俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

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第八章 すれ違い

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「蓮さん、私、蓮さんが好き」

「どうした?無理するな、じゃ切るぞ」

スマホが切れた。

この日帰宅した彼は、食事が終わるとすぐ自分の部屋に篭り、仕事を始めた。
深夜零時を回り、彼の部屋に様子を見に行くと、イスで仮眠を取っていた。

「蓮さん、もうおやすみになった方が……ベッドで寝てください、私と一緒が嫌なら私、ソファで寝ますから」

彼は目を覚まし呟いた。

「嫌な訳ないだろう、ベッドを共にしたら我慢出来なくなる、美希を抱きたくなっちまうからな」

思いがけず彼の本音が漏れた。
彼は我慢していたんだ、私が拒絶したから、私の心は彼にはないと思い込んだのである。



俺は美希に拒絶されて以来ベッドを共にしていない。

美希はまだあいつが好きなのか。

美希の気持ちは俺に対してないと言う事か。

俺達が夫婦になったのも、俺の強引な気持ちを美希が仕方なく受けてくれたからだ。

元々俺は美希に対して、溢れんばかりの愛情で接して二人の関係は始まった。


すぐに告白したかったが、親父に止められ、社員を目指した。

しかし社員になったが、美希を目の前にしておあずけ状態になり、社長を目指し、勉強のためアメリカへ渡米。

結局美希の存在を知ってからなんと三年の月日が流れたのである。

やっとの思いで美希と結婚出来たのに、美希の心は俺にはなかったなんてショックは計り知れない。

でも美希はいつも気遣い優しい言葉をかけてくれる。

俺はその言葉に甘えていていいのだろうか。

最近は自分の仕事部屋の椅子で寝ている。

美希とベッドを共にしたら、美希を抱きたくなる。

美希とキスもしていない。

どうしたらいいんだ、この溢れんばかりの美希に対する気持ちを……


俺は美希と商店街に足を運んで、初めて気付かされた。

親父がなぜこの場所のビル建築を先延ばしにしていたのか。

この商店街を守りたかったからなんだと、商店街の人々がこの場所で今まで通り商売が出来るように、何か良い手立てはないか考えていたんだと思った。



「親父はこの商店街が好きだったみたいだな」

偶然にも美希もこの商店街がお気に入りだったなんて、ちょっとビックリした。

俺も普段は商店街は利用しないが、美希に連れて来られて、なんか温かみを感じた。

店通しで歪み合う事などなく、かえって協力し合って、助け合って全ての店を同じように盛り上げていこうとしていると感じた。

確かにこの場所のビル建築は弊社に取って、利益を生むことは揺るぎない事実だ。

しかし、このままビルの建築と商店街とこの場所でやっていくには無理がある。

商店街の立退をしないでビル建築も進めるためには、ビル建築の場所を変えるか、ビルの規模を縮小するか、俺は悩んでいた。

ビルは一階に店舗を入れ、地下に駐車場を作り、二階から上は住居スペースと考えている。

店舗を入れることで、商店街は大ダメージを受けるだろう。

ビルの全ての住人が美希のように商店街を利用するとは限らない。

下手をすれば、商店街を利用していた客もビルの店舗に流れる可能性も歪めない。

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