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四章

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私はごそごそと鞄の中に手を突っ込んだ。

『マユ、なにやってるのー?』

『お腹空いたの?謝るのが先でしょー?』

『ミルクくれるのー?』

鞄の中をあさっていると、興味深そうにマーニャたちが手元を覗き込んでくる。

って、言うか、クーニャにボーニャ。私はお腹が空いたわけではないし、ミルクを出そうとしているわけでもない。

確かにクーニャだったら泣いていてもミルクを目の前に出せば泣き止みそうだが。

「違うよ。あの男の子にプレゼントするものを探しているの。」

『だから、ミルクでしょ?クーニャだったらミルク貰うの一番うれしいの!』

『なんだろー。』

『プレゼント探してるのー?』

「んー。マーニャたちも知ってるアレだよ。」

ごそごそ。

あれ?どこに入れたっけ?

「あ!あったあった!」

ツルッとした滑らかな感触の硬い入れ物を手に取る。

うん。副作用はあるけれども、これがあればマーニャたちと会話をすることができる。

「ごめんね。これ、よかったらどうぞ。これを使えばマーニャたちと会話することができるようになるよ。」

私はそう言って、男の子にコーラ味の化粧水を手渡した。

実はこのコーラ味の化粧水を飲むと、頭に猫耳が生えるのだ。

そうして、猫たちの言っていることがわかるようになるという優れものだ。

んーでも、この可愛い男の子だったら尻尾もあってもいいよね。

そう思ってもう一本、今度はコーヒー味の化粧水を手渡した。

こちらは猫の尻尾が生えるのだ。

まだまだ子供にはコーヒーの味は苦いかもしんないけど、尻尾が生えたところ見たいし。

黒髪だから、絶対黒い耳と尻尾がいいよね。うん。

「これは・・・なんだ?」

「化粧水だよ。これを飲むとマーニャたちがなんて言っているかわかるようになります。一時的だけどね。でも期間は伸びたんだよ。なんとこれ一本飲むと一か月間効果が持続します!」

そう。何回か化粧水を作っているうちにレベルが上がったのか、効果の持続時間が延びるようになったのだ。

猫耳は生えるけど。

「・・・飲む。くれ。」

男の子はグッと手を伸ばしてきた。

目の前に差し出された手に化粧水を二本渡す。

男の子は二本の化粧水をしげしげと眺めている。

 

 

 

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