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第六章 突然の別れ
一瞬あゆみを認識出来なくなった
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ある日彼は、自分の体調に違和感があった
手術後頭痛や手の震えなど落ち着いて来ていたし記憶の曖昧さも少なくなって来たと思われていたのだが・・・
目が覚めた時彼の頭の中が一瞬真っ白になった。
私の顔を見て、彼は変な表情を見せた。
「麻生さん、どうかしましたか」
「あっ、いやどうもしない」
この時一瞬私を認識出来なかったのである
その後時々この症状は現れた。
彼は自分の中で何が起きているのか、この先私を認識出来ないままの状態になったらと、不安を拭いきれなかった。
そしてこの不安は彼の中で恐怖へと変わっていった。
愛する人が自分を分からなくなる、私にそんな思いを二回もさせることなど、彼には出来なかったのである。
彼は私との別れを決意し始めていた。
私はそんな彼の気持ちに気づくことが出来ないでいた。
ある日突然彼が顔をしかめ蹲った。
「麻生さん、大丈夫ですか」
私は言いようもない不安が脳裏を掠めた。
彼は私の問いかけに応えようとせず、苦悶の表情を見せた。
しばらくして彼は落ち着きを取り戻し、私を見つめた。
その表情から私は不安が現実のものになったと感じた。
そう、彼は私を誰かわからない。
彼は自分の部屋に入り込み鍵をかけた。
「麻生さん、大丈夫ですか」
どうしよう、どう対応すればいいの?
そっとしておく?話しかけ続ける?
その時部屋の中から彼は私に言った。
「手が震えて呼吸が苦しい」
「私が麻生さんの手を握ると震えが止まり、楽になります、鍵開けてください」
しばらく間があり、彼は部屋の鍵を開けた
「大丈夫ですか、手を握ってもいいですか」
震えながら彼は頷いた。
私は彼の手を握って、大丈夫と声をかけ、深呼吸する様に促した。
「大きく深呼吸してください」
彼は子供の様に頷き、深呼吸をした。
手術後頭痛や手の震えなど落ち着いて来ていたし記憶の曖昧さも少なくなって来たと思われていたのだが・・・
目が覚めた時彼の頭の中が一瞬真っ白になった。
私の顔を見て、彼は変な表情を見せた。
「麻生さん、どうかしましたか」
「あっ、いやどうもしない」
この時一瞬私を認識出来なかったのである
その後時々この症状は現れた。
彼は自分の中で何が起きているのか、この先私を認識出来ないままの状態になったらと、不安を拭いきれなかった。
そしてこの不安は彼の中で恐怖へと変わっていった。
愛する人が自分を分からなくなる、私にそんな思いを二回もさせることなど、彼には出来なかったのである。
彼は私との別れを決意し始めていた。
私はそんな彼の気持ちに気づくことが出来ないでいた。
ある日突然彼が顔をしかめ蹲った。
「麻生さん、大丈夫ですか」
私は言いようもない不安が脳裏を掠めた。
彼は私の問いかけに応えようとせず、苦悶の表情を見せた。
しばらくして彼は落ち着きを取り戻し、私を見つめた。
その表情から私は不安が現実のものになったと感じた。
そう、彼は私を誰かわからない。
彼は自分の部屋に入り込み鍵をかけた。
「麻生さん、大丈夫ですか」
どうしよう、どう対応すればいいの?
そっとしておく?話しかけ続ける?
その時部屋の中から彼は私に言った。
「手が震えて呼吸が苦しい」
「私が麻生さんの手を握ると震えが止まり、楽になります、鍵開けてください」
しばらく間があり、彼は部屋の鍵を開けた
「大丈夫ですか、手を握ってもいいですか」
震えながら彼は頷いた。
私は彼の手を握って、大丈夫と声をかけ、深呼吸する様に促した。
「大きく深呼吸してください」
彼は子供の様に頷き、深呼吸をした。
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