悪役令嬢は始祖竜の母となる

葉柚

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本編

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「邪竜がすでに孵化しているということでしょうか・・・?」

私は自分が思いついた最悪の事態をトリードット先生とジェリードット先生に確認する。

どうか、違うと言って欲しい。

乙女ゲームの世界では悪役令嬢である私が邪竜を孵化させてしまって世界が混沌に陥ってしまったのだ。

その被害たるや創造を絶するものである。

乙女ゲームのシナリオ通りならばこの世界の人口が邪竜によりいっきに1/3まで減ったということになっている。

そんな状態には絶対にしたくない。

「・・・その可能性は否定できんのぉ。」

「・・・そうね。でも、精霊の卵は全てこの高等魔術学院で管理しているわ。どこから邪竜の卵が流出したのかしら・・・。」

「精霊の卵の数量等は管理していたのですか?」

「ええ。もちろん。毎日朝と夕に確認をとっていたわね。それでも不審な増減はなかったわ。」

「となると・・・学院の管理外の精霊の卵がどこかにあったということかのぉ。」

精霊の卵がこの高等魔術学院で全て管理されているなんてこと初めて知った。

どういう仕組みでこの学院に精霊の卵が集まってくるのだろうか。

「精霊の卵を全て学院で管理しているだなんて初めて知りました。いったいどういう仕組みなんですか?」

疑問をそのままトリードット先生に尋ねてみる。

きっとトリードット先生ならば教えてくれるだろう。

「まあ、機密事項じゃないし教えても問題ないじゃろう。精霊の卵の守り人という者が各地におるのじゃ。守り人は特殊な能力を有しておっての。精霊の卵が生まれればどこで生まれたか察知できるのじゃ。その守り人が精霊の卵を見つけて、学院に持ってくるのじゃ。」

「守り人は一説では精霊じゃないかって話もあるわね。そうして、この学院も守り人に監視されているわ。精霊の卵が不正に流失しないようにね。」

「そうなんですね。」

精霊の卵はしっかりと管理されているようである。

それにしても精霊の卵の守り人だなんて初めて聞いた。

「その精霊の卵の守り人が秘密裏に精霊の卵が見つかったことを報告しなかった可能性はありませんか?」

精霊の卵の守り人だったらいくらでも邪竜の卵を横流しすることは可能だろう。

だって、精霊の卵の守り人にしか精霊の卵が生まれたことが察知できないのだから。

「無理じゃろうな。この世界には幾人かの精霊の卵の守り人がおる。何人いるのかは把握できておらぬが最低でも10人以上いることはわかっている。守り人は世界中の精霊の卵を感知できるでの。誰か一人が秘密裏に精霊の卵を横流しすることは難しいのじゃ。」

「そうね。精霊の卵の守り人が全員の承認がないと横流しなんてできっこないわ。まあ、可能性としては精霊の卵の守り人全員が関与しているってこともあるかもしれないわ。」

「そんなっ・・・!!」

精霊の卵の守り人が全員関与しているだなんて、この世界はどうなってしまうのだろうか。

 

 

 

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