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Aランクの戦い
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『ブゥゥゥゥゥ!!!』
[観客席からのこのブーイングも無視してまだヒバチ選手は審判ともめています]
ピィッ!
ヒバチと審判の小競り合いを見守ること数十秒。
すでにヒバチのダメージポイントは700を超えた。
「兄ちゃんこのオッサンどうにかしてくれや!」
チッ。ついにこっちまで飛び火してきたか……。
「アンタ審判とやり合いに来たんすか?」
今にも審判に一撃かましそうなヒバチは一瞬あっけにとられた表情を見せ、すぐに我に返って私の方を向き直した。
「ちゃうわ!ちゃうちゃう!この試合勝たなぁアネゴにブチ殺されるんやった!危なっ!ちゅーか、ワイのポイントめっちゃ増えてるやんけ!!兄ちゃんぼけっと見とらんと早よ止めてぇなぁ」
軽口をたたきながら戦闘態勢をとるヒバチの目が徐々に鋭さを増していく。
「ホンマ恐ろしいやっちゃで」
その目つきはアクリスで今まで出会ったどの生物よりも殺気で満ちていた。私は気圧されそうになる心と体をなんとかふるい起こし、木剣をヒバチに向け真っ直ぐ構え。
「アンタがな」
「未体験ゾーンに連れてったる……わっ!!」
わっ!!と叫ぶと同時に一瞬で私との距離を詰めたヒバチ、突進というよりもはや瞬間移動の域であったが、さっきまでの戦闘でヒバチが直線的な攻撃で来ることは想定済みだったためヒバチの木剣が振り切られるより早く一歩前に踏み出し体当たり気味に距離を詰め、左手でボディブロウを狙ったが。
「ぅらっ!!」
「いっ!?」
ヒバチは私の左手を鷲掴みにして振り回すように投げ飛ばし、空いたスペースを木剣を振り上げながら猛スピードで突進してくる。
なんて乱暴な戦い方なんだこいつ!!
私は態勢を崩しながら木剣でヒバチの打ち下ろしの斬撃を受ける姿勢をとったのだが。
「受けんな!!かわせ!!」
女性の大きな声が観客席から聞こえた。今のはエヴァさん?そう思った瞬間、アイアンゴーレムの一撃を思い出すような衝撃を腕に感じた後、目の前が真っ暗になった。
[ヒバチ選手の打ち下ろした渾身の一撃が、態勢を崩しながらガードに突き出したタタラ選手の木剣を真っ二つにへし折り、そのまま脳天に直撃したぁぁ!!
そしてそしてヒバチ選手の猛攻は続きタタラ選手を容赦なく蹴り飛ばし、得意の突進で追いかけながらの斬撃で叩く!叩く!叩くぅぅ!!
その度にタタラ選手は右に左に弾き飛ばされてサンドバッグ状態だ!!二つに折れた木剣をしっかりと片方づつの手に握りしめてはいますがこれは意識があるんでしょうか?
600近く開いたポイントは一瞬で140ポイント差まで縮まっている!このままヒバチ選手の逆転勝利となってしまうのか!?
さっきまでのブーイングの嵐から一転、この凄惨な状況に観客席は静まり返っています。おや?ここで審判が何か……タタラ選手の……意識があるか気にしているようなそぶりをしています、このまま試合終了もあるかもしれません。
なおも続くヒバチ選手の猛攻!ここでついにタタラ選手ダメージポイントが810に!]
私は今、真っ暗な闇の中をぐるぐると回る夢を見ていた。ぐるぐる回りながら壁にぶつかるたびに激痛が走る。
ぐるぐるぐるぐる、バチン。
ぐるぐるぐるぐる、バチン。
もの凄く痛いのに声は出せない。
そう私は今、洗濯の脱水にかけられているヌイグルミになった夢を見ている。
ああ、早く終わらないかなぁ。
「……タ……」
遠くで誰かが、呼んでいるような。
「……ィン……」
いや、確かに誰かが呼んでいる。
「……タラ……」
誰か知らないけど待ってよ、今終わるからさ。
「タタラ!!」
……この声は。
「フィィィィィン!!」
つーか。
「終わっちゃダメでしょうが!!」
『おおおおおおおおおおお!!』
[ピンボールのように弾き飛ばされ続けていたタタラ選手!急に踏み止まり強烈なカウンターをヒバチ選手の顔面に叩き込んだ!!残り時間は3分!いったいどういう決着になるのか!?]
夢の世界から舞い戻った私の眼前で、ヒバチが膝をついていた。
今、私、何かした?
