極道と財閥令嬢の許されない愛

ラヴ KAZU

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第十章 止められない溢れる思い

冬夜から最後の夜に言われたことを、すずかは守らずに、ずっと残していた。

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何回か父親の薦めで、見合いをしてみたが、心惹かれる男性には出会うことは出来なかった。

「俺の連絡先は消せ、俺もお前の連絡先は消す」

冬夜から最後の夜に言われたことを、すずかは守らずに、ずっと残していた。

すずかはスマホを取り出し、冬夜の連絡先をタップした。l

冬夜もすずかの連絡先を消すと言っていたので、知らない番号からの着信は出てくれないかもと考えていた。

ところが、二回目の呼び出し音のあと、冬夜は出てくれた。

しかも、第一声が「すずか、どうした、何かあったのか」と冬夜の言葉だった。

(冬夜さん、私の連絡先残してくれていたんだ、嬉しい)

「冬夜さん、お久しぶりです、お元気でしたか」

冬夜はすずかの明るい声に、頬が緩んだ。
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