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「あ、あの・・・アルフレッド様?」

「君はただイエスかノーで答えてくれればいい。」

メリーチェが大好きなはずのアルフレッド様が私に恋人になってくれだなんて明らかにおかしすぎる。

怪しさ満点だ。

きっと何か裏があるんだと思う。

「あの・・・アルフレッド様は私のことが好きだったんでしょうか?」

思いきって聞いてみる。

私のことが好き?なんて聞くのはとても勇気がいったが、ぜったいにこの件には裏がある。

そう思ったからこそアルフレッド様に確認をしてみた。

「好きだが。まあ、LoveではなくてLikeだがな。」

アルフレッド様に好きと言われて舞い上がりそうになったところを次の言葉で打ち緒とされた。

Likeの方の好きだってさ。

じゃあ、なんで恋人になってくれだなんて言うのだろうか。

「私はアリーチェのことが嫌いではない。嫌いではないが、異性としては見れない。」

「じゃあ、なんで恋人になろうだなんて言ったんですか?」

続くアルフレッド様の言葉に私は脱力する。

アルフレッド様の言葉を聞く限り、先程の恋人発言はあきらかにおかしいものだということがわかる。

よかった。即答しなくて。

「・・・メリーチェにヤキモチを焼いてほしかったんだ。アリーチェと付き合えば、メリーチェがヤキモチを焼いてくれるかと思ってだな・・・。」

「・・・そういうことでしたか。おかしいと思ってました。」

つまり、婚約者ではなくって他の女といちゃこらしているのを見たメリーチェが、ヤキモチを焼く姿を見たかったってことね。

って、メリーチェってば焼きもち焼くかな?

だって、なんだかアルフレッド様にあまり執着していないように見えるんだよなぁ。

「いや・・・メリーチェがあまりにも連れない態度で、私よりもアリーチェの方が好きなんじゃないかと思ってしまったのだ。それを確かめるために、アリーチェと付き合っているふりをすれば、私にもっと感情をしめしてくれるのではないかと思ってだな・・・。」

アルフレッド様は心情を吐露しはじめた。

確かにメリーチェは見ていてもアルフレッド様のことが好きだという感情がまるで見れない。

アルフレッド様が不安に思うのも仕方がないことだろう。

「・・・でも、そんなことをしたらメリーチェ様が嫉妬で苦しむことになりますよ。それに・・・、メリーチェ様ここにいらっしゃいますので、今の会話は筒抜けかもしれません。」

「えっ!?」

ここに来たときからずっとメリーチェは物陰に潜んでこちらの様子をうかがっているのだ。

というか、教室を出てから私たちの後ろをずっとついてきていたんだけど、アルフレッド様は気がつかなかったんだろうか。

「メリーチェ!!私がアリーチェに鞍替えしないか気になったんだな!!」

メリーチェが物陰に潜んでいると聞いて、アルフレッド様が嬉しそうに叫んだ。

その声はもちろんメリーチェにも聞こえている。

なので、アルフレッド様の言葉を聞いたメリーチェが私たちの前に姿を現したのだった。
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