婚約破棄されて異世界トリップしたけど猫に囲まれてスローライフ満喫しています

葉柚

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四章

4ー2

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「えっとぉ。私って猫たちと一緒にスローライフを満喫するんじゃなかったっけ?なんでこんなに慌ただしいんだろう。」

思わず私は誰に言うまでもなくごちた。

おかしい。

非常におかしい。

なんで世界を救うだなんて壮大なことになっているんだろうか。

私は、異世界に迷い込んで猫たちとまったりもったり暮らしたかったのに・・・。

「まあまあ。終わりよければすべてよしって言葉があるから。ね。」

誰に言うでもなくごちた私の独り言をマリアは聞いていたらしい。

「終わりよければって終わってないよ。まだ。」

「うふふ。まあ、いろいろ刺激があった方が生活に潤いができるわよ。」

「いやいやいや。刺激がありすぎるのは胃が痛いのですよ。」

本当に刺激がありすぎる生活というのは胃が痛い。

どうして、世界を救うなんてことになってしまったのだか。

でも、このまま世界が崩壊するのを見てはいられないし・・・。

「それにしても、ヤックモーン王国の伝説ってどのくらい前の話なの?」

ここは情報収集と気分転換をかねてなんでも知っているマリアに確認する。

伝説というくらいだから相当古いものなのだろう。

「え?50年くらい前だったかしら?」

「・・・はいっ!?それって伝説じゃなくないっ!?っていうかタマちゃん産まれてないんじゃ・・・。」

「あら。それもそうね。そういえば50年前には精霊王は確認されていないわね。」

お、驚いた。

まさか伝説っていうのに50年前の出来事とは・・・。

伝説っていうよりつい最近の出来事ではないか。

「えっとぉ。ガセネタってことでいいかな?ということはヤックモーン王国には行かなくていいかな?いいよね?」

どうも、ヤックモーン王国の件はタマちゃんに関係なさそうだ。

その頃はまだタマちゃん卵の中だったと思うし。

絶対タマちゃんの所為じゃない。

うん。

だから私は関係ないし、タマちゃんのかけた呪いじゃないんだからヤックモーン王国の呪いだって解かれているはずがない。

だから、行かなくてもいいよねって確認をこめてマリアを見つめた。

「うーん。でも、女王様からのお願いだからねぇ。」

「じゃあ。女王様の勘違いってことでどうかな?」

私は軽い気持ちでそう口にした。

でも、マリアがどんよりとした顔を見せたので思わず口をつぐむ。

「ま、マリア・・・?」

「勘違いって言うの?あの女王様に?ほんとうに?マユは勘違いじゃないかって女王様にきけるの?」

「うっ・・・。」

マリアがもっともらしいことを言ってきた。

確かに、あの女王様だ。

「勘違いなんじゃないですか?」なんて確認したらすっごく怖そうだ。

もう、ブルブル震えてしまうことは確実だろう。

つまり、逃げ場はないってことがわかったのだった。

「無理。絶対きけない。」

「でしょ?だから、ヤックモーン王国に行くしかないの。って、プーちゃんが優秀だからもうヤックモーン王国に到着してるけどね。さ、まずは王都で情報を収集しましょう。」

そういうことになった。

 

 

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