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しおりを挟むそれからのロイド殿下の動きは素早かった。
たとえアリス嬢が巫女様との関係を告げたのが猫であったとしても、その情報からアリス嬢を追い詰めることに成功した。
「アリス嬢。あなたは巫女様をそそのかして、魔族の花嫁をセレスティーナだと嘘偽りを告げるように仕向けたのは事実だな?」
国王陛下や重臣が見守る中、アリス嬢への尋問が開始される。
アリス嬢は真っ白なドレスに身を包み、その中央に用意された席に座っていた。
「ええ。事実ですわ。」
アリス嬢は無表情のまま肯定する。
アリス嬢はもう、逃げる気配も抵抗する様子もない。
「どうしてそのような愚かなことをしたのだ。」
「ロイド様の妃になりたかったからですわ。それ以上でもそれ以下でもございません。」
「それがどんなに罪深いことかそなたは知っていたのか。」
「……そうね。」
「巫女様が次代を選定しないまま天に召されたこと、どう責任を取る。この国を窮地に陥れたのだぞ!」
「……私の命で償いますわ。」
アリス嬢は始終従順にしており、自らの死も受け入れているようだった。
てっきりアリス嬢のことだから、抵抗をするものと思っていた。
だって、アリス嬢と巫女様が会っていたことは黒猫だった私しか知らないのだから。
アリス嬢が口を噤んで否定をすれば、誰もアリス嬢と巫女様に接点があったことなど気づかないはずなのだから。
いくつもの疑問は残ったが、アリス嬢は国を窮地に陥れようとした罪として処刑により命を散らしたのだった。
☆☆☆☆☆
すべてが終わり、私はロイド殿下の妃に戻った。
あれから魔族の王であるカルシファーは姿を現さない。
少しの寂しさを感じながらも私はロイド殿下の隣でこの国を守っていくのだ。
それが、私に科せられた使命だから。
「誰よりも愛しいセレスティーナ。私は君のために、すべてを捧げると誓うよ。もう、君を離さないよ。」
「……ロイド殿下。お慕いしておりますわ。」
☆終わり☆
最後までお付き合いくださりありがとうございました。
後日、補足として裏設定満載の番外編を投稿いたします。
ハッピーエンドで終わるために本編で書くことができなかったお話を番外編として掲載いたします。
興味のある方だけ引き続きお付き合いくだされば幸いです。
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