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第三章 彼の溺愛
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「会長にご挨拶は別の日に日程を取っております今日必要な事でしょうか」
「今必要な事だ」
東條さんはしばらく考えて彼に告げた。
「では二時間だけですよ、二時間経ったらお戻りください、よろしいですね」
「わかった、藤城行くぞ」
「はい」
私は彼のあとについて出掛けた。
「あのう、社長、会長へのご挨拶なんて、私なんの準備もしていません」
「大丈夫、ちょっとドライブだから」
彼は嬉しそうに私を見つめた。
彼と海に出かけた、仕事中に海を見てるなんて罪悪感はあったが、彼と一緒にいることに幸せを感じていた。
「美希が東條と二人きりなんて、絶対我慢出来ねえ、美希は俺のものだからな」
えっ、東條さんに嫉妬してたの、信じられない。
「美希、俺のマンションに引っ越してこい」
彼の言葉にいい加減さは感じられない、でも彼との恋愛に踏み出す勇気はなかった。
その時彼のスマホが鳴った。
「社長、至急お戻りください、早川社長がお見えです」
東條さんからの電話だった。
「わかった」
彼はそう答えて、車を会社に走らせた。
「美希ごめんな、今度の休みまた出かけような」
「大丈夫です」
社に戻ると、早川社長が待っていた。
早川社長は彼の仕事仲間である、大学時代からの親友、いや悪友と言った方がいいかもしれない。
「鏑木、社長就任おめでとう、これでやっと俺と一緒のラインに立てたな」
「別に社長になりたかった訳じゃない」
東條さんに教えてもらったのだが、犬猿の仲なのか必ず衝突するらしい。
私は挨拶も含めて社長室にお茶を運んだ。
「紹介するよ、俺の秘書の藤城だ」
彼は早川社長に私を紹介した。
「はじめまして、鏑木の秘書の藤城と申します」
「ヘェ?美人だな、鏑木、お前には勿体無いよ」
そう言って席から立ち上がり、私に近づいて来たそして名刺を差し出した。
「早川と申します、今度お食事でもご一緒に如何ですか」
早川社長から名刺を差し出され、受け取ろうとすると、彼が二人の間に割って入ってきた。
「名刺は東條が管理している、藤城に渡す必要はない」
彼は不機嫌そうな表情だった。
「おい、秘書以上の関係を感じるが、俺の勘違いか」
「藤城は俺の命より大切な存在だ、指一本も触れることは許さない」
「わかったよ、でも俺とのデートを彼女が望んだとしたら?」
「絶対行かせない」
「はあ、本気か?」
「本気だよ、藤城は誰にも渡さない」
「わかった、わかった、首輪でもつけておくんだな」
早川社長は社長室をあとにした。
命より大切な存在って、彼の言葉に心臓が破裂しそうな感覚に陥った。
彼は私に近づき私を見つめ抱きしめた。
「美希、俺はお前が大切だ、俺の命と引き換えてでも守る、誰にも触れさせたくない、悪いが、美希が他の男のところに行きたいと思っても許可出来ない、覚悟してくれ」
彼は私にキスをした。そして……
「俺のマンションに引っ越してこい」
真剣な眼差しに私は頷いていた。
「おはようございます、朝食出来ました」
「今必要な事だ」
東條さんはしばらく考えて彼に告げた。
「では二時間だけですよ、二時間経ったらお戻りください、よろしいですね」
「わかった、藤城行くぞ」
「はい」
私は彼のあとについて出掛けた。
「あのう、社長、会長へのご挨拶なんて、私なんの準備もしていません」
「大丈夫、ちょっとドライブだから」
彼は嬉しそうに私を見つめた。
彼と海に出かけた、仕事中に海を見てるなんて罪悪感はあったが、彼と一緒にいることに幸せを感じていた。
「美希が東條と二人きりなんて、絶対我慢出来ねえ、美希は俺のものだからな」
えっ、東條さんに嫉妬してたの、信じられない。
「美希、俺のマンションに引っ越してこい」
彼の言葉にいい加減さは感じられない、でも彼との恋愛に踏み出す勇気はなかった。
その時彼のスマホが鳴った。
「社長、至急お戻りください、早川社長がお見えです」
東條さんからの電話だった。
「わかった」
彼はそう答えて、車を会社に走らせた。
「美希ごめんな、今度の休みまた出かけような」
「大丈夫です」
社に戻ると、早川社長が待っていた。
早川社長は彼の仕事仲間である、大学時代からの親友、いや悪友と言った方がいいかもしれない。
「鏑木、社長就任おめでとう、これでやっと俺と一緒のラインに立てたな」
「別に社長になりたかった訳じゃない」
東條さんに教えてもらったのだが、犬猿の仲なのか必ず衝突するらしい。
私は挨拶も含めて社長室にお茶を運んだ。
「紹介するよ、俺の秘書の藤城だ」
彼は早川社長に私を紹介した。
「はじめまして、鏑木の秘書の藤城と申します」
「ヘェ?美人だな、鏑木、お前には勿体無いよ」
そう言って席から立ち上がり、私に近づいて来たそして名刺を差し出した。
「早川と申します、今度お食事でもご一緒に如何ですか」
早川社長から名刺を差し出され、受け取ろうとすると、彼が二人の間に割って入ってきた。
「名刺は東條が管理している、藤城に渡す必要はない」
彼は不機嫌そうな表情だった。
「おい、秘書以上の関係を感じるが、俺の勘違いか」
「藤城は俺の命より大切な存在だ、指一本も触れることは許さない」
「わかったよ、でも俺とのデートを彼女が望んだとしたら?」
「絶対行かせない」
「はあ、本気か?」
「本気だよ、藤城は誰にも渡さない」
「わかった、わかった、首輪でもつけておくんだな」
早川社長は社長室をあとにした。
命より大切な存在って、彼の言葉に心臓が破裂しそうな感覚に陥った。
彼は私に近づき私を見つめ抱きしめた。
「美希、俺はお前が大切だ、俺の命と引き換えてでも守る、誰にも触れさせたくない、悪いが、美希が他の男のところに行きたいと思っても許可出来ない、覚悟してくれ」
彼は私にキスをした。そして……
「俺のマンションに引っ越してこい」
真剣な眼差しに私は頷いていた。
「おはようございます、朝食出来ました」
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