26 / 92
第26話
しおりを挟む
「……クリスが侯爵家の猫ですって?」
「あ、アンジェリカお嬢様っ!?」
思わず隠れていたのも忘れてヒースクリフさんの前に飛び出してしまった。
このような時間に出歩いていることを咎められても仕方がない。だって。クリスが関わっていることなんだもの。
「アンジェリカお嬢様。なぜ、こちらに……?」
ヒースクリフさんはビックリとした表情を隠すことなく問いかけてくる。
確かに年頃の令嬢が出歩くような時間ではない。ましては、侯爵家まで猫を追いかけてきたなんて驚くのも無理はないだろう。
「クリスが侯爵家の猫。あの、クリスが……。では、あの晩餐会の時のドレスも侯爵家で用意してくださったものなの?」
「……ええ。旦那様の命令でドレス一式を贈らせていただきました。」
「クリスは侯爵様と会話をすることができるの?それとも、クリスはあなたと会話できるの?」
今までクリスに侯爵とは結婚したくない。結婚するならクリスとがいいと言っていたのが侯爵の耳にも入っているのだろうか。
だから、侯爵は私に会うのも嫌だった。とか?
それだったら自業自得じゃない。侯爵に嫌われているのも頷けるわ。
「……クリス様とは会話はできません。ですが、アンジェリカお嬢様の身辺を少し調べさせていただきました。いくら国王へ以下からの命令とは言え、ある程度のことは調べさせていただきました。申しわけございません。そのなかで経済状況がきになり、来てくるドレスにも困っているのではないかと思った次第でございます。決してクリス様と会話をしたというわけでは……。」
ヒースクリフさんはそう言って頭を下げた。
別にヒースクリフさんに謝って欲しい訳じゃない。それに、結婚相手のことを調べるのは普通だろう。それが侯爵ともいう地位があればなおさらだ。
「いいえ。謝らなくても良いのです。むしろ謝らなくてはいけないのは私の方です。クリスが侯爵家の猫とは知らずに私は……。」
侯爵家で飼われている猫にずいぶんと気安い態度をとってしまった。そのことにたいして侯爵から怒りをかわなければいいんだけれども。
でも、ちょっと待って。クリスが侯爵家の猫だということは、私が侯爵と結婚んすれば、クリスと一緒に暮らせるということ?
なにそれ。すっごく魅力的なんだけど。
よるもクリスと一緒のベッドで眠れるのよね?あのふわふわの暖かいクリスと一緒にベッドで寝ることができるのよね?
夢だったのよね。お気に入りの猫と一緒に眠るのって。それが、叶うの?
侯爵と結婚すればそれが叶うというの?
幸いにも、侯爵は侯爵家の使用人が好きなようだし、私がクリスとずっと一緒にいても構わないわよね?
侯爵は好きな相手と過ごしている間に私がクリスと過ごしていたっていいよね?問題ないわよね?お互い様だよね?
