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第一章 俺様御曹司

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心奪われたってどういう事?

その時彼のスマホが鳴った。

「なんだよ、これからだって言うのに、はい、鏑木です、わかりました、調べて折り返します」

私はこの隙にソファーから抜け出し、衣服の乱れを直した。

そして社長室から逃げ出した、もう何が起きたのこれは夢?気がつくと自宅に戻っていた。

逃げてきちゃった、どうしよう……

その時スマホが鳴った。

「美希?どこにいる?悪い、気持ちがMAXになって我慢出来なかった、でもいい加減な気持ちはない、俺と結婚してくれ」

何を言っているのか理解出来なかった。

「すみません、混乱して、切ります」

私はスマホの電源を落とした。

あ~どうしよう、いろんなことが交錯して涙が溢れてきた。

この時彼の私に対する気持ちに気づくことは出来なかった。



美希とは初対面ではない、やっと探し当て、社長まで上り詰めた。

俺の中で美希は命より大事な存在だ。

俺が今こうして生きていられるのも、美希のおかげと言っても過言ではない。

その時から決めていた、結婚するならこいつだと……

それから機会があるごとに美希に近づき、会話を交わした。

話していると、益々惹かれていく自分がいた。

命の恩人以外に色々な場面で美希は、俺の気持ちを大きく膨らませていた。

絶対に誰にも渡したくないと言う気持ちが大きくなった。

結婚して俺の腕の中で愛したいと、気持ちを止めることが出来ずにいた。

親父の会社の社員だったことが、俺に取ってラッキーと言わざる負えない。

だが、道のりは険しかった。

親父の会社と言えども、容易く社員には慣れず、不合格と言う不名誉を味わって、やっと合格に辿り着けた。

社員になったも、親父から「社長になってから彼女にお礼を言うんだ」と言われていた。

それから俺は必死に仕事に打ち込んだ。
右も左もわからない業界で、猛勉強した。

仕事の合間に休憩室で美希と会うのが唯一の楽しみだった。

待ち伏せしていたのに、偶然を装い「また会ったね、偶然」なんて、自分でもおかしくなる。

そんな俺の気持ちに美希は全く気づかない様子だった。

社長に就任した日、挨拶をするとのことで、俺は美希を確認したかった。

前の日から考えていた。

どうしたら、美希と一緒にいられるんだ。

いきなりプロポーズはないだろう。

それなら社長秘書はどうだ。

秘書ならいつも一緒にいられる、うん、それがいい。

美希に俺の秘書になって貰えば、解決だ。

そして秘書の初日、俺は気持ちがMAXになり、いきなり美希を押し倒した。

何もわからない美希にとって、いきなり襲われた感じだろう。

俺は美希に自分の気持ちを伝えるべく、美希のアパートへ向かった。

暫くして私のアパートに彼がやってきた。

「美希いるんだろう?ドア開けてくれ」

何がなんだか混乱している私に、自分の気持ちをストレートにぶつけてきた。


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