反主流派の公爵令嬢ですが何か?【完】

mako

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エレナ・シャニオンとの時間

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アナベルはすぐに痛感した。この令嬢に王太子妃は務まらない。それどころか貴族令嬢としても難しいということを。

目の前のエレナは可憐な微笑みでアナベルを見つめると

『よろしくね!うふふ』 

…だからそのうふふは何なの?

まだエレナは男爵令嬢の身。目の前のアナベルは公爵令嬢なのである。そのアナベルによろしくね!では流石のアナベルも何から話せば良いのか途方に暮れる。


『至りませんが私に出来る範囲でお教えしますわ。』


エレナはニコニコとアナベルを見つめている。


…な、何?


『では先ずは立ち居振る舞いからでしょうか。そうですね、カーテシーをお願い出来ますか?』


令嬢は幼き頃から厳しく躾けられるカーテシー。簡単な様で美しいカーテシーはなかなか難しいのだ。

エレナは当たり前のようにソファからピョンと立ち上がるとカーテシーもどきを得意気に披露した。

…。


アナベルはカーテシーもどきよりもウサギの様にソファから飛び上がる様にまずもって驚かされた。


…小動物のようで可愛らしいけれど。



『どう?なかなかでしょう?何十年も練習しなくても私は見たらすぐに出来ちゃうの。うふふ』


アナベルは言葉が見つからない。頭を巡らせているとエレナはきゃっほーい♫と訳の分からない言葉を発しソファに沈んだ。


…。きゃっほーい?


アナベルは頭痛がしてきたが何とか言葉を探して控えめに答えた。


『カーテシーはとても奥が深いのですよ。今回は公爵家のカーテシーをお教えいたしますわ。』


エレナはコテンと首を傾げると

『カーテシーはカーテシーでしょ?私、夜会などで何度も見てきたから大丈夫なのよ。うふふ』


エレナの参加できる夜会とならば、下級貴族の夜会である。公爵家のカーテシーとは上級貴族を想定しているのだ。

アナベルは話は通じないと悟り自らがカーテシーを披露してみせた。美しいカーテシーとはこういうものだと、公爵令嬢の名に掛けて。


…。

エレナはしばらく見つめて口角を上げる。


『同じじゃない?』


アナベルはガクンと肩を落とした。


…何が見ただけで覚えられるよ。


『全く違いますわよ?』

アナベルは力なくカーテシーを解くとエレナは
笑顔で言い放つ。


『でも貴女引きこもり令嬢なのでしょう?』


『社交界に疎くてもカーテシーはカーテシーです。』


エレナはなるほどと頷き


『貴女のは教科書仕様ね。私のは実戦型だからね?だから異なるのね。』


びっくりする解釈を語るエレナにアナベルは早々に白旗を揚げた。そして同時にライドに己が放った踏み込んだ発言を心から悔いた。

…あぁ私のバカ!


それでも未来の王太子妃となるのであればこのままではマズイ。国が傾く。アナベルは今、自分が出来る事、やるべき事を心に強く持ち目の前のサルに挑むのであった。


 
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