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本編
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しおりを挟む「え?なんで?今朝旅立ったばかりなのに・・・。」
私はプーちゃんと精霊王を見て驚きに目を瞠った。
アクアさんもきっと同じような状況なのだろう。
だって、プーちゃんたちが向かったのはここから一週間はかかるだろうド田舎の村だ。
それが、今朝行って夕方の今帰ってくるだなんてことは通常では考えられない。
いくらプーちゃんが空を飛べるからって光速で飛べるわけはないし・・・。
「ふむ。怒られたのだ。魔術学院では常に精霊が側にいなければならないと・・・。」
「あやつは変なところで真面目だからのぉ。久々に怒られたのじゃ。」
プーちゃんも精霊王も怒られたと言いながらも嬉しそうな顔をしている。
きっと以前一緒に住んでいたという人と会えてよほど嬉しかったのだろう。
それにしても、精霊王と始祖竜を叱れる人がいるだなんて思いもしなかった。
「シルヴィアさんは・・・?」
私はシルヴィアさんのことが気になってプーちゃんと精霊王に確認する。
シルヴィアさんはド田舎で上手くやっていけそうなのだろうか。
「うむ。きっと大丈夫だろう。」
「上手くやっていたように思うのじゃ。」
どうやらシルヴィアさんは大丈夫のようです。
一安心。一安心。
まあ、若干二人の言うことだから不安があるんだけどね。
それでも、今までよりも悪いようなことはないだろう。
プーちゃんと精霊王が信頼する人の元にシルヴィアさんはいるのだから。
「おお。そう言えばあやつから預かってきたのだった。」
プーちゃんはそう言って持っていた袋をガサガサとあさりだした。
そうして、目の前に差し出してくる茶色い何か。
「って!猫!?」
それは、茶トラの猫だった。
それもとても見覚えのある猫だった。
私が前世の記憶を取り戻すきっかけになったあの猫だ。
「うむ。あやつの家の猫なのだが、最近ちぃっとばかり行方不明になっておったのだ。」
「は、はあ。」
あ、あれ?
じゃあ、私が見た猫とは違う猫なのかな?
人の足でも一週間もかかるのだから猫の足だったらもっとかかるだろう。
そんな距離を移動できるはずもない。
だから、私が前世を取り戻すきっかけになった猫とは違うのだろう。
そう、思ったのだが。
「戻ってきたのはいいのだが、お母さんに会いたいと言っておったので託されたのだ。」
「お母さんって、この猫の?」
「違うの。プーちゃんの言うお母さんはエメロードのことじゃ。」
「え?私?」
「うむ。」
どうして、この猫が私に会いたいというのだろうか。
ちょっと不思議だ。
というよりわけがわからない。
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