48 / 109
第二十章 美希の存在
②
しおりを挟む
無事蓮也を保育園に送り届けた。
「社長、急ぎませんと会議に間に合いません」
「もう、そんな時間か」
ベビーシッターを頼むことも考えたが、美希が他人を自分達のテリトリーに入れることに反対した。
また、友達との付き合いも経験させたいとの強い希望があった。
あっという間に迎えの時間がきてしまった。
「やばい、東條、蓮也の保育園の迎えの時間だ」
「あとは私がやっておきますので、早く保育園に行ってください」
「すまん、よろしく頼む」
俺はバタバタと会社を後にして保育園に向かった。
七時の迎えの約束が、保育園に着いたのは七時を過ぎていた。
「蓮也、悪い、遅くなった」
蓮也は俺の顔を見るなり、走って抱きついてきた。
「パパ、パパ」
「ごめんな、でも男は泣いたらダメだぞ」
「うん」
「蓮也くんは慣れない場所で不安があったんだと思います、どんどんお友達が少なくなって、心細くなったようです」
「そうか、でもママもさ寂しいって泣いてるかもしれない、だけど病気を治すために頑張ってるんだ、だからパパと蓮也も頑張らないとな」
蓮也は俺の話をじっと顔を見ながら聞いていた。
そうだ、美希のことも気になるが、今は蓮也のことでいっぱいだな。
美希、ごめんな。
まさか、本当に寂しくて泣いているとは想像出来なかった。
美希が入院したことを東條から聞いた望月は、すぐに美希の病室に向かった。
「美希ちゃん、大丈夫か」
私はグッと堪えていた涙が溢れてどうすることも出来なかった。
「美希ちゃん」
望月さんは私の涙を見て、抱きしめてくれた。
いけないと分かっていても、目の前の望月さんを頼ること以外、私の精神バランスを保つ方法が分からなかった。
蓮也のこと、仕事のことで多忙な日々を送っている蓮さん。
私のことまで気が回らないことくらい、理解している。
でも、ちょっとでいいから、病院へきて抱きしめてほしい。
そんな気持ちが抑えられず、望月さんに頼ってしまったのだ。
「美希ちゃん、大丈夫?」
「ごめんなさい、いつも迷惑かけてしまって」
「蓮も必死なんだよ、今頃ヒーヒー言ってるんじゃないか」
私はちょっと笑ってしまった。
なんで、望月さんと一緒だと落ち着くんだろう。
望月さんをじっと見つめてしまった。
そんなことも知らず、俺は蓮也に飯を食わせ、風呂に入れ、寝かせた。
美希、もう俺はギブアップかもしれない。
俺は東條に連絡して、病院へ行きたいからと蓮也のことを頼んだ。
病院へ向かっている時、まさか病室に望月がいるとは想像もつかなかった。
こんな面会時間外に誰もいないだろうと、俺は病室のドアをノックもしないで、いきなり開けた。
美希は望月と笑顔で話していた。
「社長、急ぎませんと会議に間に合いません」
「もう、そんな時間か」
ベビーシッターを頼むことも考えたが、美希が他人を自分達のテリトリーに入れることに反対した。
また、友達との付き合いも経験させたいとの強い希望があった。
あっという間に迎えの時間がきてしまった。
「やばい、東條、蓮也の保育園の迎えの時間だ」
「あとは私がやっておきますので、早く保育園に行ってください」
「すまん、よろしく頼む」
俺はバタバタと会社を後にして保育園に向かった。
七時の迎えの約束が、保育園に着いたのは七時を過ぎていた。
「蓮也、悪い、遅くなった」
蓮也は俺の顔を見るなり、走って抱きついてきた。
「パパ、パパ」
「ごめんな、でも男は泣いたらダメだぞ」
「うん」
「蓮也くんは慣れない場所で不安があったんだと思います、どんどんお友達が少なくなって、心細くなったようです」
「そうか、でもママもさ寂しいって泣いてるかもしれない、だけど病気を治すために頑張ってるんだ、だからパパと蓮也も頑張らないとな」
蓮也は俺の話をじっと顔を見ながら聞いていた。
そうだ、美希のことも気になるが、今は蓮也のことでいっぱいだな。
美希、ごめんな。
まさか、本当に寂しくて泣いているとは想像出来なかった。
美希が入院したことを東條から聞いた望月は、すぐに美希の病室に向かった。
「美希ちゃん、大丈夫か」
私はグッと堪えていた涙が溢れてどうすることも出来なかった。
「美希ちゃん」
望月さんは私の涙を見て、抱きしめてくれた。
いけないと分かっていても、目の前の望月さんを頼ること以外、私の精神バランスを保つ方法が分からなかった。
蓮也のこと、仕事のことで多忙な日々を送っている蓮さん。
私のことまで気が回らないことくらい、理解している。
でも、ちょっとでいいから、病院へきて抱きしめてほしい。
そんな気持ちが抑えられず、望月さんに頼ってしまったのだ。
「美希ちゃん、大丈夫?」
「ごめんなさい、いつも迷惑かけてしまって」
「蓮も必死なんだよ、今頃ヒーヒー言ってるんじゃないか」
