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第十一章 結婚しよう
あゆみって、私を忘れないことが幸せ
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「事実は事実として伝えてください」
「わかりました、ありがとうございました」
「すっかり記憶が戻るといいですね」
「はい」
私は診察室から出た。
「麻生さん、お待たせしました、お薬貰って帰りましょう」
「ああ、そうだな、先生の話はなに?」
「うちに帰ったらお話しますね」
彼と私はマンションに戻った。
「麻生さん、お薬飲みましょう」
「それより先生の話はどんな事?」
「頭痛はお薬で改善されますって、それから記憶が混濁しているみたいなので様子を見てくださいって」
「記憶が混濁って」
「今麻生さんが記憶していることは二年近く前の事です、ごめんなさい、赤ちゃん流産しました」
「そうか、いろんな事がごっちゃになっているのか」
「頭痛が改善されると記憶も元に戻りますって」
彼は考え込んでいた。
「あまり気にしない方がいいみたいですよ」
「俺は二年間あゆみをちゃんと守っていたか流産してしまったあゆみにちゃんと寄り添っていたか?」
「大丈夫ですよ、ずっと側にいてくれましたよ」
「そうか、それならいいけど・・・」
彼はしばらくの間店を休むことになった。
記憶の混濁に不安を隠しきれない様子だった。
しかし次の日の朝、記憶の混濁は嘘のようにいつもの彼に戻り、記憶の混濁があったことなどすっかり忘れた状態だった。
そんな状態がしばらく続いた。
私は不安が無いと言ったらうそになるが、彼に向き合って対応して行こうと決めた。
そう思わせてくれたのは、彼がどんな時もどんな状態になっても必ず「あゆみ」と私を忘れないでいてくれる事が嬉しかった。
これから何があっても彼から離れないと心に誓った。
「あゆみ、愛しているよ」
「わかりました、ありがとうございました」
「すっかり記憶が戻るといいですね」
「はい」
私は診察室から出た。
「麻生さん、お待たせしました、お薬貰って帰りましょう」
「ああ、そうだな、先生の話はなに?」
「うちに帰ったらお話しますね」
彼と私はマンションに戻った。
「麻生さん、お薬飲みましょう」
「それより先生の話はどんな事?」
「頭痛はお薬で改善されますって、それから記憶が混濁しているみたいなので様子を見てくださいって」
「記憶が混濁って」
「今麻生さんが記憶していることは二年近く前の事です、ごめんなさい、赤ちゃん流産しました」
「そうか、いろんな事がごっちゃになっているのか」
「頭痛が改善されると記憶も元に戻りますって」
彼は考え込んでいた。
「あまり気にしない方がいいみたいですよ」
「俺は二年間あゆみをちゃんと守っていたか流産してしまったあゆみにちゃんと寄り添っていたか?」
「大丈夫ですよ、ずっと側にいてくれましたよ」
「そうか、それならいいけど・・・」
彼はしばらくの間店を休むことになった。
記憶の混濁に不安を隠しきれない様子だった。
しかし次の日の朝、記憶の混濁は嘘のようにいつもの彼に戻り、記憶の混濁があったことなどすっかり忘れた状態だった。
そんな状態がしばらく続いた。
私は不安が無いと言ったらうそになるが、彼に向き合って対応して行こうと決めた。
そう思わせてくれたのは、彼がどんな時もどんな状態になっても必ず「あゆみ」と私を忘れないでいてくれる事が嬉しかった。
これから何があっても彼から離れないと心に誓った。
「あゆみ、愛しているよ」
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