ダメージポイント確認すると、いつの間にか私が840、ヒバチが780……そういえば全身がやたら痛むし、特に頭が……恐る恐る指先で確認すると血が滝のようにとまではいかない程度に流れた。
痛い。
それに両手に装備されている真っ二つの木剣……あのガードした一撃はどうやら木剣を叩き折って私の頭に打ち込まれそのまま意識が飛んでいたようだ。
「帰って来たんかい、丈夫なやっちゃのう」
つーかあの恐い夢はお前のせいかこの野郎!
「おかげ様でいい夢見れたよ」
「ほんなら、もういっぺん見せたるわ!」
私は短くなった木剣を使い二刀流でヒバチと対峙する。
「続きはアンタに譲ってやるよ!!」
ヒバチは飛び上がるように起き上がり、右から木剣を振る。私は右手の木剣の残骸で振り切る前のヒバチの腕を叩き、左手の木剣の残骸でヒバチの左肩を打ちつけた。ちなみにここからは木剣の残骸も木剣と言うことにする。
「そんな、ゴミで打たれても効かんで!」
そうは言ってもしっかりポイントは20入っている。
私はヒバチ劇場に付き合うことなくバックステップで距離を開けると、案の定ヒバチは突進してきたので、左手の木剣を投げつけた。
突然の飛び道具をヒバチが足を止めて打ち払った瞬間、私はガラ空きの胴体を右手に木剣で叩くと。
「うぐっ」
どうやら完全に隙をつけばゴミで叩かれても効くらしい。
残り時間は僅か。今のポイントは40。
私がスクリーンに一瞬目を離した隙にレーザーのようなヒバチの突きが私の腹部に放たれたがギリギリで体を捻りかわし、左拳でヒバチの腕を叩いた。
しかし、そんなのまったく効かんと言わんばかりに突き出した木剣を振ってきた、なんとか右手の木剣でそれを受けるもさすがヒバチの一撃、受けた木剣ごと私に叩きつけてきた。
威力は充分に殺しすことができたがヒバチはすでに次の攻撃動作に入っている。
「終いや」
ヒバチの目が今日一番鋭く光る
「アーツ【怒鎚】」
木剣をゆっくりと振り上げたヒバチ。
何が終わりだ、これなら距離をとってかわせる。そう思ったのだが、ゆっくりに見えたその動作は実際は私の反応速度をはるかに超えて行われおり、その事に気付いた次の瞬間。
振り上げられた木剣は残像を残し消えた。
さっき私の意識を刈り取った攻撃よりもはるかに早く強烈な一撃。
脳裏に【死】がよぎった瞬間。
私は右手の木剣を突き上げた。
少しだけ角度をつけて突き上げられた木剣に当たった【怒鎚】は木に落ちた雷の如く手の中の木剣を真っ二つにして私の右手の指を3本へし折りながら地面に突き刺さり粉塵を巻き上げながら爆発音を上げた。
咄嗟の自分の行動に驚きながら強打を地面叩き込んだヒバチの隙を見逃さず、砕けた木剣を真上に放り投げ、指の折れた手を握り締め。
「アーツ【四四連(もどき)】!!」
右と左合わせて4発を叩き込み、この瞬間ポイントは990対990残り時間は10秒。
「1発どついてワイの勝ちや!!」
四四連(もどき)を打ち終わりで隙ができた私に、ヒバチが叫び地面に打ち込んだ木剣を振った。
ウチワであおいだような風が私の髪を揺らす。
「なんや!?」
ヒバチの木剣は【怒鎚】の衝撃で柄だけを残して砕けていたのだ。
「剣が無くても拳がっあっ痛って……なんやねん?」
頭をかきながら空を見上げるヒバチ。
「ポイントオーバー!990対1000でタタラ選手の勝利!」
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「なんでやねん!?なんもされてないやん!?」
私は無言で足元を指差した。素直にそれを見るヒバチの足元には私の放り投げた木剣の残骸が。
「えっ?最後のアレ……」
「そう、痛いって言ったやつ、アレ俺の投げた木剣」
「……」
[まさかまさかの逆転劇!!Aランク同士のこの戦い最後はなんと投げた木剣の残骸がヒットして試合時間終了3秒前にポイントオーバー、最後の一撃は狙ってやったんでしょうか?
途中、ヒバチ選手が注意でポイントを増やしてしまうというアクシデントもありましたが、終わってみると両者の武器が全損という大激戦でした]
「こんな無しやで!!もっぺんやり直ししようやマジで!!」
無理無理、絶対無理。
「あかぁーん!!」
危ねぇ、マジで負けるとこだった。つーか体中痛いし、内容は完全に負けてたけどね。まぁ勝てば良し、ということで。
つーか……あれ……痛みが引いて……なんだか……あっコレヤバイやつ……。
[観客席からのこのブーイングも無視してまだヒバチ選手は審判ともめています]
ピィッ!
