THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

文字の大きさ
48 / 144

初クエスト完了報告

しおりを挟む
 何度か休憩を挟みながら、イザベルに到着したのは2日後の午前11時、私達は今回のクエストの報告をするためその足でギルドに直行した。

「お疲れ様ですセリカさん。【渡り鳥】2人と1匹、無事クエスト達成してただいま戻りました」
「渡り鳥のみなさん!お疲れ様でした!初ダンジョンはどうでしたか?攻略の手掛かりは何かありましたか?一回で攻略は難しいかと思いますが、みなさんでしたらきっといつか」
「何を言っておるんじゃ、わらわ達は第四階層も発見したし、キッチリとボスも倒してクエストクリアしてきたぞ」

「へっ?」

 ダンジョン攻略は通常、1回の潜行で出来るものではないらしいという雰囲気を感じ取りながら、面倒くさい事にならないければいいなと思いつつカウンターの上に全員の証明符を置いた。セリカさんは半分放心状態で証明符を手に取りリテラシーストーンに読み取らせる。

「ギャァ!!」

 セリカさん今、ギャァって言った?

「アイアン……ゴーレム……ワームッ!?」

 すっと席を立ち、セリカさんはフラフラと頭を揺らしながらギルドマスターに部屋に向かった。

「マスターァァァ」
「ノックぐらいしないか!!甘ったれた声出すんじゃない」
「だってぇ私には無理ですぅ」

「あっ!?何のはな……」

 扉が閉められ声が聞こえなくなって数秒後、ものすごい勢いで開かれた扉からエヴァさんがものすごい剣幕で受付カウンターに現れた。

「まったっ……テメェか!タタラ!!」
「すみませんでした!!って何がですか?」
「何がですかじゃねぇ!いいか!普通ダンジョンでボスを発見したら一回戻って準備を整えてから討伐に向かうもんだろうが!それを何、新参パーティーの初クエストであっさり倒してきてんだよ」

「いや……だってダンジョン攻略はボスを倒して完了って言うから、攻略クエスト受けたからには倒してこなきゃ失敗扱いになるかなぁって」
「馬鹿野郎!よく見ろ!ダンジョン攻略クエストは無期限クエスト!何度か行ったり来たりしながらやるクエストなんだよ!」

 突き出された依頼書の期間の欄には確かに無期限の文字が書かれていた。そうかぁ……無期限って何度も行ったり来たりして良かったのか。

「ボスによってはクエストランクの補正だって当たり前にあるんだ、それを一回の潜行でしかも初見のボスを倒して攻略してきましたなんて前代未聞だぞ」

「ランク補正って……ちなみにアイアンゴーレムさんは……」

「Aだな。しかも参加冒険者ランクA以上限定、複数パーティー連携推奨の災害クラス魔獣だ」

「災害クラス?」

「地上に出現した際に街や国家単位で被害が出る恐れがある魔獣をそう呼ぶ。以前、地上にアイアンゴーレムが出現した時はイザベルクラスの街が崩壊、多く人が犠牲になり、数百人規模の討伐隊が組まれ30人以上の冒険者が命を落としながら討伐に一カ月かかった……」
「マスター、マスター」
「なんだ?セリカ」

 エヴァさんはセリカさんが指差したリテラシーストーンを見つめ、うなだれながらぶつぶつと何か呟き出した。

「ワームロワ……何度も討伐隊を組んでその度に壊滅させられた……草原の災厄……」

「あの……エヴァさん?」
「お前らいったいどうやって倒したんだ!?」

 カウンターを叩きながらエヴァさんが声を荒げた。

「何の話じゃ?」

「あっ?お嬢達が倒したワームロワの事を聞いてるんだ」
「ワーム?タタラは何のことかわかるか?」

「それがですね……」

 ……説明中……説明中……。

「お嬢達が……昼寝中に……1人で倒した……だと」

 エヴァさんは崩れ落ちカウンターの下に、消えた。
 


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする

ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。 リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。 これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

水神飛鳥の異世界茶会記 ~戦闘力ゼロの茶道家が、神業の【陶芸】と至高の【和菓子】で、野蛮な異世界を「癒やし」で侵略するようです~

月神世一
ファンタジー
「剣を下ろし、靴を脱いでください。……茶が入りましたよ」 ​ 猫を助けて死んだ茶道家・水神飛鳥(23歳)。 彼が転生したのは、魔法と闘気が支配する弱肉強食のファンタジー世界だった。 ​チート能力? 攻撃魔法? いいえ、彼が手にしたのは「茶道具一式」と「陶芸セット」が出せるスキルだけ。 ​「私がすべき事は、戦うことではありません。一服の茶を出し、心を整えることです」 ​ゴブリン相手に正座で茶を勧め、 戦場のど真ん中に「結界(茶室)」を展開して空気を変え、 牢屋にぶち込まれれば、そこを「隠れ家カフェ」にリフォームして看守を餌付けする。 ​そんな彼の振る舞う、異世界には存在しない「極上の甘味(カステラ・羊羹)」と、魔法よりも美しい「茶器」に、武闘派の獣人女王も、強欲な大商人も、次第に心を(胃袋を)掴まれていき……? ​「野暮な振る舞いは許しません」 ​これは、ブレない茶道家が、殺伐とした異世界を「おもてなし」で平和に変えていく、一期一会の物語。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...