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第七章 私を覚えていない彼
あゆみ、指輪外して
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私は頬を膨らませ不満の表情を見せた。
「これでよし、でもしばらく歩けないな」
彼はとんでもない事を提案してきた。
「しばらくここに居て、俺が店まで送り迎えしてあげるよ」
「えっ、いいです」
「いいの?じゃ決まりね」
「そうじゃなくて、お断りします」
「じゃ、どうやって仕事行くの?」
「それは・・・タクシー呼びます」
「この部屋からどうやって出るの?足つくだけで痛いでしょ?それに一人暮らしならなんの問題もないよね」
「それはそうですけど・・・」
「じゃ決まりね」
どうしよう、私は彼のマンションにしばらくの間お世話になることになってしまった。
彼の中に私の記憶はない、どう接すればいいの?
「ここから店まで一時間位だけど、何時までに店に入ればいいの?」
「本当は六時ですけど、花の入荷は他のスタッフにお願いしますので八時で大丈夫です」
「じゃあ、ここを七時に出れば間に合うな、後店が終る時間は何時?」
「七時です」
「じゃ七時に迎え行くから」
「それじゃ申し訳ないです」
「大丈夫だよ、俺が怪我させちゃったから」
「それは私が悪いから」
私はどうしていいかわからなくなった。
変な沈黙が流れた、彼は私の指輪をじっと見つめ言葉を発した。
「ご主人と別れたのに指輪をしているのは、まだ忘れられないから?俺に自分の思いをぶつけてきた時忘れられないって言っていたよね」
私は、どう答えていいか分からず黙っていた。
彼は私を抱き上げベッドに運んでくれた。
そのベッドは一年前、私が使っていたベッドである、私の身体がマットレスに沈んだ瞬間、彼の顔と私の顔が急接近した。
今にも唇が触れてしまいそうな距離に、ドキドキして心臓が止まりそうだった。
彼はとんでもない言葉を私に浴びせた。
「元ご主人を忘れさせてやるよ」
「えっ?」
彼の唇が私の唇を塞いだ、一瞬の出来事に何も出来ず、彼のキスを受け入れた。
彼の唇が私の首筋から鎖骨へ降りて行く、ビクッと身体が反応し声が漏れた、どうしよう、恥ずかしい。
「あゆみ、あゆみ」
また唇を重ねた、舌が絡み合って、彼の手は私の太腿へ滑り込んだ。
「あゆみ、もっと力抜いて、緊張しているの?」
緊張している、だって私を抱いているのは私が愛している麻生凌本人である。
久しぶりの感覚に身体に熱りを感じた。
彼の愛撫はすごく激しく私は最高潮に達した。
そして私の耳元で彼は囁いた。
「あゆみ、指輪外して?」
彼は私の左手の指輪に手をかけた。
「イヤ、これは大事なの、外しちゃ駄目だよって・・・」
「これでよし、でもしばらく歩けないな」
彼はとんでもない事を提案してきた。
「しばらくここに居て、俺が店まで送り迎えしてあげるよ」
「えっ、いいです」
「いいの?じゃ決まりね」
「そうじゃなくて、お断りします」
「じゃ、どうやって仕事行くの?」
「それは・・・タクシー呼びます」
「この部屋からどうやって出るの?足つくだけで痛いでしょ?それに一人暮らしならなんの問題もないよね」
「それはそうですけど・・・」
「じゃ決まりね」
どうしよう、私は彼のマンションにしばらくの間お世話になることになってしまった。
彼の中に私の記憶はない、どう接すればいいの?
「ここから店まで一時間位だけど、何時までに店に入ればいいの?」
「本当は六時ですけど、花の入荷は他のスタッフにお願いしますので八時で大丈夫です」
「じゃあ、ここを七時に出れば間に合うな、後店が終る時間は何時?」
「七時です」
「じゃ七時に迎え行くから」
「それじゃ申し訳ないです」
「大丈夫だよ、俺が怪我させちゃったから」
「それは私が悪いから」
私はどうしていいかわからなくなった。
変な沈黙が流れた、彼は私の指輪をじっと見つめ言葉を発した。
「ご主人と別れたのに指輪をしているのは、まだ忘れられないから?俺に自分の思いをぶつけてきた時忘れられないって言っていたよね」
私は、どう答えていいか分からず黙っていた。
彼は私を抱き上げベッドに運んでくれた。
そのベッドは一年前、私が使っていたベッドである、私の身体がマットレスに沈んだ瞬間、彼の顔と私の顔が急接近した。
今にも唇が触れてしまいそうな距離に、ドキドキして心臓が止まりそうだった。
彼はとんでもない言葉を私に浴びせた。
「元ご主人を忘れさせてやるよ」
「えっ?」
彼の唇が私の唇を塞いだ、一瞬の出来事に何も出来ず、彼のキスを受け入れた。
彼の唇が私の首筋から鎖骨へ降りて行く、ビクッと身体が反応し声が漏れた、どうしよう、恥ずかしい。
「あゆみ、あゆみ」
また唇を重ねた、舌が絡み合って、彼の手は私の太腿へ滑り込んだ。
「あゆみ、もっと力抜いて、緊張しているの?」
緊張している、だって私を抱いているのは私が愛している麻生凌本人である。
久しぶりの感覚に身体に熱りを感じた。
彼の愛撫はすごく激しく私は最高潮に達した。
そして私の耳元で彼は囁いた。
「あゆみ、指輪外して?」
彼は私の左手の指輪に手をかけた。
「イヤ、これは大事なの、外しちゃ駄目だよって・・・」
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