ハチ切れ令嬢は、笑みを浮かべながら復讐する。

晴海りく

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やっぱりこの店

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トントン…ガラガラ…


「お嬢様?おはようございます!
朝ですよ?」

アイナの肩をそっと叩くサブリナ。
目を開けると
「…おはよう、サブリナ。」
「おはようございます。よく眠れたみたいですね?顔色がいいですよ♪」
とサブリナはベッドの横に、ワゴンの上で紅茶を入れる準備をしていた。
アイナは、目を擦りながら
「久しぶりに、よく眠れたわ…」
サブリナは笑顔で
「それは、よかった!
では、モーニングティーをどうぞ。
あと、よろしければクロワッサンとサラダもありますよ?
お熱いので、気をつけて飲んでくださいね?」

紅茶を手にとり、ゆっくりと飲む。
「…おいしい。…だいぶ頭が冴えてきたわ!」
少しだけクロワッサンも、かじる。
サブリナはアイナが目覚めた所で、スッと白い封筒を渡す。
アイナは受け取りながら
「ん?レイモンド?
…何かしら?」


カサ


と封を開け、手紙を見る。


そしてアイナの手が震えた。


「サッサッサッ…サブリナーーー!!!
大変よ!
明後日…レイモンドとデートへ!!!!!
デートへ行くことになったわ!!!
えっと…何をすればいいの?
なっ何から、始まればいいの?」

サブリナはニヤニヤしながら、アイナの肩にポンと触れ
「お嬢様!とりあえずシャワーでサッパリしてもらって、カタリナ様のお店へ参りましょう!
そこで、デートのお洋服を色々と買いましょう!!ウフフ♪」

心の中でサブリナは、荒れていた。
“お嬢様!なんと、可愛らしいお方!!
レイモンド様にお見せするのが、もったいないぐらい…くぅ~!!!
ハッ!!カタリナ様のお店へ行く服を用意しなければ!!”


部屋の隣にあるシャワー室へ移動し、アイナの心の中も荒れていた。
“…どんな服を着ればいいのかしら?
レイモンドは!レイモンドは!!どんな感じの服が好きなのかしら?う~ん?”

「アイナなら、何でも似合うよ?」
「アイナ、とても綺麗だ!」

とバスタブで、レイモンドのモノマネをするアイナ。
我に返りながら、首を振る。
「…って、私…何を言っているのかしら?
妄想が酷すぎる…」

バスタブから出て、サブリナが用意した服を着る。
アイナはタメ息を吐きながら
「相変わらず、サブリナのコーディネートは…すごいわ!」
サブリナは、ベッドのシーツを変えながら
「今日は、白りぼん付きブラウスにベージュのタイトスカート、それにベージュに合う紺色のショートジャケットと紺色ブーツ♪
貴族の女性はドレス以外でも、美しく!!ですよ?」
「わかったわ!
ん?でも、サブリナ?私が太っていた時、服を選ぶの大変だったのでは?」
「う~ん?元々、服を作っていたので…困ることは…なかったですね~楽しくて!楽しくて!
あっ!でも、お嬢様が細くなってから…なぜか、やる気に満ち溢れてしまって~♪服を大量に作ってます!!」


“サブリナ!気づいてないけど、布面積が小さくなったからよ!!
ごめんね!!太らないように、気を付けるから!”


アイナは、心の中で…サブリナの負担にならないように固く誓う。


アイナの準備ができ、サブリナは、笑顔で
「とてもお似合いです!!」
「じゃあ~行きましょう?カタリナの店へ!!」






馬車へ乗って、カタリナの店へ行く。
馬車は、店の前に止まった。


ガチャ


馬車の扉を開け、アイナとサブリナは店の方へ歩いていく。
するとアイナの肩に男性がぶつかる。
「…っ」
「おや?これは、失礼を致しました。レディ。」
「大丈夫です。」
「…本当に、失礼を…では、これにて失礼致します。」

“とても紳士的ね?
大体は、舌打ちや言葉遣いが荒いのが普通なのに…
それに甘い匂いがしたわ!”

