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変貌
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「お前んとこのギルドマスターはいったいどうなってるんだよ」
「カカカ……知らんがな、あんな姉御は初めて見たわ」
逆立った真っ赤な毛を炎のように揺らめかせ、両手の爪はナイフのように伸び、もはや獣人というより怒れる猛獣の様相のである。
「殺ス、殺ス、コッコッコロ……」
おぼつかないロレツで殺す殺すと連呼しながら、獲物に飛びつこうとする獣の如く前傾姿勢をとるイオタ。
「来るぞ!!」
「おう!!」
「殺ス!!!」
身構えた私とヒバチだったが、まるで赤いレーザービームのようなイオタの突進に反応すら出来ずに鋭い爪で腕や腹部を切り裂かれた。
「グッア!?マジかいな!!」
「クッ!どこに行った!?」
「後ろや!!」
振り返ると後方で闘技場の壁に張り付いたイオタが再度こちらに飛びつこうとしていた。
「やらせるか!!【飛剣】」
振り切った赤ミスリルの剣のから放たれた衝撃波が壁を蹴り飛び出したイオタに直撃したがまるで小虫でも払うかのように片手で簡単に振り払われた。
「なっ!?」
そのまま突進の勢いを弱めることなく一直線に私に飛びついて来たイオタの突き出した鋭い爪をなんとか剣で受け止めることができたが。
「なんだこの……パワーは」
「ロス……コ……ロス」
イオタのパワーはすさまじく、剣で受けている私は足で地面に2本の線を引きながら後ろに押し込まれていく。
このまま壁際まで追い込まれたらまずい、状況を打開するべくスキルか魔法で応戦したいところだが一瞬でも力を弱めたらあの爪の餌食になってしまう為メニューウインドウも開けない。
「喰らえや!!」
叫びながら飛び上がったヒバチが私を押し込むイオタに金棒を振り下ろした、がイオタは素早く身を翻し距離をとった。
その瞬間、ほんの一瞬だけ、イオタのジャンプスーツの開いた胸元で何かが光った。
「気ぃ抜くなやタラちゃん」
「……見たか?」
「何をや」
「胸の谷間のところ」
「こんな時に何興奮してるんや!!何プレイフェチやねん」
「そういうんじゃねぇっつーの!!胸に石が……」
「石?……姉御のでか乳があるだけで何も見えへんで」
確かに今は胸の谷間に隠れて何も見えないが、もしさっき見えたのが……。
「考え事は後や!!」
イオタが両腕を開きながらこちらに近づいて、そして。
「消えっ!?」
「上や!!」
私の頭上で鋭い爪を振り下ろすイオタ。片手剣スキル【刃流し】今度は受け止めずに受け流す。
その勢いのまま地面に着地したイオタは瞬時に態勢を立て直し左右から高速で爪を振り回す。
「殺ス!殺ス!殺ス!コロス!!」
私は後ずさりしながら連続で【刃流し】を発動し続けるも、イオタの手数が圧倒的に上回りバトルフォースジャケットごと私の肉を切り裂いていく。
「くっ!何で俺ばっか……狙ってくるんだ」
「せやで!コッチも忘れんなや!!」
ヒバチが叫びながら金棒を振り回すもイオタは躱さずに片手で受け止めてみせた。
「なんや!?グッ、ピクリともせえへん!!」
助かったけど、黙って殴ればいいのになんでコイツはいちいち叫びながら攻撃するんだよ!