ヒバチと審判の小競り合いを見守ること数十秒。
すでにヒバチのダメージポイントは700を超えた。
「兄ちゃんこのオッサンどうにかしてくれや!」
チッ。ついにこっちまで飛び火してきたか……。
「アンタ審判とやり合いに来たんすか?」
今にも審判に一撃かましそうなヒバチは一瞬あっけにとられた表情を見せ、すぐに我に返って私の方を向き直した。
「ちゃうわ!ちゃうちゃう!この試合勝たなぁアネゴにブチ殺されるんやった!危なっ!ちゅーか、ワイのポイントめっちゃ増えてるやんけ!!兄ちゃんぼけっと見とらんと早よ止めてぇなぁ」
軽口をたたきながら戦闘態勢をとるヒバチの目が徐々に鋭さを増していく。
「ホンマ恐ろしいやっちゃで」
その目つきはアクリスで今まで出会ったどの生物よりも殺気で満ちていた。私は気圧されそうになる心と体をなんとかふるい起こし、木剣をヒバチに向け真っ直ぐ構え。
「アンタがな」
「未体験ゾーンに連れてったる……わっ!!」
わっ!!と叫ぶと同時に一瞬で私との距離を詰めたヒバチ、突進というよりもはや瞬間移動の域であったが、さっきまでの戦闘でヒバチが直線的な攻撃で来ることは想定済みだったためヒバチの木剣が振り切られるより早く一歩前に踏み出し体当たり気味に距離を詰め、左手でボディブロウを狙ったが。
「ぅらっ!!」
「いっ!?」
ヒバチは私の左手を鷲掴みにして振り回すように投げ飛ばし、空いたスペースを木剣を振り上げながら猛スピードで突進してくる。
なんて乱暴な戦い方なんだこいつ!!
私は態勢を崩しながら木剣でヒバチの打ち下ろしの斬撃を受ける姿勢をとったのだが。
「受けんな!!かわせ!!」
女性の大きな声が観客席から聞こえた。今のはエヴァさん?そう思った瞬間、アイアンゴーレムの一撃を思い出すような衝撃を腕に感じた後、目の前が真っ暗になった。
[ヒバチ選手の打ち下ろした渾身の一撃が、態勢を崩しながらガードに突き出したタタラ選手の木剣を真っ二つにへし折り、そのまま脳天に直撃したぁぁ!!
そしてそしてヒバチ選手の猛攻は続きタタラ選手を容赦なく蹴り飛ばし、得意の突進で追いかけながらの斬撃で叩く!叩く!叩くぅぅ!!
その度にタタラ選手は右に左に弾き飛ばされてサンドバッグ状態だ!!二つに折れた木剣をしっかりと片方づつの手に握りしめてはいますがこれは意識があるんでしょうか?
600近く開いたポイントは一瞬で140ポイント差まで縮まっている!このままヒバチ選手の逆転勝利となってしまうのか!?
さっきまでのブーイングの嵐から一転、この凄惨な状況に観客席は静まり返っています。おや?ここで審判が何か……タタラ選手の……意識があるか気にしているようなそぶりをしています、このまま試合終了もあるかもしれません。
なおも続くヒバチ選手の猛攻!ここでついにタタラ選手ダメージポイントが810に!]
私は今、真っ暗な闇の中をぐるぐると回る夢を見ていた。ぐるぐる回りながら壁にぶつかるたびに激痛が走る。
ぐるぐるぐるぐる、バチン。
ぐるぐるぐるぐる、バチン。
もの凄く痛いのに声は出せない。
そう私は今、洗濯の脱水にかけられているヌイグルミになった夢を見ている。
ああ、早く終わらないかなぁ。
「……タ……」
遠くで誰かが、呼んでいるような。
「……ィン……」
いや、確かに誰かが呼んでいる。
「……タラ……」
誰か知らないけど待ってよ、今終わるからさ。
「タタラ!!」
……この声は。
「フィィィィィン!!」
つーか。
「終わっちゃダメでしょうが!!」
『おおおおおおおおおおお!!』
[ピンボールのように弾き飛ばされ続けていたタタラ選手!急に踏み止まり強烈なカウンターをヒバチ選手の顔面に叩き込んだ!!残り時間は3分!いったいどういう決着になるのか!?]
夢の世界から舞い戻った私の眼前で、ヒバチが膝をついていた。
今、私、何かした?
