見よう見まねで生産チート

立風人(りふと)

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第六章 天空を統べるNOVAの箱舟 編

凱旋は甘酸っぱい無双の"かほり"

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【前章のあらすじ】
 酒の街『エールテール』の北側にある小さな池の集合地『ワンス池郡』周辺に巣食う魔獣の大規模討伐のためにカトレア王国 第三騎士団に同行した俺達。

 武器や技を魔改造し、あらゆる魔法道具を導入し、ポーションを泉のように使うという数と質の暴力で森ごと超殲滅を達成。


フィエリアは両親の仇を討ち、シルヴィアは未来に少し希望を持つことが出来た
ケリーは並列思考のスキルから生まれた炎狐の召喚獣的な"何らか"である『狐太郎』と出会って飛躍的に強くなった
俺は…なんやかんやあってロボットになる飛行戦艦NOVAとライオン型機獣(名前未定)を仲間に加えた。
改めて思うと、ウチの一家のバリエーションがとんでも無い事になって来たな…



 ついでに言うと、不祥事を犯した第二騎士団のおケツを拭き拭きした恩義に対し、すっかりトレードマークとなった獣を模したお面と、答え次第で諸外国の軍以上の脅威にもなりうる点から『獣面騎士軍』と仮で名づけられ、魔獣の討伐に関する功績と、自由と平穏の保障の証として災害時限定の冒険者パーティ『獣面騎士団』と名を授かった。



そして欲と納期に支配された輩を軽々と無視し、戦艦に乗って大手を振り帰還。

リース南門にて待ち構えていた、この街のお偉いさんたちに首根っこ掴まれて領主邸へ通され、今に至る。



「ということがありまして、衛兵隊の予備こと鋼兵隊はどこへやら、獣面騎士団の名がついちゃいました。」

ハァ…
「まったくアンタって子は…」
「派手にやるとは思ってたが、まさか巨大な戦艦を王都の上空で人型に変形させて見せて、圧倒的な戦力差を盾に国王と条約を取り付けて帰ってくるたぁ、さすがのお前も読めてなかったな」
「あんな強引な方法、誰が予想できるってんだい」
「さすがは私の自慢の娘達とそのお友達よねぇ」
「呑気なこと言ってる場合じゃ無いよ。
名前が売れちまったんなら外に出る機会が嫌でも増やされちまう。
この子らにしか捌けない依頼をどうするか、また一から練り直しだよ」


目の下を暗くし、頭を抱える領主とギルマス。

依頼の消化率やシルヴィアの過去の関係、王とコネができたことによる今後の貴族付き合いとか、何年にもわたって守ってきたのを、誰かさんが一撃で動かしてしまったのだ。

いつもの4割増しで老けて見えるのも頷ける。


「なんというか、好きなように暴れ散らかしたらこうなりまして。」
「「「散らかり過ぎだ。」だよ」ね」
「それで言ったら3人もですよ。
国王の前でフィエリアを正式に身内に置いた上に、俺たち全員分の二つ名を与える事で、厄災の名を塗り潰すなんて」
「やっぱお見通しだったかい
 でもま、なかなか悪くない二つ名だったろう?」
「えーっと…わたくしの新しい二つ名『轟天』はいいとして、『救済天使』はちょっと…」
「あら、そんなことないわよ~
ポーションでたくさんの命を救った可愛くて尊い貴方にこれ以上ないくらいお似合いの二つ名よ」



何がおかしいの?と言わんばかりに丸め込んだ


あ、コレは手がつけられないほどの重症だ。

 両手に花と言わんばかりに娘2人を両脇に収める溺愛ママの視界では、シルヴィアの背中に純白の羽根が、フィエリアの背中にはメカメカしいジェットウィングがついているように見えているらしい。

周りを見てみると、どうやら使用人達も同じ症状な事が一目で分かった。だって目がハートになってて『尊い』『推し様』って書いてある。

そのうち銅像とかペンライトの大口注文が来そう…


「ま、流れはともかくとして、リョーのおかげでシルヴィアは歴史上稀に見るほどの成り上がりを果たした。
 放っておいても上からモノを言ってくるバカはねぇが、逆に言えば言い寄ってくる奴が多いはずだ。」
「そっか…。新たに婚姻問題が出てくるんですね」
「オメェもな」
「え?俺も?」
「初対面で王に啖呵切って貴族社会ひっくり返したヤツだぞ?「ウチの娘を嫁に」とか「婿養子に」って迫って来て、義理の親父を笠にせっかくの発明を好き勝手に使われる可能性は高い。