「来いベルググ!!」
赤ミスリルの剣がベルググに変わった瞬間即座に両手剣スキル極地【逆鱗】ゼロ距離で突き出した漆黒の大剣が龍の形の衝撃波を纏いイオタを吹き飛ばす。
「大丈夫か」
「見えたで」
「何が?」
「胸んとこの、あれは……魔石やった」
やはりそうか……。
「イオタは……血の魔石を埋め込まれて狂獣人になってしまっている」
「バーサカ?もしかしてアレか理性ぶっ飛んで人を襲うっちゅーやつか?」
「ああ……」
しかし、私の聞いていたイメージだと血の魔石を埋め込まれたらすぐに狂獣人化すると思っていたのだが……ついさっきまでイオタは普通……とは言えないがある程度理性を保っていたように見えたの。
いったい、いつ、血の魔石を埋め込まれたのだろう。
「魔石のおかげであんなパワーアップしたんか……」
「パワーアップしたかどうかはわからないけどって?ヒバチ?」
「タラちゃん、オモロイこと思いついたで。ちょっと時間稼ぎしとってくれへん」
何を思いついたのか、ヒバチはズボンのポケットに片手を突っ込んで何やらニヤニヤしはじめた。
「悪い予感しかしないんですが……」
「ワイの鋭い直感がビリビリっときたで!!魔石ぶっさすのは痛そうやから、こうしたらワイもパワーアップや!!」
そう叫びながらポケットから取り出した、黒い石。そう【戦鬼ヴィザルの魔石】をヒバチは高らかと掲げてから。
「ウグッ!?ゴェッ……グッウェッ……」
……飲み込んだ。
「ウグッウ……ゥエォッ……」
……訂正、飲み込もうともがいている。
「馬鹿かお前!!吐き出せ!ど阿呆!!」
涙目のヒバチは片手で口を押さえながら、もう片方の手で私の後方を指差した。
振り返ると【逆鱗】の衝撃波で闘技場の壁まで吹き飛ばされたイオタが無傷でこちらに近づいて来ていた。
どうやらこの阿呆はマジで飲み込むまで時間稼ぎさせようしているらしい。
「チッ!大変不本意だが少しだけ時間稼いでやるから結果を出せよ」
大粒の涙をこぼしながらヒバチはグッと親指を立てた。
グッ!じゃねぇよクソが!!飲み込んだところで腹壊して終わりだっつーの。
半ばヤケクソ気味に時間稼ぎを決意した私はアイテムボックスから取り出した魔法薬をがぶ飲みして。【ハイパーヒール】で回復。武器を魔導散弾銃に持ち替え散弾【ミスリルバードショット弾】を装填。
「ああクソッ!何でこんなんばっかりなんだよ俺の異世界生活は」
私のせいなのかそれともこの世界だからなのか、一歩間違えれば死んでしまうようなトラブルに定期的に見舞われている自分に少し嫌気がさしてきた。
「見せてやるよ赤髪ババァ!(AQURIS online)ヘビーユーザーの本気見せてやる!!戦陣【振子】」
まだイオタとの距離があるうちに魔導散弾銃を構え、イオタの右側に向け発砲。
素早さの高いイオタは当然のように左に横飛びで躱すわけだが、飛距離こそないが約100発の粒状のミスリル弾が広範に広がるバードショット弾を躱す動作は大きくなるため、あらかじめ予測した着地点よりやや左手に向かい発砲。
寸前で右に横飛びで回避するしたイオタの右を狙い発砲……右、左と間髪入れず魔導散弾銃から放たれるミスリルバードショットを回避しながら私との距離を徐々に詰めてくるイオタ、装填したミスリルバードショットは残り2発というところで回避の着地点をあえて狙って撃っていた発砲のタイミングをずらし銃スキル【連射】【魔弾(スタン)】わずかに銃口をずらしながら連続で放たれた銃弾はイオタの回避範囲を超えた広範に200のミスリルの粒を飛ばしその何発が高速で動くイオタを捉え【魔弾(スタン)】の電撃で拘束し一瞬動きを止める。
そのすきを見逃さず、私は一歩前に踏み込み武器スキル【ブルーム】空の銃身に込められたオーラが放射され魔弾(スタン)で動きを止めたイオタを吹き飛ばす。
「来い!ベルググ!」
アイテムボックスに引き戻された魔導散弾銃の代わりに漆黒の大剣ベルググが手の中に現れた直後、両手剣スキル秘境【飛断剣】鋭さを持った特大の衝撃波が【ブルーム】に飛ばされて着地したばかりのイオタを闘技場の壁まで押し戻す。
局部切断も出来る【飛断剣】だが、レベル400を超えるイオタの守備力を上回ることは出来ない。まぁ、わかっていたことではあるけど。
振り出しに戻しただけに見えるが今の攻撃で確実にHPを削ることは出来たはずだ。
