追放聖女ですが、辺境で愛されすぎて国ごと救ってしまいました』

婚約者である王太子から
「お前の力は不安定で使えない」と切り捨てられ、
聖女アニスは王都から追放された。

行き場を失った彼女を迎えたのは、
寡黙で誠実な辺境伯レオニール。

「ここでは、君の意思が最優先だ」

その一言に救われ、
アニスは初めて“自分のために生きる”日々を知っていく。

──だがその頃、王都では魔力が暴走し、魔物が溢れ出す最悪の事態に。

「アニスさえ戻れば国は救われる!」
手のひらを返した王太子と新聖女リリィは土下座で懇願するが……

「私はあなたがたの所有物ではありません」

アニスは冷静に突き放し、
自らの意思で国を救うために立ち上がる。

そして儀式の中で“真の聖女”として覚醒したアニスは、
暴走する魔力を鎮め、魔物を浄化し、国中に奇跡をもたらす。

暴走の原因を隠蔽していた王太子は失脚。
リリィは国外追放。
民衆はアニスを真の守護者として称える。

しかしアニスが選んだのは――
王都ではなく、静かで温かい辺境の地。

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