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五章

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「マコトなのーーーっ!!」

「マコト!!ミルクちょうだーい!!」

「ただいまっ!なの。」

 私がトマトの木をえっちらおっちら恐る恐るゆっくりと降りていると、遥か下の方からマーニャたちの声が聞こえてきた。もちろん、ミルクが欲しいと訴えているのはクーニャだ。

 きっとマコトさんたちはマーニャたちのことを心配していただろうに、クーニャよ。何故ミルクをまず要求するのだろうか。ここは、ボーニャみたいに「ただいま」と言うべきところだと思うんだけど。

「マーニャっ!?クーニャっ!?ボーニャっ!?3年もどこに行ってたんですか!!マユさんはどうしたんですか?一緒じゃないんですかっ!!」

 マコトさんの驚きと安心に満ちた声が聞こえてきた。そうだよね、マコトさんだもの。きっとマーニャたちのこと心配してたよね。うんうん。

 …………って、え?

 今、マコトさんなんか変なことを言わなかっただろうか。

 私の気のせい……だろうか。

 マコトさんの言葉に引っ掛かりを感じたが、ここからマコトさんに向けて声を張り上げて確認するのも難しいものがある。下手に声を張り上げて身体に力が入ってしまうと木から落ちてしまいそうな気がするのだ。

 できるだけ速やかに木から降りてマコトさんに確認しよう。

 そう思った私は出来る限りの速さでトマトの木を降りていくのであった。

 と、言っても怖くてあまり降りるスピードは上がらなかったけれども。

 

 

 

★★★

 

 

「あー。マコトさんただいま戻りました。」

 マーニャたちから遅れること一時間弱。私はやっと地上に降り立った。

 そして、マーニャたちと一緒に待っていてくれたマコトさんに挨拶をする。すると、マコトさんの顔が盛大に歪んだ。

「お帰りなさい。マユさん。とても心配していましたよ。ホンニャンはずっと悲しんでいました。どこに行ってたんですか。聞きたいことは山ほどありますが、疲れたでしょう。まずは休んでください。……それにしていも、マーニャたちも酷かったですが、マユさんはさらに酷いですね。なんですか?その恰好。早く着替えてきてください。いえ、お風呂に入って綺麗にするといいですよ。」

 マコトさんはそう言って私に入浴を進めた。

 酷い恰好って……。普通の恰好だと思うんだけどな。

 と、マコトさんの毒舌に驚きながら自分の身体を見回す。

「げっ……。なに、これ……。」

 自分の身体を見回して……思わず変な声がでた。

 服が、あちこち黄緑色に汚れていたのだ。あちこちというより、ほぼ全体が黄緑色に汚染されていた。

 

 

 


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