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第四章 二人の世界
①
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彼はベッドの中から手招きをする、何が始まるの恐る恐る近づくと、手を引き寄せられて、私の身体は彼のベッドに引きずり込まれた。
抱きしめられて、抵抗出来ず、私の唇は彼の唇で塞がれた。蕩けるようなキスにこのまま時間が止まってと願った。
「美希、おはよう、いいな、毎朝美希がいる」
そして彼は私を抱きしめた。
「社長、もう起きて支度しないと迎えが来ます」
「いいよ、待たせておけば」
「東條さんに私が怒られます」
「美希が怒られるんじゃ駄目だ、起きるか」
彼は支度を始めて、私の作った朝食を初めて口にした。
「すっげ?うまい、美希は俺の性欲だけじゃなく食欲も満たすんだな」
性欲を満たすって、まだ最後まで行ってないのにキスして、抱きしめて、私の身体に触れただけでそれ以上は進まない。
私は恋愛経験が少ない、最後まで行ったのは一度だけ、しかも最初で最後の恋と思っていた、でもふられた、「美希とは身体の相性悪いな、満足出来ない」と言われて……
それから恋に臆病になった。
また満足出来ないとふられるかもと、脳裏を掠める。今、彼は好きって言ってくれる、この先付き合いが進み、最後まで行ったら嫌われるかもしれないと思ってしまう。
「美希、どうした?」
「どうもしません、支度してきます」
迎えが来て二人で会社に向かった。
会社に到着すると、早速仕事が待っていた。
パソコンを開き、東條さんが説明を始めた。そこへ社長が来て、「藤城には俺が教える」と二人の間に割って入ってきた。
「承知いたしました、御用があればお呼びください」
そう言って東條さんは秘書室を後にした。
「社長、これから桂木社長と会食になっていますが、そろそろ出発しないと遅れます」
「そうか、美希も一緒に行こう」
そう言って東條さんを呼んだ。
「桂木社長との会食に藤城も連れて行くから、あとよろしく」
「社長お待ちください、藤城さんには会社に残ってやっていただく仕事が山積みです、私が指導いたしますので藤城さんは残ってください」
「藤城の山積みの仕事はお前がやればいいだろう」
「藤城さんは我が社の社員です、仕事は熟していただかないと、他の社員に示しがつきません」
彼は東條さんに言われて返す言葉がないのか暫く黙っていたが、次の瞬間とんでもない事を口にした。
「東條、お前が残って藤城に指導するのは許可出来ない、藤城が社に残らなければならないのなら桂木社長との会食はキャンセルする、俺が藤城の仕事を指導する」
「失礼を承知で言わせていただきます、それは私への信頼がないと言うことですか?」
「そうではない、藤城が他の男と二人きりなんて我慢出来ないだけだ」
「私のことは信じて頂けてないと言うことでしょうか」
気まずい空気が社長室に流れた。
どうしよう、私が口を挟むことが出来る状況ではないよ?
彼は口を開いた。
「俺の気持ちの問題だ、嫌なものは嫌なんだ」
「子供みたいな事を言わないでください、冷静になってください」
彼はふっと息を吐き、とんでもないことを口にした。
「俺は冷静だ、もし俺の言うことが通らないのなら、藤城は退職させる」
抱きしめられて、抵抗出来ず、私の唇は彼の唇で塞がれた。蕩けるようなキスにこのまま時間が止まってと願った。
「美希、おはよう、いいな、毎朝美希がいる」
そして彼は私を抱きしめた。
「社長、もう起きて支度しないと迎えが来ます」
「いいよ、待たせておけば」
「東條さんに私が怒られます」
「美希が怒られるんじゃ駄目だ、起きるか」
彼は支度を始めて、私の作った朝食を初めて口にした。
「すっげ?うまい、美希は俺の性欲だけじゃなく食欲も満たすんだな」
性欲を満たすって、まだ最後まで行ってないのにキスして、抱きしめて、私の身体に触れただけでそれ以上は進まない。
私は恋愛経験が少ない、最後まで行ったのは一度だけ、しかも最初で最後の恋と思っていた、でもふられた、「美希とは身体の相性悪いな、満足出来ない」と言われて……
それから恋に臆病になった。
また満足出来ないとふられるかもと、脳裏を掠める。今、彼は好きって言ってくれる、この先付き合いが進み、最後まで行ったら嫌われるかもしれないと思ってしまう。
「美希、どうした?」
「どうもしません、支度してきます」
迎えが来て二人で会社に向かった。
会社に到着すると、早速仕事が待っていた。
パソコンを開き、東條さんが説明を始めた。そこへ社長が来て、「藤城には俺が教える」と二人の間に割って入ってきた。
「承知いたしました、御用があればお呼びください」
そう言って東條さんは秘書室を後にした。
「社長、これから桂木社長と会食になっていますが、そろそろ出発しないと遅れます」
「そうか、美希も一緒に行こう」
そう言って東條さんを呼んだ。
「桂木社長との会食に藤城も連れて行くから、あとよろしく」
「社長お待ちください、藤城さんには会社に残ってやっていただく仕事が山積みです、私が指導いたしますので藤城さんは残ってください」
「藤城の山積みの仕事はお前がやればいいだろう」
「藤城さんは我が社の社員です、仕事は熟していただかないと、他の社員に示しがつきません」
彼は東條さんに言われて返す言葉がないのか暫く黙っていたが、次の瞬間とんでもない事を口にした。
「東條、お前が残って藤城に指導するのは許可出来ない、藤城が社に残らなければならないのなら桂木社長との会食はキャンセルする、俺が藤城の仕事を指導する」
「失礼を承知で言わせていただきます、それは私への信頼がないと言うことですか?」
「そうではない、藤城が他の男と二人きりなんて我慢出来ないだけだ」
「私のことは信じて頂けてないと言うことでしょうか」
気まずい空気が社長室に流れた。
どうしよう、私が口を挟むことが出来る状況ではないよ?
彼は口を開いた。
「俺の気持ちの問題だ、嫌なものは嫌なんだ」
「子供みたいな事を言わないでください、冷静になってください」
彼はふっと息を吐き、とんでもないことを口にした。
「俺は冷静だ、もし俺の言うことが通らないのなら、藤城は退職させる」
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