反主流派の公爵令嬢ですが何か?【完】

mako

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トゥモルデン帝国

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ライドとアナベルの挙式も滞り無く執り行われるとやがてトゥモルデンの街は活気に満ち溢れ各国からの訪問者も増え賑わいを見せていた。


帝国となったトゥモルデンには王国からの留学生も増え、特に王女らが挙ってトゥモルデンを訪れていた。そうなると旧トゥモルデン王国の貴族らは我らの皇太子とでも言うように、第2王子派や第3王子派など無かったの如く皆一丸となっていた。ある意味ライドらの目論んだように派閥の垣根などとうに取り払われていたのである。


各国の王女らはますます油の乗ったライドに熱い視線を送るもその隣にいる皇太子妃アナベルの事は誰も知らないのである。


『ねえ、皇太子妃となられたお方はどこの王女かしら?』


もっぱら茶会での王女らの関心事の筆頭である。貴族令嬢らは王女に取り入るかのように得意気にアナベルの話しを盛りに盛って話すのが当然となっていた。


『まぁ王女、あの方は王族の出ではありませんのよ?我がトゥモルデンの貴族令嬢ですの。』


『まぁ、トゥモルデン王国には何度も夜会に足を運びましたがいらっしゃいました?それとも王宮夜会に出られない下級貴族でして?』


ここでまた得意気に語る令嬢。


『大きな声では言えないのですが…』


より相手の興味を惹く一言を添えると


『一応公爵令嬢だったのです。』


王女らの目は真ん丸となり固まる。


『ずっと引きこもっていらして、またの名を引きこもり令嬢と呼ばれてましたのよ?』


王女らの凍結は緩やかに溶かされやがて不適な笑みをこぼすのである。


この景色は今、帝国のあちらこちらで繰り広げられやがてアナベルに襲いかかる事になるのである。
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