


嫌みをぶつけたオリヴィアに

『いいですか?妃殿下はフィリップ殿のことを美男子やらキュンキュンなど言っておりましたよね?』


『キュンキュンなんて言ってないわ!キュンよ?ってか…それだけで?』


ドン引きするオリヴィアにレオナルドは


『驚くでしょう?私も初めはひっくり返りましたよ。』



…。

オリヴィアは立ち上がると辺りを見渡し

『大丈夫そうね…』


静かに腰を下ろした。


『でもまぁ、妃殿下の気になる事に付きましては大丈夫です。陰ながら応援しましょう。』


1人話を締めくくるレオナルドは何故か晴れやかな表情で言った。




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