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三章
3ー100
しおりを挟むマリアを探しに行くか、それともプーちゃんを探しに行くか。
う~ん。
マリアかなぁ。
だって、プーちゃんは国外にいるみたいだし。
国外にプーちゃんを探しに行くのは、今は少し荷が重い。
だって、まだまだこの国にも慣れてきたばかりなのだ。
これでまた違う国に行くというのも、不安である。
それに、マーニャたち猫様はこの国では初代女王様の力で安全に生活できているけれども、他国ではその保障がないのだ。
マーニャたちを危険にさらす訳にもいかず、またマーニャたちだけを家に残してプーちゃんを探しに行くのも後ろ髪が引かれる思いだ。
まあ、マーニャたちをマコトさんに預ければ安心かもしれないけど。
なんて言ったって生家だしね。
マーニャたちのパパやママも一緒だから安心だよね。
それに、プーちゃんは国外にいるって情報しかないし。マリアだったらトンヌラさんが何か知ってそうだから、情報はありそうだし。
って、トンヌラさん何処行った!?
さっきまで、部屋にいた気がするんだけど。
今は辺りを見回してみてもトンヌラさんの姿が見えない。
まさか、プーちゃんと一緒に飛ばされた・・・なんてことはないよね?
「あの・・・トンヌラさん知りませんか?」
『『『知らないのー』』』
「茶トラの猫ちゃんですか?」
マーニャたちとマコトさんが答えてくれるが、マーニャたちは知らないという。
マコトさんはトンヌラさんの猫化した姿しか知らないらしい。
「さっきまでいた茶トラの猫なんですけど、今は元の姿に戻っているはずなんです。人間の男性なんですが・・・。あ、違った今は多分半漁人の姿をしています。」
すると、マコトさんがポンッと手を叩いた。
どうやら、心当たりがあるようだ。
「あの気持ち悪い魚がそうだったのか。なんだかわめいていて気持ち悪かったから、新手のモンスターかと・・・。研究してみようかと思ってたから空いている部屋に魔道具で拘束してあるよ。」
「あはははは・・・。トンヌラさん、マーニャの呪いのおかげで、女性に触るか悪口を言うと魚化しちゃうんですよ。」
確かに見た目気持ち悪いもんね。
マーニャの呪い恐るべしである。
早速、マコトさんに連れられてトンヌラさんが拘束されているという部屋に向かった。
部屋の前に着くと、中から「うぅー・・・。うーーーー。」という呻き声が聞こえてくる。
トンヌラさんのものだろうか・・・?
拘束されると声まで出なくなってしまうのだろうか。
「ああ、この魔道具だと身動きがまったく取れなくなるんですよ。だから、口を動かすこともままなりません。」
私の疑問が顔に出ていたのか、マコトさんが教えてくれた。
・・・あえてつっこまないが、何気にえげつない魔道具のような気がした。
障子を開けると、「う”う”-----!!!」という呻き声が大きくなる。
私達が入ってきたことがわかったようで、必死に訴えているようだ。
というか、トンヌラさんの目が真っ赤になっている。
もしかして、身動きが取れないことが苦しくて泣いたのだろうか。
「ああ、違います。まばたきすらも出来ないので、自然現象でしょう。」
「そうですか。」
自然現象って・・・。まばたき出来ないのもかなり辛いよね。
目が血走ったようになってしまっているし。
魚の姿で目が血走っていると余計に怖くなるんですけど。
「今、魔道具から開放いたしますね。」
そう言ってマコトさんは目の前でパンッと大きく手を叩いた。
すると、トンヌラさんの体が床にステンッと転がった。
「目が・・・目がぁぁぁ~~!」
トンヌラさんは目を両手で塞いでゴロゴロとのた打ち回っている。
トンヌラさん・・・。アニメのネタなんて試さなくていいですから。
マコトさんが魔道具でお湯を即座に沸かしてくれて、トンヌラさんにかけてくれたので、今はトンヌラさんは人間の姿をしてちまっと目の前に座っています。
洋服はマコトさんが服を貸し出してくれました。
「トンヌラさん。元に戻れてよかったですね。あの・・・マリアがどこにいるか知りませんか?」
やっと話せる状態になったので、早速トンヌラさんに問いかけてみることにした。
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