たまたま王太子妃になっただけ【完】

mako

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フィリップの人気

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かつての皇太子であるフィリップはイザベラとステファニーを娶ったものの既に離縁が成立している為現在は独り身ということになる。

アナリス大帝国の皇帝陛下側近となり、その実力をアナリスに見せつけるかのような活躍の日々。それに伴い令嬢からの人気もうなぎ登りとなっていた。


アレクセイも苦笑いをしながら


『フィリップ、そなた妻帯する気はないのか?』


フィリップはその彫刻のような表情を崩さず


『今はそのような事考えてもないですが?』


アレクセイを軽く睨みつけた。


『…だよね?ってそんな整った顔で睨まないでよ。私だって別にそんな事まで言いたくないけど、ここ最近のそなたの人気は凄まじいものがあるからね?』


『ところでこちらはどうされます?』


フィリップはすぐに書類を手渡すとアレクセイは小さくため息をついて執務に取り掛かった。







『レオナルド。』


オリヴィアの焦る表情からレオナルドはすぐに察知し

『またですか?あのですね。色恋沙汰のご心配までされておりましたら皇后陛下のお仕事はエンドレスになりますよ?』


『だって…』



しょげるオリヴィアに


『ですから陰ながら…』


『陰ながらではどこかの令嬢に取られてしまいますわ?』


…取られるって貴女のモノではないですがね?



『っていうか、例えばそうなったからって別に妃殿下が困る事ではないでしょう?』


『そうなるの?』


『だから例えばです。』


『…。』



『そもそも何故そこまで気になさるのです?フィリップ殿もイザベラ様も妃殿下とは接点すら無かったでしょう?』


『…。』


オリヴィアは返す言葉もなく今夜開かれる夜会の支度へと向かった。





…今夜の夜会ではフィリップ様とイザベラ様をお守りしなきゃだわ。


帝国皇后陛下ともあろうお方が2人の仲を案じながらドレスアップに向かうのである。



オリヴィアもアナリスでの夜会には随分と慣れてきたのである。初めは周りなど気にする事もなく緊張していたが、いまでは人の心配まで出来る程である。

そんなオリヴィアがイザベラとフィリップを目で追いながら過ごしているとフィリップの近くには必ずアレクセイが居るため2人を眺めていた。


…。


オリヴィアは胸をチクチクと痛みが走る。



確かにフィリップの近くには令嬢か取り囲んでいる。が、見方を変えればアレクセイの周りとも言える。


…。


静かに見守るオリヴィアにニヤリと嫌な笑みを浮かべながら1人の令嬢が挨拶にやってきた。


『妃殿下』


紫のマーメイドドレスに背中がパックリと開きその出で立ちからも出る所は出て引っ込む所は引っ込んでいるのが一目でわかる。


オリヴィアは小さく微笑むと


『ヴァレンシア様、いかがされました?』


『ご覧になって、あの殿下の人気ぶり。皆、あわよくば側妃にと必死ですわね。はしたないわ。』


…側妃?


オリヴィアは青天の霹靂。目を丸くして再度アレクセイの方向を確認すると



『あら?ご存知なかったのですか?』


オリヴィアは平静を装い

『フィリップ様の人気も凄いですわね。』


流れるようにシャンパンを取ると、少しだけ口をつけた。
ヴァレンシアはあざ笑うかのようにオリヴィアを見ながら


『議会でも世継ぎの話しはでているらしいですから皆必死に売り込んでますの。』


そうゆうヴァレンシアのドレスも売り込みには、持って来いである。



『そうですね。帝国の後継者は必須ですものね。』


小さく呟いくとオリヴィアはレオナルドに目配せをし会場を後にした。


その後ろ姿を見送りながらヴァレンシアは不敵な笑みを浮かべたのである。








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