リョーは平民だからを理由に、フィエリアは取り潰し貴族の生き残りってのをいい駒にされるだろうし、シルヴィアも…な。」
「なるほど。言いたいことは分かります。
ただ、毎回振っていてもキリがなくなりません?」
「その通り。 そこでだ」
「ま…まさか…」
「ウチの娘2人を嫁にもらってやってくんねぇか」
「ファッ!?」「えぇっ!?」「僕も!?」

『「えーーーーーーーーーーーっ!?」』



突然の提案にリースの街は大きく揺れた
それだけの威力の爆弾発言(しょうげき)だったのだ




「冒頭から急展開過ぎますわ!こういうのは起承転結を守って下さいまし!」
「そーだそーだ!前半からたたみかけるなー!」
「尺とか気にしなくちゃダメなんすよ…」


「そもそもわたくし達が姉妹になったことについての説明もまだですわ!」
「そーだそーだ!まだ男の子として生きる選択肢を捨てた訳じゃないぞー!
ジェンダーレスの時代に性別を決めつけるなー!」
「身内になるのは疑問じゃないんすか…」


「男女の交際は順をおって進めるべきですわ!」
「そーだそーだ!ただでさえハーレム展開がつきものなのに、何かの手違いで外も中もちゃんと男の子なケリーが余ってかわいそうだ!」
「動揺しすぎてすっごいフレンドリーファイアくらったんすけど…」
『非リアキャラ乙』
「追い討ちやめてっす!!」




メタ発言のオンパレードで動物園のようなピーピーギャーギャーに大人数名は苦笑いするしかないご様子。



「まぁ落ち着きな。」


ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…
ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…
ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…ゼェ…


「いきなりなのは認めるが、どうせアンタ達は互いに気があるだろう。時期が早いか遅いかの違いさ」


ボフッ

ボフッ

ボフッ


「うふふふっ 見事に真っ赤よ」
「ゆでダコみたいになってるな」
「青春だねぇ。ジョセフもこんなウブな頃があったのかね~」
「うるせっ 今カンケーねぇだろっ!」
「あなた、顔真っ赤よ」
「おめぇまでなんだ! こ、こっち見るな!」


こっちもこっちでイチャコラギャーギャー


「シルヴィア、フィエリアちゃん、貴女たちの気持ちを聞かせてくれない?」

「わたくしは…リョーさんと出会わなければこの命が尽きるまで何度でも自殺を謀っていた自信があります。
 お父様やお母様、アンジェおば様が束になっても大きな改善に至らなかったこの力を知ってもなお、リョーさんはわたくしの全てと正面から向き合ってくださいました。
 わたくしのことを人とも思わないゴミや、気の知れない方達に貰われるくらいなら…世界を滅ぼしてもリョーさんと一緒になりたいです!」
「僕も…結婚とかはまだ考えられないけど…僕の全てを否定せずに理解して応援してくれるリョーくんの隣にいたい…です」

「そう言うこったリョー、2人を頼んだぜ」
「可愛い私の娘2人を泣かせたら粉砕するわよ。 うふッ」

「は、はぁ…よろしく…お願いしま…す?」
「なんで疑問系なんすか」


突如の電撃結婚話で蚊帳の外になっていたケリーの存在に気づき、「あ」っと声を漏らす。


「忘れるとこだった。おい、火の球ボウズ」
「火の球…あ、おれっちっすか」
「お前さんの実家、たしか宿屋してるんだったな」
「あ…えっと…はいっす。リースの北にあるペクアバル村で細々と」
「今やってる土地にはこだわりか執着はあんのか?」
「土地っすか? いや…引っ越すお金がないだけで、安く移れる物件があるなら引っ越したがるんじゃないすかね」
「なら問題ねーな、この際だ。リースに連れて来ちまえ。
 土地はとびっきりの所を用意してやるからよ」
「うぇっ!? いいんすか!?」
「もちろんよ。よその貴族勢力に悪ささせないためにもダルセン家とリョー君の目の届く保護下に置く必要があるの。
 リースなら宿屋はいくらあっても足りないくらいだから、よほどのことがない限り破綻することはないわ」
「スチュアート」
「かしこまりました。手続きはこちらでいたします」
「頼む」


話の切れ目を見計らってか、メイド服セナさんが駆け込んでくる


「旦那様…突破されるのも時間の問題です」
「ん? あぁそうか。」
「うふふっお兄ちゃんをレンタルし過ぎたわね」


ドタドタドタドタ……!