「……アンジェリカお嬢様?なにか、変なことを考えていませんか?」
クリスとの今後のことを考えていたら、表情にでていたのかロザリーに突っ込まれてしまった。
「えっ。いや、あの……。」
「どうせアンジェリカお嬢様のことです。侯爵と結婚すればクリスに添い寝してもらえると思ったのでしょう?昼も夜もクリスとずっと一緒にいられると思ったのでしょう?」
「うっ。」
さすが長年私の侍女をしているだけある。ロザリーには私が考えていることなど筒抜けのようだ。
「えっ?クリス……様、と?添い寝?え?」
それに対してヒースクリフさんは驚きを隠せないようで、言葉が上手く口に出せないようでどもってしまっている。
「悪いですか。クリスに添い寝してもらうことが私の夢なのですっ。」
知られてしまったからには仕方がない。ここはキッパリと宣言させてもらう。だって、夢なんだもの。
もし、これで侯爵家の人間にふさわしくないと言われたら、せめてクリスを譲ってくれないか聞いてみよう。ダメかもしれないけど。でも、侯爵の呪いを解いたって功績ができれば、もしかしたらクリスを譲ってくれるかもしれない。
今までは侯爵の呪いを解く目的が侯爵との婚約の解消だったけれど、今日からはクリスを譲ってもらうことが目的に変更だ。
婚約解消をこちらから提案してしまったらクリスに会えなくなるかもしれないしね。
「そ、そうですか。クリス様、と添い寝。……そんなこと聞いたら旦那様が飛び上がって喜びそうですね。」
熱くクリスといかに添い寝がしたいかをヒースクリフさんに伝えたところ、そんな答えが帰ってきた。
「……侯爵様が喜ばれるですか?」
ロザリーがヒースクリフさんの言葉に突っ込んだ。
確かに私もそこにはつっこみたかった。自分の嫁になるかもしれない人物が、自分の飼っている猫に添い寝したいと熱弁されて喜ぶだなんて。そんなの聞いたことないんですけど。
むしろ、今までの婚約者候補の人たちはそんなことを言ったら確実に引いた。
「あ、いえ。今のは私の失言です。申し訳ございません。えっと。もう遅いですし、馬車で送らせていただきます。」
ヒースクリフさんはこれ以上ボロを出してはいけないと思ったのか、そう提案してきた。
どうやらさっさと帰れと言うことらしい。
本当はここに侯爵の初恋の人がいるらしいから調べたいんだけど。でも、こんな時間にお邪魔をするのは確かにおかしい。それに、クリスがここの猫だっていうことがわかったんだし。
ここは、明日からクリスに会いにこの屋敷に訪れればいいわよね。別に侯爵がいなくたってクリスがいるもの。
「馬車を出してくださるの?ありがとうございます。あの、厚かましい申し出かもしれませんが、ヒースクリフさんにお願いがございます。私、明日からクリスに会いにこちらにうかがってもよろしいでしょうか?屋敷にあげてくれとは申しません。庭の片隅で構いませんので、クリスと一緒にいたいのです。」
勇気を出して聞いてみると、ヒースクリフさんはカチンッと固まってしまった。
「あ、アンジェリカお嬢様っ!?」
思わず隠れていたのも忘れてヒースクリフさんの前に飛び出してしまった。
このような時間に出歩いていることを咎められても仕方がない。だって。クリスが関わっていることなんだもの。
「アンジェリカお嬢様。なぜ、こちらに……?」
ヒースクリフさんはビックリとした表情を隠すことなく問いかけてくる。
確かに年頃の令嬢が出歩くような時間ではない。ましては、侯爵家まで猫を追いかけてきたなんて驚くのも無理はないだろう。
「クリスが侯爵家の猫。あの、クリスが……。では、あの晩餐会の時のドレスも侯爵家で用意してくださったものなの?」
「……ええ。旦那様の命令でドレス一式を贈らせていただきました。」
「クリスは侯爵様と会話をすることができるの?それとも、クリスはあなたと会話できるの?」
今までクリスに侯爵とは結婚したくない。結婚するならクリスとがいいと言っていたのが侯爵の耳にも入っているのだろうか。
だから、侯爵は私に会うのも嫌だった。とか?
それだったら自業自得じゃない。侯爵に嫌われているのも頷けるわ。
「……クリス様とは会話はできません。ですが、アンジェリカお嬢様の身辺を少し調べさせていただきました。いくら国王へ以下からの命令とは言え、ある程度のことは調べさせていただきました。申しわけございません。そのなかで経済状況がきになり、来てくるドレスにも困っているのではないかと思った次第でございます。決してクリス様と会話をしたというわけでは……。」
ヒースクリフさんはそう言って頭を下げた。
別にヒースクリフさんに謝って欲しい訳じゃない。それに、結婚相手のことを調べるのは普通だろう。それが侯爵ともいう地位があればなおさらだ。
「いいえ。謝らなくても良いのです。むしろ謝らなくてはいけないのは私の方です。クリスが侯爵家の猫とは知らずに私は……。」
侯爵家で飼われている猫にずいぶんと気安い態度をとってしまった。そのことにたいして侯爵から怒りをかわなければいいんだけれども。
でも、ちょっと待って。クリスが侯爵家の猫だということは、私が侯爵と結婚んすれば、クリスと一緒に暮らせるということ?