サブリナは、後ろを振り返り
「お嬢様?いかがされました?」
首を振りながらアイナは言う。
「久しぶりに、まともな貴族に出会ったと思ったわ!」
「そうなんですね~♪
さあさあ、お店へ参りま…」



カランカラン    ガチャ


急に、扉が開いた。

「ハ~イ♪お待ちしておりました!アイナ・ルメール嬢♪
あなたのカタリナ・チャールストンですよ~♪
ようこそ~♪ビューティーサロンへ♪」
赤毛の髪を白レースのリボンで後ろに纏めて、ピカッと光るベージュの皮素材のスーツを着ていた。
アイナとサブリナは、驚きながら
「わぁ!カタリナ!今日も素敵ね!」
「ありがとうございます!アイナ嬢、この前のパーティーに当店のドレスを使ってくださり…ありがとうございました。とても凛々しく可憐なお姿で感無量でございます。」
「あんな形になってしまったから…またパーティーをしようかと思っているの…その時に、もう一度着られたらいいのだけど…それよりも見たことのない素材ですね♪」
カタリナは、ニコニコしながら
「嬉しゅうございます!
これは、皮です!」
アイナは、オロオロしながら
「皮!?このご時世、動物の皮は服に使うのは禁止と…」
「アイナ嬢!これは、合皮です。偽物です!」

「「偽物!?」」


カタリナは、アイナとサブリナを店の中に入れながら
「フフ、当店は…色んな種類がございますので…」
アイナはウロウロと視線をめぐらせながら、店内を見る。
「この前と、服やバック、靴、お化粧品がガラリと変わったわね~」
サブリナも頷きながら、カタリナにコソリと耳打ちする。

カタリナは、サブリナにウインクを送りながら
「アイナ嬢!商品を見て、気になったら着てみてくださいね?
私は、少し奥へ行ってきますね?」
その間にサブリナは、アイナに似合う服を選ぶ。
アイナは香水の棚の方へ行き、匂いを嗅いでいた。

“クン)この匂いは、お花の匂いだわ…しかもお花のボトルで可愛いわね♪
赤色のハートのボトルなんて…クン)甘い香りだわ♪”


すると黄色の小さなボトルに目が入る。
“レモンが模様って、いいわね…可愛いわ♪
クン)ん?この匂い…私、この匂いを知って…”

「…これ…レイモンドの香水…」
アイナの背後から、
「正解です!アイナ嬢♪」
とカタリナは、声をかける。
「カタリナ?レイモンドには、内緒で…これも買うわ♪」
恥ずかしそうに言うアイナを見て、カタリナは、
「もちろんです!アイナ嬢、香水をつける時…足首につけてください。ほのかに、香るので…レイモンドの鼻がおかしくなければ…気づいてくれますよ?」
「わかったわ!」
と頷くと、カタリナの手には、レモン色のワンピースが見える。
アイナは、思わず
「可愛いワンピースね?誰かが着るの?」
カタリナは、アイナを着替える所へ案内しながら
「もちろん♪アイナ嬢が着るのですよ?」


レモン色のワンピースに着替えるアイナ。
そして、鏡にうつる自分を見ていた。
“丸襟の長めのパフスリーブ、ウエストラインに同じ色のリボンがシンプルで可愛い♪
足のふくらはぎが見えるのが…可愛いけど気になるわ!!”

サブリナの声が聞こえた。
「お嬢様?いかがです?」

シャッ

とカーテンが開く。
アイナは、サブリナに
「ワンピースは、素敵なのだけど足が…」
カタリナは、青のストッキングと青のヒールを持ってきて
「アイナ嬢?これで、完璧ですよ?」

それを受け取り、再び二人に見せる。


「お嬢様!お美しい♪」
「うん!私に狂いは、なかったわ♪
さて、サブリナ様が選んだアクセサリーや髪飾りをメイクルームで仕上げましょう。こちらです。」


着替える場所から、メイクルームへ行く。



















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