廊下を疾走する2つの小さな足音が近づき、使用人達同士で注意報が飛んでいるのが聞こえる。

その足音が近づくとともに、使用人によってドアが全開き。小さくてモフモフしたケモ耳ミサイルが俺めがけて飛び込んでくる。


「「おにぃちゃんおかえり!」」
「ただいま。アム、レグ」


遠征中もたまーにコッソリ帰ってきていたのだが、それでもこの重さがとてつもなく懐かしい。
ギューして頬擦りして笑いあうとやっと帰ってきた実感が持てて、同時に疲れがドッと押し寄せてきた。


「そんで今後の」
「ガルルルル…!」
「フシャァーー!」
「こらこら、威嚇しないっ。すいません…」
「いいのよ、2人からリョー君たちを取り上げちゃった犯人なんだから。
あなた、アンジェさんもそろそろ」
「ああ。そうだね。あとは当事者だけでってやつさね」
「しゃーねーな。今日のと…」
「ガルルルル…!」
「フシャァーー!」
「まだ何にも言ってねーよっ!」

「ふふふふっ 嫌われちゃったみたいね。
 アムちゃん、レグくん、また今度遊びにいらっしゃい。特上のケーキを焼いて待ってるわ」
「うんっ」
「ばいばい」
「腹出して寝るんじゃ」
「ガルルルル…!」
「フシャァーー!」
「そんなに!?」







威嚇の鳴り止まない2人を両手に抱え、懐かしのマイホームへとレッツラゴー。





ほっぺプニプニプニプニプニプニプニプニプニプニ…
ほっぺプニプニプニプニプニプニプニプニプニプニ…

「あむぅ…れぐぅ…兄ちゃん、フィーねぇちゃんとシルヴィアねぇちゃんの2人と結婚することになっちゃったよぉ…」
「けっこん?」
「リョーにぃちゃん、ママになるの?」
「ん~…とりあえずお兄ちゃんがママになる事はないかな…」

ガチャッ
「主や!なかなか面白いことになったようじゃのぉ!」
「メル爺ぃ…帰ってきて一言目から楽しそうだね」
「いやぁ、断じて楽しんでおらんぞ。
 ただ少しばかりイジり倒したい状況なだけじゃ」
「それを楽しんでるって言うんだよ…」

「リョーにぃちゃん、けっこんするのいやなの?」
「フィーねーちゃんとシルヴィアおねーちゃんのこときらいなの?」
「アムとレグとおんなじくらい大好きだよ。 大好きなんだけど…おにぃちゃんのお豆腐みたいなメンタルでは、まだ覚悟が追いついてないんだ」
「「おとうふ?ハガネの?」」
「そんな硬くないよっ!ふわふわトロトロの大豆のお豆腐だよっ!」

プフッ!
「主も子ども達にいじられるようになったか」
「メル爺? フィエリアの手料理の監視とシルヴィアの運転講習してもらおうか」
「すまん。それだけは堪忍しとくれ。残機がいくつあっても足らん。」

コンコンッ
「リョーくんいる?」
「どぅぁい!?」
「入りますわよ」
ガチャっ
「フィ…フィエリアにシルヴィア どしたの」
「え、なに 何か大事な相談してた?」
「あ…いや…さっきの急展開についてちょっと」
「そういうことですのね。てっきりわたくし達の愚痴でもこぼしているのではないかと」
「いえ、全く。」
「断じて右に同じくじゃ」
「ホントに?」
「ほ、ホンマです。 ハイ」

「アムちゃーん、レグくーん」
「フィーねーちゃんに、おりょうりさせようとしてた」
「シルヴィアねーちゃんに、ひこうしゃをうんてんさせようとしてた」

「リョーく~ん?」
「リョーさ~ん?」


「ヒィッ!」


そう、俺はこの2人に不満を感じるポイントはあまりないのだが、俺の生産スキルを総動員しても治らない致命的な欠点が1つずつある。


フィエリアが料理音痴、シルヴィアは機械音痴

 フィエリアは修行中からプラモという趣を教えたおかげで、X-NIGHT-NOVAの複雑なシステムでもメカ好きの熱意やロボット愛で、ある程度は使いこなせるが、料理になるとそれがまるで言うこと聞かなくなる。
 カレーが岩石のようになり、スープが紫になり、卵焼きですら卵を割っただけで爆発した事だってある。


 シルヴィアはその逆。普通なら消費できない特盛で出てくるが、調味料は目分量が効くから意外に美味しかったりするし、ウチにはよく食べる育ち盛りが2人もいるのでそれはいい。
 ただ、タッチパネルやスイッチが3つ以上ついている機械になるとまあまあの確率で壊れる。
スマホ操作はケンちゃん任せなので、爆発して来なかったのが唯一の救いだ。



