俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う

ラヴ KAZU

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第十章 蓮さん助けて

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私はなぜか彼のお父様の病院へ戻った。

病室へ行くと彼が一足先に来ていた、慌ててる様子で病室を後にした。

私が病室へ入って行くと、彼のお父様は両手を広げ「おいで」と私を呼んだ。
お父様の胸に顔を埋めて泣いた、お父様は「大丈夫」と頭を撫でてくれた。

「美希ちゃん、大丈夫かい、何があったかわからないが、顔を埋めて泣く相手は、わしではなく蓮じゃないかな、すごく心配していたよ」

「でも私、もう蓮さんの元へは戻れません」

「そんなことないよ、大丈夫、蓮は全て受け入れてくれるさ」

私はお父様に慰められ、彼の元に戻ることにした。

マンションに戻ると、彼は私を抱きしめてくれた。

「美希、大丈夫?、何があった?」

「蓮さん、ごめんなさい、ごめんなさい」

もう、涙が溢れて止まらない、彼は優しく涙を拭ってくれた。

「もういいよ、無事で良かった、すげえ心配したぞ」

子供のように泣き続ける私の様子で何があったか彼は見抜いていた。



「美希、前に俺が言ったこと覚えてるか、俺だけ見てろ、俺だけ信じろ、そして俺に甘えろと」

「覚えています、でも私、蓮さんに相応しくないんです」

「美希が俺に相応しいかは俺が決める」

「蓮さん」

「美希は俺が認めた女だ、鏑木蓮の妻はお前しかいない、美希が俺の側にいるべきかどうかは俺が決める、だから俺の許可無しに勝手なことするなわかったか」

「はい、わかりました」

「よし、いい子だ」

そう言って彼は私の頭をポンポンした。

美希には申し訳ないが、これ以上危険な目にあわすわけにはいかない。

俺がいつも側にいてやればいいんだろうが、今はそう言うわけにもいかない。

美希、我慢してくれ。

美希はあいつに酷い目に遭ったのだろう。

絶対に許せない。

十年前に酷い言葉を浴びせて、自分からふったくせに、今更手放した事が惜しくなったんだろう。

力づくで自分のものにしようとしたに違いない。

美希は精一杯の抵抗を試みたが、無駄に終わったのだろう。

くそっ!


俺は目の前にあいつがいたら、殴りかかっていただろう。

これ以上美希を危険な目にあわす事は出来ない、俺は東條を呼んだ。

「東條、申し訳ないが、今度の休みに美希と出かける、しかし、あいつが狙っている可能性が高い、俺は美希を命に変えても守るが、俺一人ではあいつを捕まえる事が出来ない、また、逃すと面倒だから、俺達の後に着いてきてくれないか」

「かしこまりました、そろそろやつも痺れを切らして、最終手段に出るやもしれません、
私にお任せ下さい」

「折角の休みに申し訳ないがよろしく頼む」

俺は東條に護衛を頼んだ。

そろそろあいつと決着つけなければ、堂々巡りだからな。

美希だってずっと部屋の中ではストレスが溜まるだろう。

東條に何人かのSPを依頼するように手配を頼んだ。



私はまた一人での外出は禁止された。
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