なにそれ。すっごく魅力的なんだけど。
よるもクリスと一緒のベッドで眠れるのよね?あのふわふわの暖かいクリスと一緒にベッドで寝ることができるのよね?
夢だったのよね。お気に入りの猫と一緒に眠るのって。それが、叶うの?
侯爵と結婚すればそれが叶うというの?
幸いにも、侯爵は侯爵家の使用人が好きなようだし、私がクリスとずっと一緒にいても構わないわよね?
侯爵は好きな相手と過ごしている間に私がクリスと過ごしていたっていいよね?問題ないわよね?お互い様だよね?
「……アンジェリカお嬢様?なにか、変なことを考えていませんか?」
クリスとの今後のことを考えていたら、表情にでていたのかロザリーに突っ込まれてしまった。
「えっ。いや、あの……。」
「どうせアンジェリカお嬢様のことです。侯爵と結婚すればクリスに添い寝してもらえると思ったのでしょう?昼も夜もクリスとずっと一緒にいられると思ったのでしょう?」
「うっ。」
さすが長年私の侍女をしているだけある。ロザリーには私が考えていることなど筒抜けのようだ。
「えっ?クリス……様、と?添い寝?え?」
それに対してヒースクリフさんは驚きを隠せないようで、言葉が上手く口に出せないようでどもってしまっている。
「悪いですか。クリスに添い寝してもらうことが私の夢なのですっ。」
知られてしまったからには仕方がない。ここはキッパリと宣言させてもらう。だって、夢なんだもの。
もし、これで侯爵家の人間にふさわしくないと言われたら、せめてクリスを譲ってくれないか聞いてみよう。ダメかもしれないけど。でも、侯爵の呪いを解いたって功績ができれば、もしかしたらクリスを譲ってくれるかもしれない。
今までは侯爵の呪いを解く目的が侯爵との婚約の解消だったけれど、今日からはクリスを譲ってもらうことが目的に変更だ。
婚約解消をこちらから提案してしまったらクリスに会えなくなるかもしれないしね。
「そ、そうですか。クリス様、と添い寝。……そんなこと聞いたら旦那様が飛び上がって喜びそうですね。」
熱くクリスといかに添い寝がしたいかをヒースクリフさんに伝えたところ、そんな答えが帰ってきた。
「……侯爵様が喜ばれるですか?」
ロザリーがヒースクリフさんの言葉に突っ込んだ。
確かに私もそこにはつっこみたかった。自分の嫁になるかもしれない人物が、自分の飼っている猫に添い寝したいと熱弁されて喜ぶだなんて。そんなの聞いたことないんですけど。
むしろ、今までの婚約者候補の人たちはそんなことを言ったら確実に引いた。
「あ、いえ。今のは私の失言です。申し訳ございません。えっと。もう遅いですし、馬車で送らせていただきます。」
ヒースクリフさんはこれ以上ボロを出してはいけないと思ったのか、そう提案してきた。
どうやらさっさと帰れと言うことらしい。
本当はここに侯爵の初恋の人がいるらしいから調べたいんだけど。でも、こんな時間にお邪魔をするのは確かにおかしい。それに、クリスがここの猫だっていうことがわかったんだし。
ここは、明日からクリスに会いにこの屋敷に訪れればいいわよね。別に侯爵がいなくたってクリスがいるもの。
「馬車を出してくださるの?ありがとうございます。あの、厚かましい申し出かもしれませんが、ヒースクリフさんにお願いがございます。私、明日からクリスに会いにこちらにうかがってもよろしいでしょうか?屋敷にあげてくれとは申しません。庭の片隅で構いませんので、クリスと一緒にいたいのです。」
勇気を出して聞いてみると、ヒースクリフさんはカチンッと固まってしまった。
1
あなたにおすすめの小説
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
ブサイク令嬢は、眼鏡を外せば国一番の美女でして。
みこと。
恋愛
伯爵家のひとり娘、アルドンサ・リブレは"人の死期"がわかる。
死が近づいた人間の体が、色あせて見えるからだ。
母に気味悪がれた彼女は、「眼鏡をかけていれば見えない」と主張し、大きな眼鏡を外さなくなった。
無骨な眼鏡で"ブサ令嬢"と蔑まれるアルドンサだが、そんな彼女にも憧れの人がいた。
王女の婚約者、公爵家次男のファビアン公子である。彼に助けられて以降、想いを密かに閉じ込めて、ただ姿が見れるだけで満足していたある日、ファビアンの全身が薄く見え?
