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しおりを挟む「雑用はたくさんありますからね。選んでもいいですよ。」
「は、はあ。」
アーモッドさんは嬉しそうに告げる。
この人なんでこんなに嬉しそうなのだろうか。
「どんな内容ですか?」
「一つは畑の水やりです。この食堂では自家栽培した野菜を使用しております。そのため、野菜への水やりが必要なのです。」
どうやら、一つ目の雑用は肉体労働らしい。
水道にホースを繋げれば水やりだったら楽勝かな。
畑の面積がわからないからなんとも言えないけれども、時間さえあれば簡単に終えられそうだ。
「もう一つは明日の下ごしらえです。野菜の皮むきが主な作業になります。」
二つ目の雑用は野菜の皮むきのようだ。こちらは手先の器用さも求められるのだろう。
下手に剥いてしまえば見た目が悪くなるし、下手をすると皮を厚く剥きすぎてしまって、身がなくなってしまうなんてこともあるだろう。
「もう一つはニャーニャーニャー亭の掃除になります。ニャーニャーニャー亭は客商売ですからね。毎日掃除は欠かせません。」
三つ目の雑用はこのお店の掃除らしい。掃除と言ってもどこまで掃除をするのかわからないところが怖い。
床掃除だけではなく窓拭きなんかもやるのだろうか。
掃除が苦手なオレにとってはこの選択は一番ありえないかな。
「最後に鶏小屋の清掃があります。ニャーニャーニャー亭では毎日産みたての新鮮な卵を使用して料理を作っています。そのため、鶏小屋も広くたくさんの鶏がおります。それと産んだ卵の回収も仕事内容に含まれます。」
鶏小屋の清掃ねぇ。卵の回収も含むのか。
凶暴な鶏じゃないといいけど。
さて、選択肢は4つある。
どれを選ぼうかな。
「ノエル鶏なのー!鶏小屋行くの-!!」
アーモッドさんから提示された選択肢の中でどれが一番簡単だろうかと考える。
どれも雑用とだけあって難しくはない内容だが・・・。
どれにしようかと悩んでいると、可愛いノエルが鶏小屋に行きたいと言い出した。
鶏小屋かぁ・・・。
まあ、可愛いノエルが選んだのだからオレには拒否権なんてないな。
それに女神であるシラネ様からオレのことを頼まれているノエルだから、きっとオレに不都合がない仕事を選んでくれたんだろうと思う。
「それでは鶏小屋の掃除をさせていただきます。」
「わかりました。今の時間だともう鶏たちは寝ていますので、明日の早朝からお願いできますか?」
アーモッドさんはオレの答えを聞くとにっこりと笑って頷いた。
しかし、オレが選ばなかった雑用はいったい誰がやるのだろうか。
そして翌日、オレは鶏小屋の前で呆然と突っ立っていた。
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