契約結婚のはずが、御曹司は一途な愛を抑えきれない

第ニ章 契約結婚

クールを装った省吾

「それは愛情がないと言うことだろう」

「ですから、好きになってもらわなくてはいけません、いいですか、
お相手の女性に、省吾様に対して、愛情を感じられないなら、こちらも
クールに接しなければいけません」

「クールって、俺はいつも情熱的だ、無理だろ、好きな女を前にして
クールに装うなんて、よく出来るな、俺はすぐにでも抱きしめてキスしたい」

「それではただのオスです、恋愛には駆け引きが大事なんです」

「無理、無理、無理」

「では、今度そのような女性が現れたら、すぐにプロポーズしてください、
そして一緒に住むんです、でも、いきなり押し倒してはいけません、
距離を置くのです、結婚してくれと、強引にマンションに引っ越しを強行したのに、寝室は別にしてクールに装えば、女性は気になり始めます」

「結婚したのに、寝室は別ってあり得ないだろう」

「省吾様、普通、恋愛とは三年位の交際期間を経て、結婚するんです、
それなのに、省吾様は三ヶ月位でプロポーズなさるから断られるのです」

「それならすぐにプロポーズしたんじゃ、断られるんならダメじゃん」

「断れない相手を探すのです」

そんな矢先、俺はミクに一目惚れをした。

バーで見かけたミクは泣いていた。

今日は誕生日なのに、別れを告げられたと。

ワンワン泣いて、抱いてと迫られた。

もう、気持ちが止められなかった。