反主流派の公爵令嬢ですが何か?【完】

mako

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何がどうしてこうなった?

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並んだ2人を前にアナベルはすっと背筋を伸ばしてマリアンナに問うた。


『マリアンナ様、いつからですの?』


いきなりの問にミハエルは驚いたように


『そんな無粋な事を聞くなよ!』


アナベルはキッとミハエルを睨見つけると

『マリアンナ様にお聞きしておりますの!殿下は黙ってらして!』


…。


マリアンナは小さく微笑むと


『妃殿下と同じではないかしら?』


妃殿下と言われ何だか擽ったくなるアナベルは


『アナベルとお呼び下さい。で?私と同じとは?』


『ですから幼き頃に、1輪の…』


アナベルは慌てふためき

『あぁマリアンナ様!それはランドルフ殿下のお遊びですのよ!』


『だから!ランドルフ兄はグリーンの瞳だろ?マリアンナの瞳はグリーンではない!』


アナベルはマリアンナの瞳をマジマジと見つめるとやがて納得の表情で


『美しいヴァイオレットですわね。』


安堵するミハエルは背もたれにもたれかかると長い足を組んだ。


『と言うことは、幼き頃から?このミハエル殿下を?』


…お前たいがいにしとけよ!


ミハエルはアナベルを睨見つけるもアナベルは気にする事なく


『でも、でもマリアンナ様は王太子妃選考レースに参加されてましたわ!』


…選考レースって

ミハエルは思わず天を仰いだ。


『はい、ですが妃殿下とて参加されてましたわ。あくまであれは数合わせ的なものでしょう?我が家は王太子派でしたからね?』


…なるほど。


納得し頷くアナベルはまたも思いついたかのように


『だからあのレースの時、私がマリアンナ様を推しておりましたら、それはあり得ないと仰ったのね?へぇ~。』


ニヤリと笑うアナベルは嬉しそうにミハエルをみた。


『その薄気味悪い笑いはやめろ!』


『いやいや殿下にも人の心がお有りになったのだと私は嬉しいのです。』


『お前ね、兄上の嫁でなければ今頃、牢屋にぶち込んでるからね?』


『今はまだライド殿下の一応嫁ですから(笑)』

ケラケラと笑うアナベルにつられるようにマリアンナも


『殿下、殿下こそ皇太子妃にそのような物言いは不敬ですわよ?』


マリアンナの言葉にアナベルは得意気に胸を張ってみせた。


…勘弁してくれよ。


ミハエルは美しく整えられた金髪をワシャワシャとかきあげるとソファから立ち上がり

『アンナ、君と休憩するために用意しておいた部屋だけど、どっかの誰かさんのせいで時間がなくなってしまったよ。申し訳ないが私はこれで会場に戻るから。』


マリアンナは美しく微笑むとミハエルの背中を見送った。




ミハエルが出ていき扉が閉まる音を確認するとマリアンナはアナベルに


『ごめんなさいね。殿下はあぁ言っててもアナベル様の事をとても気に掛けておりますのよ?』 

アナベルは驚いたように目を丸くすると

『いやいや私と殿下はそのような』


弁解するかのようなアナベルにマリアンナはクスクスと笑いながら


『分かっておりますわ、殿下はアナベル様の事を妹のように感じていらっしゃるのです。もっと言えば…手の掛かる妹だと。』


…妹。正確には姉ですけど。



アナベルはかつて憧れを抱いて止まなかったマリアンナの微笑みに魅力され心が軽くなるのを感じていた。





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