反主流派の公爵令嬢ですが何か?【完】

mako

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蘇る記憶

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旧帝国の皇族の処理の為にライド三兄妹は珍しく旧帝国に揃って入った。ライドは旧帝国の貴族らにそのまま領地を与え皇族は解散とさせた。多く存在していた側妃らは地元に元皇女を連れて戻り残りは皇太子と皇后のみとなりその処遇は一旦保留となり2人はトゥモルデン帝国の管理下となり離宮での暮らしを余儀なくされた。


3日ほど遅れて旧帝国入りしたアナベルは懐かしい庭で三兄妹を待っていた。


…ここって


アナベルは探し求めていた光景に久しぶりに心が踊るのを感じた。目の前な広がる湖。その向こう側には大きな木が生い茂っている。湖の前には広がる芝生。


…ここだわ!


アナベルが、かつて王子様と出逢った場所である。その王子様はゲーム感覚で遊んでいたランドルフ第2王子だと知った時の絶望より今は懐かしいその光景にアナベルは昔のように芝生の上に寝転ぶと青空の中に浮かぶ雲を眺めていた。


『アナベル嬢』


声の方に起き上がり振り返るとランドルフがやって来た。


…うわぁ、今1番会いたくない人だわ。


すっかり現実に戻されたアナベルは不機嫌そうにランドルフを見た。


『兄上は少し遅れるようだ。ってミハエルもまだかい?』


…お前こそ遅れて来いよ。


アナベルは心の声を押し殺し微笑んでみせた。


『アナベル嬢はここが気に入ったようだね?私は令嬢が寝転ぶ所を初めて見たよ。』


…うるさいよ、ってか忘れたんかい!


そりゃぁ何人もの令嬢に同じようにプロポーズごっこしてりゃあ、いちいち覚えてもいるまい。


『ごめんごめん』


慌ててやって来たライドの手には青いバラが輝いている。

…。


『アナベル思い出しかい?』


そう言うとライドは青いバラをアナベルに差し出した。


…?


ライドは驚いたように尚も青いバラを差し出すと


『君のブルーの瞳に吸い込まれそうだ。だった?』


後ろのランドルフに確認するかのように問うた。


…?訳の分からないアナベルがランドルフに視線を流すとランドルフはバツが悪そうに


『私のは、君のグリーンの瞳に吸い込まれそうだ、だけどね?』


『アハハハそうだった!そうだった。ランドルフ兄は父上の殺し文句を盗み聞きしたまま使ってたからグリーンの瞳の令嬢にしかプロポーズ出来なかったんだよね!』


楽しそうに走り込んで来たのは第3王子ミハエル。何やら3人で楽しそうである。


『あの、何だか楽しそうですけど何なのですか?』


ライドは笑いを堪えながら

『ごめんごめん、ランドルフがね、昔大人の時間を盗み聞きしたセリフを使って遊んでたんだよ。』


…それ聞いたわ。


ランドルフは苦笑いを浮かべる。


『だけどさ、ランドルフ兄は脳筋だからグリーンの瞳しか言えなかったんだよね?たまたま父上のお相手がグリーンだったってだけなのにさ。』


…陛下の相手?


アナベルは王妃、側妃の2人の瞳を思い出しながらも…見当たらない。アナベルの心を読んだかのようにランドルフは


『ただの遊び相手なんだけどな』



『遊び?』


首を捻るアナベルをめんどくさそうにミハエルが


『社交クラブの遊びだよ!後腐れない、やるだけの!』


ライドは卒倒しそうになるアナベルを片手で支えると


『ミハエル!』


制止させられたミハエルはこれまためんどくさそうに


『どんだけ真っ白なんだよ…』






ライドはアナベルを覗き込むと


『そろそろ思い出したかな?』



『えっと、何がです?』



『だから幼い頃、私はここで君にプロポーズをしたんだ。約束したろ?』


アナベルは支えられているライドから離れると


『いやプロポーズで遊んでいたのはランドルフ殿下では?』


2人の会話にランドルフが


『失敬な!私はグリーンの令嬢にしかプロポーズしていないよ?そりゃ何人かは分からないけど。』


…は?どうゆう事?


『プロポーズで遊んでないしね?私は幼いながら毎度毎度ランドルフからの話しを聞いていたからそのままセリフをパクリはしたけど、きちんと君の瞳の色でプロポーズしたよ?』

…。


アナベルは急に汗が吹き出て熱を帯びてくるのを感じそのまま意識を手放した。





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