婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚

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一章

67

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もぞもぞ。

ガサガサ。

ふにふに。

意識が浮上してくると、身体の至るところからいろんな感触がする。

なんだか、身体に巻き付いているような気がする。

ゆっくりと浮上する意識。
目を擦ろうとしても、何故だか手が動かない。

なんだ?

しかも、お腹付近は誰かに踏まれている。
ふにふにってされてるっ!!
なんだっ!!

慌ててガッと目を開けると、

「きゃぁああああああ~~~!!!!」

目の前に大きな顔があって思わず悲鳴をあげてしまった。
顔って言ってもさ、人間の顔じゃないのよ?
なんというか、犬っぽくもないし、蛇って訳じゃないし。
ほら、動物と爬虫類が融合したような顔があるのですよ!
あの某有名なアニメ映画の川を埋め立てられてしまった神様の竜いたじゃない。
あんな感じの顔が目の前にあるの。
びっくりしないって方が可笑しい。

腕も動かないし、足も動かない。
なんでこんなことになっているのだろう。

昨日寝たときは普通だったのに。

「あの・・・起きたいのでどいてくれませんか?」

人間の言葉が通じるかわからないけど、声をかけてみる。
ずっとこのままってのもいただけないし。

「・・・むぅ?」

目の前のは竜なのだろうか。
蛇のような細長い身体が私に巻き付いている。
これで、悲鳴をあげない方が無理がある。

私の言葉が聞こえたのか、ゆっくりと拘束を解いてくれた。

はあ、これで動ける。

凝り固まってしまった身体を柔軟体操で柔らかくしてベッドの上に座り込む。
竜?もベッドの上でとぐろを巻いている。

「これはいったいどういうこと?」

竜?に向かって聞いてみるが、返事がない。
どうやら言葉が通じていないみたいだ。

代わりにマーニャたちを探す。

マーニャはすぐに見つかった。
私の布団の上で寝ていた。
どうやらお腹をふみふみしていたのはマーニャだったようだ。
ボーニャとクーニャは・・・いた。昨日サラさんに用意してもらったバスケットの中でまだ寝ていた。
どうやら私の叫び声も気にせず寝ていたようだ。

『マーニャ様がお主の寝相が悪いから動けないようにしてって言われたから巻き付いていた』

「うぇ!?」

急に脳に直接響くような声が聞こえてきた。
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