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珍しい光景
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エレノアは日に日に頭角を現し、執務に邁進している。充実した日々を重ねるうちに側近のハロルドとの関係も徐々に変化が見えてきたある日のこと。
『ハロ、広場の噴水の事業計画をちょうだい』
エレノアは前の決裁書類を丁寧にファイリングしながら言うとタイミングを待っていたかのように計画書と設計図がエレノアのデスクに並べられる。
『ありがとう。』
2人が勢力的に執務をこなしていると、それはいきなりやってきた。
『入るよ。』
第2王子のハインリッヒが執務室に悠々と入ってくる。
…?
目を点にするハロルドはハッと我に返り礼を取ろうとするも
『そうゆうのいいから。』
ハインリッヒは軽く手を挙げると執務室を見渡しながら
『広場の噴水か…』
設計図を手に取ると興味深く眺めやがて中央のソファに腰を下ろした。
『何かございましたか?』
エレノアがハインリッヒの前に腰を下ろすとハロルドもエレノアの後ろに控える。
『ほぉ、ハロルドもなかなか板に付いてきたじゃない?姫のナイトみたいだよ』
ハロルドは澄まして軽く頭を下げた。
…何用だよ。
『ところで姫、こちらでの生活は慣れたかな?』
長い足を組みソファにもたれ掛かるハインリッヒにエレノアは
『殿下のおかげで日々充実しておりますわ。』
と頭を下げた。
『私の?』
ハインリッヒは驚きをみせるとエレノアは無邪気に答える。
『はい!私の望んだ通りの生活の為にご尽力頂きありがとうございます!』
ハインリッヒは不思議そうに後ろのハロルドに視線を流すと
『殿下は…その…最も大事な世継ぎを担われております故、妃殿下は心置きなく執務に没頭できると…』
言葉を選ぶハロルドにハインリッヒは意図をしっかり把握し
『なるほどね。ってまあいいや。それより広場の設計図だけど、あれは誰が?』
…。
固まる2人に
『ハロルド、見せて』
ハロルドは図面をハインリッヒに手渡すとハインリッヒは熱心に語りだした。
『デザインに走りすぎているから、お前達の思っているようにはならないよ。まず、ここから引っ張るエネルギーとこちらに送り出すエネルギーだけど、ここで抵抗が起こるから、こうはならないよね?』
なにやら難しい説明を始めるハインリッヒについて行けないエレノアを横目に
『ハロルド、お前はわかるな?ここの計算式はこうなるだろう?』
ハロルドは目を見開きハインリッヒを見るとすぐに納得の表情をみせた。
『もう一度、ここは見直しだね。』
ハインリッヒは図面をハロルドに戻すとソファから立ち上がり執務室を出て行った。
…。
『ハロ、殿下は何者?ってかこの分野に精通していらっしゃるの?』
ハロルドは少し考えてから
『ハインリッヒ様は王太子殿下同様にとても優れたお方ではありましたから。
殿下は生まれながらの才に加え継続した努力の人。一方のハインリッヒ様は生まれながらの天才で努力をされない方とでも言いましょうか…。』
ハロルドはまだ信じないとでも言うように放心している。
『まあ、その天才が私の為に!』
…いやいやあんたの為ではないけどな?
それからも度々ハインリッヒはエレノアの執務室に足を運ぶようになり3人で広場の噴水について肉付け作業を行うようになっていた。
『ハロ、広場の噴水の事業計画をちょうだい』
エレノアは前の決裁書類を丁寧にファイリングしながら言うとタイミングを待っていたかのように計画書と設計図がエレノアのデスクに並べられる。
『ありがとう。』
2人が勢力的に執務をこなしていると、それはいきなりやってきた。
『入るよ。』
第2王子のハインリッヒが執務室に悠々と入ってくる。
…?
目を点にするハロルドはハッと我に返り礼を取ろうとするも
『そうゆうのいいから。』
ハインリッヒは軽く手を挙げると執務室を見渡しながら
『広場の噴水か…』
設計図を手に取ると興味深く眺めやがて中央のソファに腰を下ろした。
『何かございましたか?』
エレノアがハインリッヒの前に腰を下ろすとハロルドもエレノアの後ろに控える。
『ほぉ、ハロルドもなかなか板に付いてきたじゃない?姫のナイトみたいだよ』
ハロルドは澄まして軽く頭を下げた。
…何用だよ。
『ところで姫、こちらでの生活は慣れたかな?』
長い足を組みソファにもたれ掛かるハインリッヒにエレノアは
『殿下のおかげで日々充実しておりますわ。』
と頭を下げた。
『私の?』
ハインリッヒは驚きをみせるとエレノアは無邪気に答える。
『はい!私の望んだ通りの生活の為にご尽力頂きありがとうございます!』
ハインリッヒは不思議そうに後ろのハロルドに視線を流すと
『殿下は…その…最も大事な世継ぎを担われております故、妃殿下は心置きなく執務に没頭できると…』
言葉を選ぶハロルドにハインリッヒは意図をしっかり把握し
『なるほどね。ってまあいいや。それより広場の設計図だけど、あれは誰が?』
…。
固まる2人に
『ハロルド、見せて』
ハロルドは図面をハインリッヒに手渡すとハインリッヒは熱心に語りだした。
『デザインに走りすぎているから、お前達の思っているようにはならないよ。まず、ここから引っ張るエネルギーとこちらに送り出すエネルギーだけど、ここで抵抗が起こるから、こうはならないよね?』
なにやら難しい説明を始めるハインリッヒについて行けないエレノアを横目に
『ハロルド、お前はわかるな?ここの計算式はこうなるだろう?』
ハロルドは目を見開きハインリッヒを見るとすぐに納得の表情をみせた。
『もう一度、ここは見直しだね。』
ハインリッヒは図面をハロルドに戻すとソファから立ち上がり執務室を出て行った。
…。
『ハロ、殿下は何者?ってかこの分野に精通していらっしゃるの?』
ハロルドは少し考えてから
『ハインリッヒ様は王太子殿下同様にとても優れたお方ではありましたから。
殿下は生まれながらの才に加え継続した努力の人。一方のハインリッヒ様は生まれながらの天才で努力をされない方とでも言いましょうか…。』
ハロルドはまだ信じないとでも言うように放心している。
『まあ、その天才が私の為に!』
…いやいやあんたの為ではないけどな?
それからも度々ハインリッヒはエレノアの執務室に足を運ぶようになり3人で広場の噴水について肉付け作業を行うようになっていた。
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