私はちょっと笑ってしまった。
なんで、望月さんと一緒だと落ち着くんだろう。
望月さんをじっと見つめてしまった。
そんなことも知らず、俺は蓮也に飯を食わせ、風呂に入れ、寝かせた。
美希、もう俺はギブアップかもしれない。
俺は東條に連絡して、病院へ行きたいからと蓮也のことを頼んだ。
病院へ向かっている時、まさか病室に望月がいるとは想像もつかなかった。
こんな面会時間外に誰もいないだろうと、俺は病室のドアをノックもしないで、いきなり開けた。
美希は望月と笑顔で話していた。
10
あなたにおすすめの小説
行き遅れのお節介令嬢、氷の公爵様と結婚したら三人娘の母になりました
鳥柄ささみ
恋愛
お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。
けれど、それに反比例するように男性からの人気はなく、二十七だというのに嫁の貰い手もないため、毎日母から小言をもらっていた。
そんなある日のこと、突然公爵家から縁談の話が。
シアは公爵家がなぜ自分に縁談など持ち掛けるのかと訝しく思いつつ話を受けると、なんと公爵の後妻として三人の娘の母代わりになれと言われる。
困惑するも、自分へ縁談を持ちかけた理由を聞いて、お節介なシアは嫁ぐこと決めたのだった。
夫になるレオナルドはイケメンなのに無表情で高圧的。三人の娘も二女のアンナを除いて長女のセレナも三女のフィオナもとても反抗的。
そんな中でもお節介パワーを発揮して、前向きに奮闘するシアの物語。
※他投稿サイトにも掲載中
半年間、俺の妻になれ〜幼馴染CEOのありえない求婚から始まる仮初の溺愛新婚生活〜 崖っぷち元社畜、会社が倒産したら玉の輿に乗りました!?
とろみ
恋愛
出勤したら会社が無くなっていた。
高瀬由衣(たかせゆい)二十七歳。金ナシ、職ナシ、彼氏ナシ。ついでに結婚願望も丸でナシ。
明日までに家賃を用意できなければ更に家も無くなってしまう。でも絶対田舎の実家には帰りたくない!!
そんな崖っぷちの由衣に救いの手を差し伸べたのは、幼なじみで大企業CEOの宮坂直人(みやさかなおと)。
「なぁ、俺と結婚しないか?」
直人は縁談よけのため、由衣に仮初の花嫁役を打診する。その代わりその間の生活費は全て直人が持つという。
便利な仮初の妻が欲しい直人と、金は無いけど東京に居続けたい由衣。
利害の一致から始まった愛のない結婚生活のはずが、気付けばいつの間にか世話焼きで独占欲強めな幼なじみCEOに囲い込まれていて――。
腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~
有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。
ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。
そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。
彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。
「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
高塚くんの愛はとっても重いらしい
橋本彩里(Ayari)
恋愛
時期外れ、しかも偏差値の高い有名校からなぜかわざわざやってきた話題の転校生。
「どこに隠れていたの?」
そんな彼に、突然探していたと莉乃は背後から抱きしめられ、強引に連れて行かれる。
その日から莉乃は高塚くんに振り回される毎日。
この関係は何?
悩みながらもまるで大事な恋人のように莉乃を扱う彼に絆されかけていた、あの言葉を聞くまでは……。
高塚くんの重愛と狂愛。
すれ違いラブ。
見目がいいだけの男ではないのでご注意ください。
表紙イラストは友人のkouma.作です。
腹黒上司が実は激甘だった件について。
あさの紅茶
恋愛
私の上司、坪内さん。
彼はヤバいです。
サラサラヘアに甘いマスクで笑った顔はまさに王子様。
まわりからキャーキャー言われてるけど、仕事中の彼は腹黒悪魔だよ。
本当に厳しいんだから。
ことごとく女子を振って泣かせてきたくせに、ここにきて何故か私のことを好きだと言う。
マジで?
意味不明なんだけど。
めっちゃ意地悪なのに、かいま見える優しさにいつしか胸がぎゅっとなってしまうようになった。
素直に甘えたいとさえ思った。
だけど、私はその想いに応えられないよ。
どうしたらいいかわからない…。
**********
この作品は、他のサイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる