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三年の月日が二人を変える
記憶は何度でも繰り返される
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「ごめんなさい、大丈夫ですか」
「なあ、あの日、俺に会いにきてくれたのか」
あゆみは狼狽えた。
思わず加々美社長に対して、言ってしまったが、どうしたらいいだろと、
咄嗟に答えが思いつかなかった。
「えっと、ヒカルくんに指名No.1になったんですよって聞いて会いたくなって」
「三年前に指名してくれたのは何故だ、俺の何を知ってるんだ」
「えっと、ヒカルくんから聞いてて、それで、特に何も知りません」
凌はあゆみが何かを隠していると感じた。
「あの男は誰だ」
「加々美社長と言って、私の仕事関係の人です」
「あいつは俺に罵声を浴びせた、俺を知ってるよな」
「ごめん、今日は帰るよ」
その時、凌の手が震え出した。
「麻生さん、部屋に入ってください」
あゆみは凌を部屋に招き入れた。
目の前で手を震えに苦しがってる凌を目の当たりにして、以前のことを思い出し、
試してみようと思った。
あの時は私を求めてくれていたから、落ち着いたが、今は効果はないだろう。
でも何もせずにいられなかった。
あゆみは震えている凌の手を握った。
「大丈夫、大きく深呼吸をしてください、何も心配はないですよ」
あゆみが握ってくれた手から、温かい温もりを感じて、凌は落ち着きを取り戻した。
「手の震え、なくなりましたね」
あゆみは凌をギュッと抱きしめた。
「いつも、一人で耐えていたんですか、もし私でよかったら、頼ってください、
前も私が麻生さんの手を握ったら震え、止まりましたよね」
「前も?」
「あの、いえ、その……」
あゆみは慌てて凌から離れた。
凌はあゆみの手を引き寄せ、押し倒した。
凌の唇があゆみの唇を塞いだ。
甘いキス、三年ぶりのキスに蕩けそうになりながら、あゆみは凌の背中に手を回した。
首筋に凌の熱い息がかかる。
「凌、凌」
凌の手は、あゆみの胸の膨らみをとらえた。
あゆみはこの時を三年間待ち続けていた。
凌の中に私の記憶がなくとも、凌が私を認めてくれる限り、何度でも、繰り返しても構わない。
その都度、私を愛してもらえるように頑張る。
あゆみは心の中で、幸せに浸っていた。
「あゆみ」
凌はあゆみと身体を重ねた。
俺は今、あゆみを無性に抱きたくて仕方ない。
あの男にも渡したくない。
凌は何度もあゆみの中で果てた。
「俺と一緒に暮らさないか」
「えっ」
それは初めて凌があゆみ言った、忘れもしない言葉だった。
あゆみは頷いた。
これから先、また記憶は繰り返されるだろう。
それでも、また繰り返せばいい。
何度でも愛してくれる凌に着いていく。
私と凌の間には、何度でも奇跡が起きると信じて……
END
「なあ、あの日、俺に会いにきてくれたのか」
あゆみは狼狽えた。
思わず加々美社長に対して、言ってしまったが、どうしたらいいだろと、
咄嗟に答えが思いつかなかった。
「えっと、ヒカルくんに指名No.1になったんですよって聞いて会いたくなって」
「三年前に指名してくれたのは何故だ、俺の何を知ってるんだ」
「えっと、ヒカルくんから聞いてて、それで、特に何も知りません」
凌はあゆみが何かを隠していると感じた。
「あの男は誰だ」
「加々美社長と言って、私の仕事関係の人です」
「あいつは俺に罵声を浴びせた、俺を知ってるよな」
「ごめん、今日は帰るよ」
その時、凌の手が震え出した。
「麻生さん、部屋に入ってください」
あゆみは凌を部屋に招き入れた。
目の前で手を震えに苦しがってる凌を目の当たりにして、以前のことを思い出し、
試してみようと思った。
あの時は私を求めてくれていたから、落ち着いたが、今は効果はないだろう。
でも何もせずにいられなかった。
あゆみは震えている凌の手を握った。
「大丈夫、大きく深呼吸をしてください、何も心配はないですよ」
あゆみが握ってくれた手から、温かい温もりを感じて、凌は落ち着きを取り戻した。
「手の震え、なくなりましたね」
あゆみは凌をギュッと抱きしめた。
「いつも、一人で耐えていたんですか、もし私でよかったら、頼ってください、
前も私が麻生さんの手を握ったら震え、止まりましたよね」
「前も?」
「あの、いえ、その……」
あゆみは慌てて凌から離れた。
凌はあゆみの手を引き寄せ、押し倒した。
凌の唇があゆみの唇を塞いだ。
甘いキス、三年ぶりのキスに蕩けそうになりながら、あゆみは凌の背中に手を回した。
首筋に凌の熱い息がかかる。
「凌、凌」
凌の手は、あゆみの胸の膨らみをとらえた。
あゆみはこの時を三年間待ち続けていた。
凌の中に私の記憶がなくとも、凌が私を認めてくれる限り、何度でも、繰り返しても構わない。
その都度、私を愛してもらえるように頑張る。
あゆみは心の中で、幸せに浸っていた。
「あゆみ」
凌はあゆみと身体を重ねた。
俺は今、あゆみを無性に抱きたくて仕方ない。
あの男にも渡したくない。
凌は何度もあゆみの中で果てた。
「俺と一緒に暮らさないか」
「えっ」
それは初めて凌があゆみ言った、忘れもしない言葉だった。
あゆみは頷いた。
これから先、また記憶は繰り返されるだろう。
それでも、また繰り返せばいい。
何度でも愛してくれる凌に着いていく。
私と凌の間には、何度でも奇跡が起きると信じて……
END
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みんなの感想(3件)
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完結表示になってますが、バッドエンドですか😨。
いえ、先ほど、加筆させて頂きました。
続きを読んで頂ければ嬉しいです。
感想をありがとうございます。
話が重複しています。
ご指摘真摯に受け止めて、これからの執筆に役立てていきたいと
思っております。
感想をありがとうございます。
切なくなる😣知人も同じ病気です。
読んで頂きありがとうございます。
この作品は三年前に書いたものに加筆したものです。
楽しんで頂けたら嬉しいです。