ダメージポイント確認すると、いつの間にか私が840、ヒバチが780……そういえば全身がやたら痛むし、特に頭が……恐る恐る指先で確認すると血が滝のようにとまではいかない程度に流れた。
痛い。
それに両手に装備されている真っ二つの木剣……あのガードした一撃はどうやら木剣を叩き折って私の頭に打ち込まれそのまま意識が飛んでいたようだ。
「帰って来たんかい、丈夫なやっちゃのう」
つーかあの恐い夢はお前のせいかこの野郎!
「おかげ様でいい夢見れたよ」
「ほんなら、もういっぺん見せたるわ!」
私は短くなった木剣を使い二刀流でヒバチと対峙する。
「続きはアンタに譲ってやるよ!!」
ヒバチは飛び上がるように起き上がり、右から木剣を振る。私は右手の木剣の残骸で振り切る前のヒバチの腕を叩き、左手の木剣の残骸でヒバチの左肩を打ちつけた。ちなみにここからは木剣の残骸も木剣と言うことにする。
「そんな、ゴミで打たれても効かんで!」
そうは言ってもしっかりポイントは20入っている。
私はヒバチ劇場に付き合うことなくバックステップで距離を開けると、案の定ヒバチは突進してきたので、左手の木剣を投げつけた。
突然の飛び道具をヒバチが足を止めて打ち払った瞬間、私はガラ空きの胴体を右手に木剣で叩くと。
「うぐっ」
どうやら完全に隙をつけばゴミで叩かれても効くらしい。
残り時間は僅か。今のポイントは40。
私がスクリーンに一瞬目を離した隙にレーザーのようなヒバチの突きが私の腹部に放たれたがギリギリで体を捻りかわし、左拳でヒバチの腕を叩いた。
しかし、そんなのまったく効かんと言わんばかりに突き出した木剣を振ってきた、なんとか右手の木剣でそれを受けるもさすがヒバチの一撃、受けた木剣ごと私に叩きつけてきた。
威力は充分に殺しすことができたがヒバチはすでに次の攻撃動作に入っている。
「終いや」
ヒバチの目が今日一番鋭く光る
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木剣をゆっくりと振り上げたヒバチ。
何が終わりだ、これなら距離をとってかわせる。そう思ったのだが、ゆっくりに見えたその動作は実際は私の反応速度をはるかに超えて行われおり、その事に気付いた次の瞬間。
振り上げられた木剣は残像を残し消えた。
さっき私の意識を刈り取った攻撃よりもはるかに早く強烈な一撃。
脳裏に【死】がよぎった瞬間。
私は右手の木剣を突き上げた。
少しだけ角度をつけて突き上げられた木剣に当たった【怒鎚】は木に落ちた雷の如く手の中の木剣を真っ二つにして私の右手の指を3本へし折りながら地面に突き刺さり粉塵を巻き上げながら爆発音を上げた。
咄嗟の自分の行動に驚きながら強打を地面叩き込んだヒバチの隙を見逃さず、砕けた木剣を真上に放り投げ、指の折れた手を握り締め。
「アーツ【四四連(もどき)】!!」
右と左合わせて4発を叩き込み、この瞬間ポイントは990対990残り時間は10秒。
「1発どついてワイの勝ちや!!」
四四連(もどき)を打ち終わりで隙ができた私に、ヒバチが叫び地面に打ち込んだ木剣を振った。
ウチワであおいだような風が私の髪を揺らす。
「なんや!?」
ヒバチの木剣は【怒鎚】の衝撃で柄だけを残して砕けていたのだ。
「剣が無くても拳がっあっ痛って……なんやねん?」
頭をかきながら空を見上げるヒバチ。
「ポイントオーバー!990対1000でタタラ選手の勝利!」
『わぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』
「なんでやねん!?なんもされてないやん!?」
私は無言で足元を指差した。素直にそれを見るヒバチの足元には私の放り投げた木剣の残骸が。
「えっ?最後のアレ……」
「そう、痛いって言ったやつ、アレ俺の投げた木剣」
「……」
[まさかまさかの逆転劇!!Aランク同士のこの戦い最後はなんと投げた木剣の残骸がヒットして試合時間終了3秒前にポイントオーバー、最後の一撃は狙ってやったんでしょうか?
途中、ヒバチ選手が注意でポイントを増やしてしまうというアクシデントもありましたが、終わってみると両者の武器が全損という大激戦でした]
「こんな無しやで!!もっぺんやり直ししようやマジで!!」
無理無理、絶対無理。
「あかぁーん!!」
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