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アナベル舞う
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夜会もダンスタイムが始まり皆軽やかに舞う。
その光景を眺めなら中央で蝶の如く舞うマリアンナ様に目を奪われた。美しい。それ以外形容しようもない美しさ。エスコートするは隣国第2王子。本来ならば王太子と舞う所であろうが、当の本人はあの男爵令嬢と楽しそうに舞っているではないか。
アナベルは二組を交互に見比べため息を落とした。
『令嬢、一曲いかがですか?』
突如として掛けられた言葉に我に返るアナベルの横ではユリウスがこれまた優雅に礼を取っている。公爵令息であるユリウスが礼を取る、そう相手は第3王子ミハエルであった。
怪訝そうに見るアナベルの視線を隠すようにユリウスは笑顔で応えた。
『これはまた勿体ないお誘い。妹も驚いて声も出ない様です。』
ユリウスの無言の視線を受けアナベルはミハエルの手に手を重ねた。
ミハエルはさりげなくそしてスマートに輪の中に入り込むとアナベルをエスコートしながらダンスを披露した。流石は王子殿下見事な舞である。そして又アナベルも初めて披露するとは思えぬ腕前である。
『驚いたね。流石は公爵令嬢だ。初めてとは思えないよ。』
アナベルはチラリとミハエルを睨見つけると
『初めてではございませんわ。といいますか、ご自身が今何をなさっておられるかお分かりですか?』
アナベルの問いかけにミハエルは楽しそうに笑いながら
『何?何か問題でもあるかな?』
『問題でもあるかな?じゃありませんよ!考えても見てください。今ライド殿下がその…』
言葉を選ぶアナベルにミハエルは被せるように
『あぁ、あれ?うんバカになってるよね?』
『お言葉が過ぎますわ!』
『うん、でも君もそう言いたいんだろ?』
アナベルは苦虫を噛み潰したようにミハエルを見ながら
『そういう時に継承権のある貴方が仮にも公爵家の私とこうして踊っているとどうなるかお分かりでしょう?』
『どうなるの?』
ミハエルはニヤリと笑いながらスマートにアナベルをターンさせた。
『ただでさえ混乱している王太子派が尚も騒ぎ立てますわ!』
『いいじゃない、騒ぎ立てても。』
…ええことあるかい!
驚いたアナベルはまだ言い足りぬ苦情を胸に秘めステップを踏む。
『何なら2人で一緒になっちゃう?』
!
『冗談言ってる場合じゃありませんよ!』
ミハエルは楽しそうに笑いながらダンスを終えた。会場からは割れんばかりの拍手が送られたがそれは脳内お花畑カップルに向けてか、美しく舞うマリアンナ様と隣国第2王子へ向けてか、はたまた幻姫と第3王子に向けてなのかは定かではない。
その光景を眺めなら中央で蝶の如く舞うマリアンナ様に目を奪われた。美しい。それ以外形容しようもない美しさ。エスコートするは隣国第2王子。本来ならば王太子と舞う所であろうが、当の本人はあの男爵令嬢と楽しそうに舞っているではないか。
アナベルは二組を交互に見比べため息を落とした。
『令嬢、一曲いかがですか?』
突如として掛けられた言葉に我に返るアナベルの横ではユリウスがこれまた優雅に礼を取っている。公爵令息であるユリウスが礼を取る、そう相手は第3王子ミハエルであった。
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『あぁ、あれ?うんバカになってるよね?』
『お言葉が過ぎますわ!』
『うん、でも君もそう言いたいんだろ?』
アナベルは苦虫を噛み潰したようにミハエルを見ながら
『そういう時に継承権のある貴方が仮にも公爵家の私とこうして踊っているとどうなるかお分かりでしょう?』
『どうなるの?』
ミハエルはニヤリと笑いながらスマートにアナベルをターンさせた。
『ただでさえ混乱している王太子派が尚も騒ぎ立てますわ!』
『いいじゃない、騒ぎ立てても。』
…ええことあるかい!
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『何なら2人で一緒になっちゃう?』
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『冗談言ってる場合じゃありませんよ!』
ミハエルは楽しそうに笑いながらダンスを終えた。会場からは割れんばかりの拍手が送られたがそれは脳内お花畑カップルに向けてか、美しく舞うマリアンナ様と隣国第2王子へ向けてか、はたまた幻姫と第3王子に向けてなのかは定かではない。
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