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第二十七章 それぞれの生活、そして冨樫と葉月の再会

富樫と葉月⑥

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葉月は食事の支度を始めた。

「理玖、ご飯出来たわよ」

「うん、おじさんも一緒に食べようよ」

理玖の言葉に冨樫は驚きの表情を見せた。

「えっ、俺も一緒にいいのか」

「うん、いいよね、ママ」

葉月も理玖の言葉に驚いていた。

「冨樫さんは待ってる方がいるから、ご迷惑よ」

「そんな女はいねえよ」

冨樫は慌てて言葉を発した。

「おじさん、いつも一人で食べてるの?」

「ああ、一緒に食べてくれる女はいねえからな」

「そうなんだ」

冨樫はこの時、自分の想いを言葉にした。

「俺は理玖のママが好きだ」

冨樫は葉月を見つめた。

葉月も冨樫を見つめた。

「僕もママ大好きだよ」

「そうか、俺も理玖のママを好きでいていいか」

葉月は何も言えなかった。

でも、心のなかでは私も雅也さんが好きですと叫んでいた。

「いいよ」

理玖はニッコリ微笑んだ。
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