互いもそれを危惧しているため、それぞれの音痴な分野は絶対に触らないし、触らせないようになった。


「とは言ったものの、適材適所を守らなきゃなのは確かだけどね」
「そうですわね。
人間だけでも11人がこの家で暮らしになるのですし、安全に過ごさなければなりませんわ」

「ん?11人?」


 俺、匠、メル爺、ティー兄、陸、アム、レグで7人いて、そこにシルヴィアとフィエリア、ケリーが人数に入って10人…

狐太郎コタローはケリーの一部でもあり魔法でもあるし、ケンちゃんは正確にいうとケース型PC、陸の魔法空間の中と門の所にある義体に仮の本体を分けて設けている。家の中に限った存在ではない。
新入りのライオンさんは…どうなんだろう…


「本日より自分も含まれましてちょうど11人となります。」
「セナさん!? なんでここに!?」
「自分は影の活動で離れこそしておりましたが、元々の仕事はシルヴィアお嬢様の護衛です。
 本日をもってシルヴィアお嬢様改め、シルヴィア様の付き人として当家にお仕えし、働かせていただきます。
 これまで通り、メイドとしての活動も影の活動もして参りますので、何なりとお申し付けください。」
「そうなんですね 部屋を用意しないと…」


コンコンッ
「リョーっち、今大丈夫っすか」
「いいよー」
ガチャッ


ドアが開いたその先には、軽く身支度を整え、フライボードを小脇に抱えたケリーとコタローの姿。


「もう出発するの?」
「コタローのことを理解してもらうだけでも時間がかかると思うっすから早いうちにっす」
「なら送ってくよ。間取りとか見ておきたいし」
「え、でもリョーっちはこの後」
「いいからいいから~ 早く早く~
 アム、レグ、行くよ~」
「「わ~い」」


「逃げおったわ」
「逃げましたね」
「逃げたね」
「逃げましたわね」

























北門から出発し、ケリーのナビゲートを頼りに飛行車で村を目指す。


「あっちの高台見えるっすか」
「あーあの高見やぐらみたいなやつ?」
「その手前が村の入り口っす…けど」


俺たちの探査や飛行車のレーダーに村人と、剣や斧をむけてそれに真っ向から対峙する人影が。格好をどこからどうみても盗賊だ。


「リョーっち」
「おっけー。」
「コタロー」
『火災にならないと良いのでござるが…』

「アムとレグは先に戻ってメル爺達を呼んできてくれる?」
「えー?」「とーぞくつかまえたいよー」
「実力を測れない相手に、むやみに立ち向かうなっていつも言ってるだろ?」
「「ぶー!ぶー!」」
「分かった分かった。今日はハンバーグ食べ放題にしよっか。」



キュイーーーーーーーーン!
「「おじいちゃんよんでくるねー」」



「村はオレたちが支配した!」

「このジジイやガキを殺されたいのか!あぁん!?」
「ママぁ!」
「みんなワシの事は構うでないっ!早く逃げるのじゃ!」
「黙ってろクソジジイ!」

「早くこの村にいるすべての女と金目のモンを持ってきやがれぇ!!」
「オラオラオラぁ!モタモタしてないで早く持ってこい!」


ダァンッ!
「ガハァッ!」
ダァンッ!
「グホォッ!?」

「なにっ!?」


シュタッ

「おれっちの故郷に手を出すなっす」

『「ケリー!?」』
「みんなは下がってるっす!リョーっち!」


村人の驚きの声のおかげでケリーに視線が向いている。そのうちに念動で子供&おジイを浮かせてコチラに引き寄せる。



「テメぇッ ガキを返せっ」

ダァンっ ダァン!
「ガハァッ」「ブべラァ?!」

「返せ?人質に奪ったのはそっちだろ。」
『【キャッチロープ】』
「なんだコレ!?取れねえ!」





「大丈夫か?どこか痛いところ無い?」
「うっうっ…うわぁーーーーーんっ」
「よしよし…怖かったな もう大丈夫だよ。」

「セラ!」
「お母さんですか?この子を連れて逃げてください」
「はい!ありがとうございますっ ありがとうございますっ」
「急いで」

「このヤロっ!」
「後ろ!」

キィンッ

「小さい子供に刃突き立てて…
 覚悟、できてるんだろうなぁ…っ!」

バタっバタバタバタっ

俺に注目していた盗賊と村人数名が白目を剥いて倒れた。ちょっと殺気を魔力と一緒に漏らしすぎたみたい。



『故郷を襲った盗賊には引導を渡すでござる!』
「コタロー、いくっすよ」
『合点承知!』


「なんだテメェ!オレたち相手にやろうってのか?」
「へっ 相手は1人と犬っころ1匹!勝負は見えてらぁ!」
「やっちまえ!」



「【陽炎の舞】」
『拙者の分身、【炎狐乱舞】でござる!』

ワァーーーーーーーーーーーッ!

来る敵から来る敵を避けてかわして時々青い炎が轟いて。
襲い来るヤイバは片っ端から青い炎狐がへし折って



「安心するっす。峰打ちっすから」

『【キャッチロープ】』
グルグルグルッギュッ
ドサドサドサドサーーーーーーーッ

『あと、拙者は犬ではなく狐、それも炎狐の妖魔で、狐太郎という立派な名があるでござる。
その軟弱な精神によく刻み込んでおくでござるよ。』
ポイッ
ガラガラガッシャーーン!


盗賊の山とガラクタレベルの武器の山、分別されて積まれてるところがケリー達と盗賊の実力の差を物語る。



「冒険者様!この度は助けていただきどうもありがとうございました。
あなた様のおかげでこの村は救われました。何かお礼をさせていただきたく!」
「村長、おれっちっすよ。忘れたっすか?
 宿屋のケリーっす」
「お前…宿屋の長男か!?おぉ…!久しぶりじゃのぉ!」


「そんな…あれが弱虫ケリーだって…?」
「嘘だろ…」
「あいつの身になにが起きたんだよ…」


「村長も元気そうっすね」
「いやぁ最近は体中思うように動かんから困っておるわ。そう言うお前はちょいと見なかった間にたくましくなったのぉ!
あの頃の弱虫ケリーは何処へ行ってしまったんじゃ?」
「それは…」


「あ、イナゴの佃煮食うか?」

「なんで持ち歩いてんすか!」
『虫は嫌でござるぅ!!』


「フォッフォッフォ!まだまだ健在のようじゃな。
それはそうと、そちらの青年はお前のお友達か?」
「そうっす。おれっちの元師匠で昨日から正式に仲間として冒険者パーティを組んだリョーっちっす。」
「はじめまして。ケリーの仲間のリョーです。
 リースで冒険者とちょっとした職人業やってます。
 今日はケリーのご実家に用事があり、先立って挨拶に来ました。」
「ご丁寧にありがとうございます。私、ペクアバル村の村長をしております、ミーアキャット族のミヅネと申します。
早速向かわれたいところ申し訳ないのですが、この盗賊の処遇を如何したものかお伺い致したく…」
「あぁ、そういうことでしたらさっきリースにお使いを頼みましたので、じきに衛兵隊が来てくれます。
奴らの言動について調べたいことがいくつかあるので、引き渡しても構いませんか」
「ええ、それはもちろん。手間を代わっていただけてありがたいくらいです。」
「あ、でも、引き渡しの書類記入と事情聴取への協力をしてください。
いつも通りなら衛兵隊長も来て、手続きを簡略化してくれるかもしれないんですが…」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「どうしたんですかガドマ隊長…?
なんか元気というか生気が感じられませんが」
「なんでもない。なんでも…ない」

ピュゥゥゥゥーー…
堂々とした育ての父の姿はどこへやら、真っ白になり哀愁の風に吹かれた虚無オヤジが、ただ詰め所の角に置き去られていた。

それもそのはず。ダルセン家にフィエリアが養子縁組されるということは、父の座を譲る事でもあり、親子としての絆も然りと言うことでもある。

ましてや、同時に娘と上司の娘が彼と政略的電撃結婚することになったのだから、めでたい気持ちと疎外感によって複雑でしかない。

「これで私の使命も終わった…。」

「燃え尽きとるところすまんが、少し良いかのぉ」
「メルタ殿…」
「ほれ、お主に伝言メッセージじゃ。」


スマートウォッチの3Dディスプレイで宙にメッセージを表示する。


「そうか…!2人の仇を…!」
「両親のことは『パパ』『ママ』と、お主のことを『父さん』と繰り返し書き分けておるじゃろう。
 なあに、あの子には実の父と育ての父、戸籍上の父と、父親が3人おるだけじゃ。あの子にとってお主は紛れもない父親じゃよ。

 ウチの主も、王国の状況を考えずに戦艦を作って見せつけるようなアホじゃ、暴走してぶつかる前にワシらがブレーキになってやらんとな」
「そうだな」

ピロンッピロンッ!
「…ほれ、言うとったら主から救難信号じゃ
今はそのブレーキの役目に集中するかのう」
「コンチクショウ!血縁と戸籍がナンボのもんじゃーーい!」
「そうじゃその意気じゃ!そーれ行くぞ!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「何かのっぴきならない事情がおありのようですな。
かしこまりました。盗賊供は我々が責任を持って引き渡ししておきます」




「なぁケリー!ここ一年でどんな生活してやがった!?
お前、ファイアボールしか使えなかったろ!」
「いや~、いい出会いがあったんすよ」


「あんたつえーな!見た目弱そうなのに、どっからその力出てるんだよ!」
「魔法は得意分野でして…」

一言余計だぞゴリゴリマッチョくん

「そのインチキ魔法オレにも教えてくれよ、収穫する時に便利そうだ!」

あ”あ“ん“!? 念動をインチキね… この脳筋クソゴリラ…どう料理してやろうか!

ガシィッ!
「リョーっちストーーップ! 殺気と魔力が溢れてるっす!」




「この愚か者が!この村を救ってくださった方になんという事を!
 今すぐに詫びよ!頭を地にに擦り付けて詫びるのだ!」
「すんませんした!」



チャキッ ブンブンブンブンブンッ!
チャキッ ダンダンダンダンダンッ!
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!
シュバババババババババババババババババババババ!

「ちょいと待ってっす!相手は素人パンピーっす!
 全力であたったら骨も灰も残らないっすよ!」

『お師匠様を止める手立てはないでござるか!?』
「この状態を見たことがないから分からないっすよ!」
『であればやむを得ないでござる!
村の者を振り切ってご実家に連れ帰るでござるよー!』








ズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズルズル…









ボロボロォ…ギシィミシィ…
屋根が落ち、柱の根本はシロアリに食われ、至る所にヒビや蜘蛛の巣。

「何これ廃墟?」
「一応実家なんす」
「トラいキツネがりれっ亭?」
虎威狐借烈こいこがれてい)って読むんす」
「なるほど、これは客来ないわ」
「やっぱりそうっすよね…」
「よし、根本から修理しに入ろう」

ガラッ…ガラッカコッ…
開かないっ

「立て付け悪いんすよ。」
「うん…だと思ってた。 【クリーン】【修復リペア】」
カラカラカラッ
「おぉ…10年ぶりにスムーズに開いたっす」
「いつもどうやって出入りしてたの…」
「取手の横のところを45度の角度で強めにチョップしたらなぜか動かせるようになるんす。」


ブラウン管時代のテレビみたいな解決方法だな…


「ただいまー! 帰ったっすよー!」

「いらっしゃいま…アニキ!」
「ただいま、マロン。母ちゃんと父ちゃんは?」
「いるっすよ。」

タタタタタタッ
「とおちゃーん!かあちゃーん!」


中は意外と普通だ。古いことには変わりはないし、至る所にガタが来ているが思っていた以上に掃除は行き届いている。 

ボロボロだけど

本当にボロボロだけど…

それより気になるのが…


「ケリーちょっといい?」
「なんすか?」
「確かケリーの弟って…」
「全部で9人いるっすよ」
「まさかとは思うけど…顔も口調も声も全員ケリーそっくりな感じ?」
「どうなんすかね、考えたことないっす」


声優さんがいたら1人で12役…狐太郎も似たような声だから13役…使い回しと酷使が過ぎるぞ


「やばい、なんか具合悪くなってきた…やっぱ帰る…」
「ちょぉーーっと!?待ってくださいっす!
 なんか怒らせることしたっすか!?」
「いや…血筋って怖いなって話」

「帰ったっすかケリー!」
「おかえりっすケリー!」

「あ…意識がぁ…」
フラフラ~バタっ

「リョーっち!」
「「お客様!大丈夫っすか!?」」

『拙者も少しばかり目眩が…』
「「お犬様!」」
『狐でござる!』
「「ヒィッ」」







数分後

「こちら、おれっちの元師匠で仲間のリョーっちっす。」
「リョーです。冒険者と職人業やってます。」

『「よろしくっす!師匠!」』


うわぁ…同じ声が反響して聞こえる…
あと、師匠は元な

「そしてこっちが」

おいっ 否定しろっ!


『ご家族の皆様、初めましてでござる。拙者、ケリーの魔法と並列思考のスキルから生まれし炎狐の妖魔、狐太郎にござる。
不束者でござるが、願わくばご家族の末席に加えていただきとうござる。』
「要するに、おれっちの分身で相棒っす。
犬ではなくて狐の召喚獣みたいな感じっすよ。火属性の魔法で戦うっけど、普段は火の元の管理をしてもらう予定っすけど、いいっすよね」
「危険がないなら…大丈夫っす」


「リョーっち、向かって左の一番背の高いのが父ちゃんっす」
「トーマスっす」
「その隣が母ちゃん」
「ジェールっす」

髪型と背格好以外まったく同じ!
似た者夫婦にも程があるだろ!

「で、その隣が」
「ちょっとストップ!」


脳に酸素が…携帯用酸素ボンベを取り出して
スーハー!スーハー!


「もういいっすか…?」
「ゆっくりお願い…」
「白いエプロンを付けてるのが長女のビアンで
 黒いエプロンを付けてるのが次男のネルン
 茶色のエプロンを付けてるのが次女のマロン
 赤色のエプロンを付けてるのが三男のロズン
 橙色オレンジのエプロンを付けてるのが三女のオラン
 黄色のエプロンをつけてるのが四男のジャン
 緑色のエプロンをつけてるのが四女のベデン
 青色のエプロンをつけてるのが五男のブルン
 紫のエプロンを付けてるのが五女のビオン
 
 以上、12人家族っす」

『「よろしくっす!」』

スン……
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』

「リョーっち?コタローも大丈夫っすか?」
「多分…大丈夫。エプロンで見分けがつくから」
「記憶が共有できていなければ見分けられる自信が無いでござる…」



白・ビアン
黒・ネルン
茶・マロン
赤・ロズン
橙・オラン
黄・ジャン
緑・ベデン
青・ブルン
紫・ビオン


なるほど…。色をイタリア語に置き換えて少しモジってやれば、この子達の名前に当てはまる訳ね…
こっちの世界でもあるんだな一郎、二郎、三郎みたいな名前の付け方


「あれ?それだとケリーは何色になるんだ?
ケリーなんて色はモジっても聞いたことないけど」
「ひいばあちゃんの名前っす。火属性魔法で二つ名持ちだったらしいんすよ。」
「長男だから色々あやかりたかったっす…」
「見事に私っち達に似たっす…」

「似過ぎだって!目をつぶったら誰が誰かわかんないよっ!」


あ、やべっ 今とんでもなく失礼なことを言っちゃったような…
でも仕方ないかっ 見分けつかないんだしっ!

気を取り直して、本題に入ることに。
ジョセフさんからされた説明をそっくりそのまま伝える


「えぇ!? いいんすか!?」
「新築の物件にタダで移転できる上に、領主様とお師匠様の後ろ盾をいただけるなんて夢みたいっす!」

もう呼び名が師匠になってもうてますやん…

「とは言っても、まだ土地が決まったばかりで元の建物を撤去して建て直す必要があるので、しばらくは衛兵隊の詰め所の隣にある仮家で過ごしてもらう必要がありますが、それでも構いませんか?」
「もちろんっす!」
「ちなみにお家賃は…?」
「1ゴールドたりとも貰いません。元はというと俺たちの今後の活動に反感を持つ輩がご家族を狙った場合、離れていると守る事ができない。だから守れる範囲にいて欲しいというのが真意なので。
 強いて言うなら、住民税とギルドの会費とかは普通に稼いで普通に支払ってもらう事になると思います」
「それだけ…っすか?手数料とか後で請求したり…」
「友達の家族から手数料を取るほど、俺たちは金にガメつくありませんよ」

ウルウルウルウル…
「息子に…こんな立派なお友達が出来るなんて…」
「これから、息子共々お世話になるっす!師匠!」


近ぁい…
今日からこのテンションが12人はさすがにしんどいなぁ…













早速ケリーの家族を連れ帰り、まずは衛兵隊の詰め所の隣にある2軒の家のうち、片方に大人2人子供9人と荷物をなんとか詰め込む。



土地の手続きが済んでいるとのことなので、早速作業に入る

「住所変更の手続き終わったっすよ」
「よし、こんなものかな。
 どうかなケリー?」
「うわっ すっげーーー!
これ宿っすか!?貴族の館じゃ無いっすよね!?」


1階が受付と食堂と大浴場
2階3階は客室だ。

 客室は1人部屋と2人部屋、3人部屋、4人部屋までがあり、もちろん全部屋浴室とトイレ、冷暖房、小さい冷蔵庫まで完備。
 テレビは無いので異世界モノの定番であり我が家ではトレーニングアイテムである娯楽のオセロ、将棋に加え、野球盤、テーブルサッカーのアレをおく事にした。


建物は大きく見て宿と、宿よりはひと回り小さいかなくらいの離れがあり、そっちがケリーの家族の家となる。各個室を宿とほとんど同じ待遇で完備、ちなみに宿と同じく3階建てだ。


「家側が広すぎる気がするんすけど、こんなにいいんすか?」
「12人もいるんだから、これくらい無いと。
大きくなったら女の子と男の子が一緒の部屋だと大変だよ。
親しき仲にも礼儀あり、一家の中にも棲み分けありってね」
「そんなもんなんすかね?」
「そんなもんそんなもん」
「このちっさいのは倉庫っすか?」
「あーあれ?この街で最高クラスの警備を入れようと思って」
「最高クラスの警備?」
「宿の名前はなんだっけ」
虎威狐借烈こいこがれていっす」
「虎の威を借る狐って虎のように強い者を後ろ盾にして威張る人のことを指す。けど、普通に考えてケリーの家に虎はいない。

ただ、虎にこだわらないなら」


金属と地面がぶつかり合う音と共に俺たちの影が大型の機獣に踏み潰される


「ライオンがいるから。」
『ゴロゴロゴロロロロロぉ…』
「ヒイィっ!!」


金属の硬い身体で擦り寄ってくる。
機獣だからと言って強過ぎるわけでもなく、ちゃんと丸みを帯びた胴体や鼻だけでスリスリ…


「ヨ~シヨシヨシっ」
『ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ…』

「なんか猫みたいっすね」


「ほ~れ、巨大猫じゃらし~」
フリフリ…フリフリ…
ペシっ ペシペシっ

「猫っすよね」


「はいっ おしまい」
『ニャァ~』

「ニャ~はもう猫!
 王宮での威厳はどこにおいてきたんすか!?」

『野生剥き出しデハ人間社会に適応が困難と思い、ワタシから独立して稼働できる擬似人格を作成しマシタ。
モデルはマンチカンとドーベルマンを足して÷2デス』
「愛嬌と誠実さのタフキャット…」

「それだけじゃいよ」

ピッ
スマホから起動コードを送ると、どこからともなく大量の羽音が響き渡る。


「ヒィッ!? 虫ぃ!虫のゴーレムがいっぱいいるっす!」


空陸ともに活躍の幅が広く、脚力を生かした体当たり攻撃ができるバッタ型
機動力が高く、お尻にテイザー銃(※)の機能を搭載した蜂型
視野が広く、お尻が高圧洗浄機になってるトンボ型
壁に引っ付いて移動でき、キャッチロープを自在に操り犯罪者を捕らえるクモ型

(※)= スタンガンの一種でハンドガンに似た銃型でトリガーを引くと銃口部分から二本の有線電極を飛ばし、着弾した相手に数万ボルトの電流を流し、動きを止める非殺傷兵器。


手のひらサイズの量産型で、精巧というよりどこぞの変身アイテムのような見た目をしている。


昆虫インセクト×守護者達プロテクターズ
 略して“IN-TECTERS”デス。』
「コイツらをここや我が家、領主邸を中心に、門や顔見知りの店、広場とか、とにかく街中に配備する。」
「ちなみに聞くっすけど…何匹配置するんすか…?」
「今は20匹ずつしかいないけど、お隣の国がせめてきても大丈夫無ように最終的には7万匹くらい欲しいかな。」
「7万匹!?リョーっちは武装国家でも創る気っすか」
「うーん、それもいいな。」
「良くないっすよ!戦争の火種になるのは御免っすよ」
『天空の中立武装国家NOVA…中々乙なものデスねぇ』
「ケンっちもなんでノってんすか」






「キャーッ 火事よー!!」

「ドロボーッ! ウチの馬を返せーっ!」

「ひったくりよー!誰か捕まえて!!」

「フザケんじゃねー!テメェがウチの従魔に手ェ出したんだろ!」
「こんなとこに置いてたアンタが悪いっ!
襲ってきたのはコイツなんだから飼い主であるアンタが慰謝料払いやがれ!」

「親父ぃ!頼むならここで裸になって踊るのだけはやめてくれぇ!」
「ウルヘェ~ ここでやるったらやるんだよぉ~」





「なんか急に治安悪くなったっすね…」
「フラグって怖いね」
「そうっすね…今、フィーっち達は村から帰ってきてる途中みたいっすよ」


「サァ行キなさい昆虫守護者達インテクターズ
 市民の治安を守れずシテ、この国の平穏など守れマセン!」




拝啓 創造神様、魔法神様、技巧神様
俺のスローライフは…しばらくお預けみたいです…





「「ハァ…」」
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