「ファビアン様に死期が迫ってる!」
王女に新しい恋人が出来たため、ファビアンとの仲が危ぶまれる昨今。まさか王女に断罪される? それとも失恋を嘆いて命を絶つ?
慌てるアルドンサだったが、さらに彼女の目は、とんでもないものをとらえてしまう──。
不思議な力に悩まされてきた令嬢が、初恋相手と結ばれるハッピーエンドな物語。
幸せな結末を、ぜひご確認ください!!
(※本編はヒロイン視点、全5話完結)
(※番外編は第6話から、他のキャラ視点でお届けします)
※この作品は「小説家になろう」様でも掲載しています。第6~12話は「なろう」様では『浅はかな王女の末路』、第13~15話『「わたくしは身勝手な第一王女なの」〜ざまぁ後王女の見た景色〜』、第16~17話『氷砂糖の王女様』というタイトルです。
婚約破棄された令嬢は“図書館勤務”を満喫中
かしおり
恋愛
「君は退屈だ」と婚約を破棄された令嬢クラリス。社交界にも、実家にも居場所を失った彼女がたどり着いたのは、静かな田舎町アシュベリーの図書館でした。
本の声が聞こえるような不思議な感覚と、真面目で控えめな彼女の魅力は、少しずつ周囲の人々の心を癒していきます。
そんな中、図書館に通う謎めいた青年・リュカとの出会いが、クラリスの世界を大きく変えていく――
身分も立場も異なるふたりの静かで知的な恋は、やがて王都をも巻き込む運命へ。
癒しと知性が紡ぐ、身分差ロマンス。図書館の窓辺から始まる、幸せな未来の物語。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
不貞の子を身籠ったと夫に追い出されました。生まれた子供は『精霊のいとし子』のようです。
桧山 紗綺
恋愛
【完結】嫁いで5年。子供を身籠ったら追い出されました。不貞なんてしていないと言っても聞く耳をもちません。生まれた子は間違いなく夫の子です。夫の子……ですが。 私、離婚された方が良いのではないでしょうか。
戻ってきた実家で子供たちと幸せに暮らしていきます。
『精霊のいとし子』と呼ばれる存在を授かった主人公の、可愛い子供たちとの暮らしと新しい恋とか愛とかのお話です。
※※番外編も完結しました。番外編は色々な視点で書いてます。
時系列も結構バラバラに本編の間の話や本編後の色々な出来事を書きました。
一通り主人公の周りの視点で書けたかな、と。
番外編の方が本編よりも長いです。
気がついたら10万文字を超えていました。
随分と長くなりましたが、お付き合いくださってありがとうございました!
【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
【12月末日公開終了】有能女官の赴任先は辺境伯領
たぬきち25番
恋愛
辺境伯領の当主が他界。代わりに領主になったのは元騎士団の隊長ギルベルト(26)
ずっと騎士団に在籍して領のことなど右も左もわからない。
そのため新しい辺境伯様は帳簿も書類も不備ばかり。しかも辺境伯領は王国の端なので修正も大変。
そこで仕事を終わらせるために、腕っぷしに定評のあるギリギリ貴族の男爵出身の女官ライラ(18)が辺境伯領に出向くことになった。
だがそこでライラを待っていたのは、元騎士とは思えないほどつかみどころのない辺境伯様と、前辺境伯夫妻の忘れ形見の3人のこどもたち(14歳男子、9歳男子、6歳女子)だった。
仕事のわからない辺境伯を助けながら、こどもたちの生活を助けたり、魔物を倒したり!?
そしていつしか、ライラと辺境伯やこどもたちとの関係が変わっていく……
※お待たせしました。
※他サイト様にも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる