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ぼくたちのためのレシピノート
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しおりを挟む1 桜茶 キャラメル
ぼく、今川広夢は図書館でアルバイトを始めて一年たつけれど、いまだに満足のいくような仕事をすることができないし、周囲の人間とうまく接することもできていない。
利用者に話しかけられても必要最低限の言葉しか返せない。
貸出処理のスピードも、丁寧にやり過ぎてしまうせいで、遅いとよく注意される。
「東洋医術の本ある?」
まったく知らない本の場所を訊かれると、落ち着いて貸出機で検索すればいいのに、決まって焦ってしまい、やたら時間がかかってしまう。
その挙げ句、なぜか見つけることができず、
「ここにはないようです」
と相手に死の宣告を受けたようながっかりした顔をさせてしまう。
正規の図書館職員は事務室で事務作業をするのが主で、カウンターに出ることはほとんどない。そのため、利用者と接することもほぼない。
本来ならぼくはそういう事務作業のほうが向いている。大勢の人間と話さないですむから。
でもアルバイトのぼくはカウンター業務と配架が仕事だから、利用者である色々な人間に対応し、会話をしなければいけない。これがどうしても苦痛でならない。
声が小さいことで何度も聞き返されたり、ミスをしても上手に謝罪できないので舌打ちや叱咤されたりすることも少なくない。
また、大きな図書館だけに同僚がやけに多いので、人付き合いが苦手なぼくには極めて厳しい。同僚が少なくても厳しいことに変わりはないだろうが、人数が多ければ多いほど、一人でいることが目立ってしまう。
図書館で働こうと思ったのは、静かにカウンターの椅子に座って、利用者が来るまで本を読んで過ごす……なんてイメージを勝手に抱いていたからだ。
実際は、接客業みたいなもので、最もぼくに向かない。
それでも辞めずに一年も続けているのは、どんな仕事でも人と接しなければいけないということを、こんなぼくでも理解しているからだ。
だったら新しい環境で見知らぬ人たちとまた一から関係を築くよりは、ここで我慢したほうがマシだ。
ここならもう周囲の人たちは、ぼくの非社交的な性格を把握しているから放っておいてくれる。
当然、働き始めて一年もたつのに、同僚たちとのほとんどと壁があった。
「とてつもなく高い壁がありますよね」
まどかさんにもそう言われたことがある。
山田まどかはぼくより一つ年下の十九歳の大学生で、ぼくより半年あとから働き始めたのだけれど、ぼくよりずっと仕事ができるし、職場になじんでいる。
「わたし、年下ですし、後輩なんですから、敬語やめてくださいよ」
そう言われるのだけれど、敬語はどうしてもやめられない。
敬語を使わずに喋る相手は家族以外にいない。
本当は同僚を下の名前で呼ぶことにも抵抗がある。しかし職場には他にも山田さんがいるので、まどかさんのことは下の名前で呼ぶしかない。
そんなことを考えながら配架を続けていると、金髪の女性が、剃り込みを入れた大男にもたれかかりながら訊ねてきた。
「あのー、カクテルの本てどこにありますか?」
「三番と書かれている通路の書棚にあります」
「あ?」
大男が苛立ったような声をあげる。
「さ……三番の」
隣の女性がくすくす笑いながら、男の腕を引っ張った。
「あっちみたい。いこ」
「ちっせー声だな」
吐き捨てるように大男が言った。
彼の言う通り、ぼくの声は本当にとても小さい。大きい声がどうしても出せない。
「ちゃんと食べてないから、腹の底から声が出ないのよ」
なんてことを、ある中年女性の同僚に言われたことがある。
でもぼくが太ったとしても声は大きくはならないだろう。
「ぼく、今川さんの隣の部屋に住んでるんです」
図書館スタッフ用の休憩室で休んでいる時、ぼくの隣に座る星野響が、突然そんなことを言い出した。
ぼくの吹き出したお茶がまどかさんの持っていたクッキーを直撃して、彼女は悲鳴をあげる。
「ぎゃ。何してくれてんですか」
顔をしかめた彼女は新しいクッキーに手を伸ばしながら、星野響とぼくを交互に見た。
「でもそれってすごい偶然ですよね。今川さん、知ってました?」
「いえ」
ぼくはそう答えながら、ティッシュペーパーで汚れたテーブルを拭く。
「挨拶に何度か訪ねたんですが、いつもお留守みたいで」
そういえば半月ほど前、毎日のようにしつこくドアをノックする者がいた。セールスだろうと出なかったのだが、そうしたら、ある日ドアのノブのところに紙袋がかかっていた。
タオルの入った箱と、
『隣に引っ越してきました。よろしくお願いします。星野』
と書かれたメモ用紙も入っていた。
隣の部屋に引っ越してきた『星野』が、隣に座っている星野響だと言われてもぴんとこない。しかし、変な汗がふき出してきた。
「住んでるアパートが同じ、職場も同じ、同じ大学生で、同い年」
まどかさんは指を折りながらぼくたちを見た。
「あとは何が同じ?」
休憩時間が終わって仕事に戻っても、変な汗が止まらなかった。それでも何とか配架をしていると、時折、カウンターにいる星野響が視界に入ってきた。
彼はこの図書館で働き始めてからまだ数日だけれど、既にスムーズに仕事をこなしている。
ここはかなり大きな中央図書館で、利用者も他の図書館に比べて格段に多い。
総合カウンター、児童室カウンター、視聴覚カウンターと三つのカウンターがあって、色々な種類の書籍を扱う総合カウンターは一番大きいフロアにあるので特に忙しい。
カウンターは長く、五人のスタッフが貸出処理をすることができるけれど、それでも毎日のように、貸出を待つずらりと長い行列ができる。
だから総合カウンターはぼくたちにとって戦場のようなもので、とにかくスピードと正確さが求められる。
貸出処理だけならいいが、新規の利用者登録を希望する人や、本を汚したりなくしたりして弁償手続きをする人もいる。
それだけでなく、求めている情報や本を探し出す手助けをしてくれる、レファレンス担当のカウンターへ行かず、普通のカウンターで、
「この古い漢字の読み方を調べたいんだけど、どこにそういう本あります?」
などと突然訊ねてくる人だっている。
とにかくやる仕事、覚えることが多いのだ。
だからこの図書館のマニュアルはぞっとするほど分厚い。
一週間の研修期間中は見習いとして、『研修中』と書かれた札を胸につける。
研修中にカウンターに立つ時は、いつでもフォローできるようにベテランスタッフがすぐそばについてくれて、困った時には手取り足取り教えてくれる。
しかしその一週間が終わると問答無用で独り立ちさせられてしまう。
たった一週間で独り立ちできる自信がなくて、研修中に辞めていく人もいる。
それなのに、星野響は二日ほどで一通りの仕事を覚えてしまい、フォローのスタッフが出る幕は既にない。
だから、少し暇になると、彼はフォロースタッフのベテランパート主婦さんと雑談をかます、なんていう芸当までしてのけている。
そんな彼は利用者に対しても、余裕を持った対応ができる。
たとえば、「コピーがうまくとれない」と年配の男性が助けを求めてくれば、すぐにフォロースタッフにカウンター仕事をまかせて、利用者と一緒にコピー機まで行ってコピーをとってあげる。
児童室では、小学校低学年ぐらいの子供がもじもじしながらカウンターにやってくると、「さがしてる本がみつからないの?」などと子供の目線まで腰をおとして、優しい笑顔で話しかける。
自分から声をかけるなど、ぼくには到底できない芸当だ。
彼はイベントポスターの飾りつけ用の折り紙を取り出して、ささっと器用に風船を折ってあげて、そんな恥ずかしがり屋な子供にあげたりもする。
その子は後日、星野響がカウンターにいる時にやって来ると、お礼のつもりなのだろうか、キャンディーを一個、星野響に差し出した。
利用者から、しかも子供から、そんな素敵なプレゼントをもらったスタッフはそういないだろう。
また、スーツ姿で五冊ほどの単行本を借りに来た男性サラリーマンには、彼が手ぶらだと見てとるやいなやすぐに、
「よかったらお使いください」
と、ストックしてある紙の手提げ袋を、カウンター下の箱から取り出して男性に差し出した。
「お、ありがとう。気が利くなぁ」
そのサラリーマンは、彼の心遣いと機転のよさに、えらく感激していた。
研修中にここまでやってのけた人間を、星野響以外にぼくは知らない。
前にも何かしらのアルバイトをしていたんだろうが、彼はどこでもやっていけるような人間だ。それも、誰よりもうまく。
何よりもそのコミュニケーション能力の高さにはひれ伏すしかない。
ぼくが図書館にいる間で最も苦手な休憩時間でも、彼はその能力を発揮した。
休憩時間は十分間と短いのだが、その間にささっと食事用のパンやおにぎりをかきこんだり、お菓子やお茶で仕事の疲れを取ったりする。
同じ休憩時間になった人たちとテーブルで向かいあうのがぼくにはとても苦痛だ。
みんなでわいわい楽しそうに会話している中に入れないし、入りたいとも思わない。もっと休憩時間が長ければ、外のコーヒーチェーン店に逃げ込みたいところだ。
だから休憩時間はいつも、丸まったダンゴ虫みたいに気配を消して食事をとるか、本を読むかしている。
でも、初めて星野響と休憩時間が一緒になった時、彼は誰よりも先にぼくに話しかけてきた。
「何読んでるんですか?」
ぼくはその時、有名な文学賞の候補になった作品群の一冊を読んでいた。図書館に勤める者として、というよりも、単純に興味があるからだ。いつもその賞の候補作は読むようにしているので、そのことを伝えた。
「すごい。ぼくも今度から読むようにしようかな」
ぼくの言葉に驚きながら彼がそう言うと、他の女性スタッフがニヤッとしながら声をかけてきた。
「わたしもそれ読んだよ。ラスト、すごいよ」
「ちょっと、ネタバレはだめですよ。ねえ?」
彼はぼくにそう同意を求めて、眉間に爽やかな皺を寄せた。
「ごめんごめん。でも面白いから、それ。おすすめ。受賞するといいよねえ」
女性スタッフが笑顔でぼくに向かって言ったので、ぼくは挙動不審になりながら、なんとか頷いた。
ぼくがここで働き始めて一年、その女性スタッフがそんな笑顔で話しかけてくれたのは、その時が初めてだった。
それに比べて、働き始めてわずか数日の星野響は簡単にぼくを同僚との会話に引き込み、ぼくへの笑顔さえ引き出した。
ぼくの一年と、彼の数日は等価なのだと思うと、めまいがした。
それからも、星野響はぼくと休憩時間が一緒になると、ぼくがどんなに『話しかけるなオーラ』を出していても、それを飄々とぶち破って、みんなの会話にぼくを引きずりこもうとする。それも、ごく自然に。
彼の『天性の無邪気さ』に、ぼくの『話しかけるなオーラ』は勝てない。
でもぼくは思う。
星野響は確かに無邪気だけど、それを意識的に利用している。
ぼくが職場で孤立していることを一瞬で察知して、意識的にぼくを会話に引き込み、円滑なコミュニケーションをとらせようとしている。
なぜ彼がそんなことをするのか、ぼくにはわからない。
単にお節介な性分なのか、あるいは自分のコミュニケーション能力の高さを、ぼくを使って周囲に見せつけたいのかもしれない。
仮に前者なのであれば大きなお世話だし、後者であれば性質が悪い。
ぼくは星野響のことを、苦手な人間に分類した。
ある日、仕事を終えたぼくは、図書館の裏にある自動販売機でカルピスウォーターを買った。
喉が渇いていたので無心で飲んでいると、突然、暗闇から呼びかけられた。
ひどく驚いたぼくはペットボトルを落としてしまった。
それを拾いあげたのは、星野響だった。
「驚かせてすみません」
彼は黄色い自転車をひいていた。
「こっちに来るのが見えたんで」
桜の花びらがどこからか舞い落ちてきて、ぼくにペットボトルを手渡す彼の紫色のキャップの上に落ちた。
「よかったら一緒に帰りませんか?」
ぼくは持っているペットボトルを軽くあげて、首を横に振った。
「これ飲んでから帰ります」
「待ちます」
すかさず言葉を返してきた星野響。
ぼくが何も言えず黙っていると、彼は自転車にまたがった。
「すみません、邪魔をしてしまって。じゃあ、おつかれさまでした」
闇の中に消えていく黄色い自転車をじっと見つめていたぼくは、気が滅入ってきた。
もし彼が、純粋な親切心でぼくによくしてくれているのだとしたら。
でも、ぼくにはどうしたらいいのかわからない。
自転車を押して、とぼとぼと近くの公園に行った。
夜の公園は不気味だ。ブランコが勝手に動き出しそうに思える。でもここに来ると、なぜかほっとする。
この小さな公園は街のエアポケット的な存在で、夜になると誰も来ない。カップルさえも来ない。銀杏の緑の葉だけが、街の建物を撫でてきた風に揺れている。
空を見上げると半月が輝いていた。星はほとんどない。
月を見ているとさびしくなるのはなぜだろう。
完璧過ぎるほど綺麗だからだろうか。冷たい光を放っているからだろうか。お互い一人ぼっちだからだろうか。
アパートに帰って駐輪場に自転車をとめると、星野響の自転車が目に入った。彼の黄色い自転車はひときわ輝いて見える。どうやら新品のようだ。引っ越し祝いに誰かからもらったのかもしれない。
ぼくの部屋は二階の角部屋で、その隣の彼の部屋の明かりはついていた。
隣の部屋に同僚が住んでいる。
こういう偶然がそうないのはわかっている。だから、彼は今夜、ぼくと帰ろうとしたんだろう。たぶん、仲良くなるために。
友達が欲しくないわけじゃない。
ただ、相手がどんな人間かわからないのに簡単に距離を縮めるのが怖い。相手のことをよく知りたい。ぼくと合う人間か。ぼくが好きになれる人間か。ぼくを悩ませない人間か。
ぼくの周囲には、友人関係で悩んでいる人たちが大勢いた。
突然仲間はずれにされたり、金の貸し借りで揉めたり、グループ内での恋愛トラブルがあったりなど、あげればキリがない。
単に、そもそも気が合わないのに成り行きで友達になってしまって、付き合うのがストレスや苦痛になっているという人もいた。
そういうのを傍から見ていると、つくづく一人のほうが楽だと思った。
その一方で、たとえうわべだけの関係でも、時を共に過ごす誰かがいる人たちを羨ましく思うこともある。
一人は辛い。孤独は心も体も冷たく固くする。
カップラーメンを作ったが、食欲がなくて半分ほど食べてやめた。胃が痛んだので胃薬を飲み、シャワーを浴びてベッドに横になった。
隣の部屋は静かだった。
聞き耳をたてるなんて、よくないことだ。
だから耳栓をして、ラジオをつけっぱなしにして眠った。
女性の笑い声で目が覚めた時、ラジオの音だと思った。
でも耳栓を取って耳をすますと、ラジオからはギターの音色が流れていた。
若い女性の笑い声はどうやら壁の向こう側から聞こえてくるようだった。
そう。星野響の部屋から。
彼女か。
あるいは姉か妹、女友達という可能性もある。
いや……それはないか。
隣から聞こえてくる女性の笑い声は、肉親や友達の前であげる女性の笑い声とは違い、異性、それも好意を寄せる相手の前であげる笑い声独特の、艶と華やかさがある。
やっぱり彼女だろう。
当然だけれど、この部屋に女性が入ったことはない。母親をのぞいて。
隣から聞こえてくる女性の笑い声が耳障りに感じるのは、妬みとひがみからか。
今日の大学の授業は午後からで午前中は用事がない。まだ朝の八時だ。
ベッドから起き上がってラジオを消したぼくは、パーカーをはおって部屋から出た。なるべく隣の部屋を見ないようにしながら早足で廊下を進む。
まだ胃が痛い。
相変わらず食欲もない。
アパートから一番近いコンビニエンスストアに入ると、牛乳とカップラーメンをカゴの中に入れた。
それから雑誌コーナーに行って、ある男性誌の表紙を眺めた。ひそかに応援している女優が微笑んでいる。ぼくはその雑誌を手に取って開いた。
その女優はぼくと同い年で、去年ブレイクして一気に人気になった。今も連続ドラマの主演をつとめている。彼女は公園のブランコに座り、無邪気な笑顔でこちらに笑いかけていた。
『休日ですか? ほとんどひきこもり状態ですよ(笑)。家で過ごすことが好きなんですよね。マイブームは読書です。お友達からすすめてもらった小説が面白くてはまっちゃいました。あ、おすすめの本とかありますか?』
あるよ。
面白い本ぐらい、いくらでも教えてあげられる。
ぼくはため息をつくと、雑誌を閉じてラックに戻した。
そしてレジカウンターに向かって歩き出した時、星野響が女性と一緒に入ってきた。
彼はすぐにぼくに気づいて、「あ、どうも」と笑った。昨日のことは全然気にしていないように見えた。
彼は隣にいる、すらりとした色白の美人に向かって、ぼくのことを紹介した。
「こちら、同僚で隣の部屋に住んでる今川さん」
「ああ」
彼女はぼくを見て、丁寧に頭を下げた。
ぼくもしかたなく頭を下げる。
星野響はベージュのチノパンに黒いドット柄のシャツ、紺色のカーディガンというこざっぱりとしたなりをしていて、隣の女性は淡い水色のワンピースに白いノーカラーのジャケットをはおっている。
ぼくはパジャマにしているスウェットパンツにTシャツ、パーカーという格好で、すべてが気持ちよくよれよれになっていた。
「はじめまして。新木ゆりです」
「あ……今川広夢です」
軽く頭を下げてレジに向かった。財布を取り出して代金を払う。
ビニール袋をぶらさげて出口に向かおうとした時、彼らはまだ同じ場所にいて、ぼくのことを見つめていた。ぼくはまた軽く会釈をして彼らの横を通り過ぎた。
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