この戦陣【振子】は猪突猛進型の敵を引き寄せ、押し戻すを何度も繰り返し相手の体力を時間をかけて奪い続けるハメ技的な連続攻撃だ。ちなみ、大き過ぎたり重過ぎたりする相手には通じないが人程度の大きさで吹き飛ばし可能な相手であればごらんの通りではあるが……問題は次の攻撃である。
「殺す」
たいしたダメージを受けた様子もなく起き上がるイオタだが【ブルーム】とベルググの【飛断剣】が直撃したのでさすがにHPの10パーセントくらいは削れた……はずだ。
確証はないまま大丈夫だと自分に言い聞かせてメニューを起動し装備お気に入り3 、ベルググからブルームに換装。撃ち切った銃弾を補充、最初にバードショット1発とミスリルスラッグ弾を4発装填。
「来いイオタ!!戦陣【振子】!!」
この戦陣【振子】はバードショット弾の攻撃力の低さがバレると弾幕お構いなく突進されてしまう傾向にある、そこで最初の1発だけバードショットを放ち次はスキル【連射】【魔弾(スタン)】で攻撃力の高い単発弾ミスリルのスラッグを突進してくるイオタに全弾打ち込む。
受けながら突進する想定の銃弾に予想外の攻撃力を発揮され驚きさらに【魔弾スタン】に拘束。そこに先程と同じようにブルームからのベルググを呼びの【飛断剣】また壁際まで押し戻すことに成功した。
ところで後ろのヒバチはというと。
「うっ、ゴッフ……グエッ……」
まだ悶えている。
さて、ここからが問題なのだが、どうでもいいから早くしてくれよヒバチ。
ブルームから発射される銃弾の攻撃力を知った相手が次にとる行動は、最初と同じ回避行動よりも2回目の突進の場合が多い。それも魔導散弾銃から発射される弾丸の最大攻撃力を想定しての突進だ。さらに連続食らったスタンの効果が徐々薄くなっているのもバレていると思うと、さらに強い銃弾でもあればいいのだが、さすがにミスリルスラッグ以上の銃弾はない。
つまり次は。
「目の前まで来られたら接近戦だ」
とりあえず今のところはイオタが魔法やスキルを使ってこないのが救いだ、おそらくファイヤーウォールを維持しているため他の魔法が使えないのだろう、と予想はしているが、もしイオタが魔法やスキルを使い始めたら。
いやな想像を打ち払うように魔導散弾銃を構える。
「ゴロズッ!!ゴロッ殺ス!!」
圧倒的な殺意を吐き散らし、同じような突進をしてくるイオタだったが今回は当然のように弾幕を振り払い、一気に私との距離を詰めてきた。さぁここが正念場だ、ベルググを呼び両手剣スキル極地【逆鱗】突き出した漆黒の刃が纏った龍をかたどった衝撃波が一直線に向かってきたイオタを飲み込み激しい爆音とともに三度闘技場の壁際まで押し返す。
判断ミスの許されない緊張感の中、連続攻撃をしていた私は疲労から肩で息をし始めていたが、【逆鱗】を直撃させさすがにしばらくは起き上がれないだろうと少しだけ安堵したのだが、爆風が立ち上げた砂埃の中から難なく起き上がるイオタを見て驚愕した。
コイツは私の想定よりも遥かにダメージを受けていない。
「ヤベェかも、この状況」
スキルの電磁誘導弾を混ぜて銃撃で行くか?いや、貫通力はあるがチャージタイムがかかりすぎる、連射になれた敵ならなんなくかわされてしまうか、その間距離を詰められてしまう、そうなると……。
私が次の作戦を考察していると左右で入場口を塞ぎ燃え盛る【ファイヤーウォール】が消えた。
これは逃走のチャンスだと喜べたのはほんの一瞬だけで、イオタの放った魔法に戦慄する。
「火魔法【点火】」
私でも扱える火魔法の初期魔法にして、文字通り点火程度の威力しかない最弱のはずの魔法は、まるで炎の矢の如く私の横を通過し壁にぶつかり爆発。その爆発により崩れた壁が入場口を塞ぎ、その突然の出来事にあっけにとられていると、反対側から爆発音が響き振り向くと対面の入場口も完全閉鎖された。
「殺ス!殺す!!コロッス!!!」
マジか……闘技場の壁は軽く見て5m以上。
出入り口が一切無くなった閉鎖空間に猛獣と化した狐人と馬鹿で阿呆で足手まといの半鬼人と私。
私に残された選択肢は戦って勝つしかないのだが、戦陣【振子】でHPをまったく削れない相手をどうすれば良いのやら。【鳥籠】も遠距離攻撃持ちには効果を発揮出来ないし……アレも……ダメ……そうだ!ベルググの暴食を発動し続けて魔法薬を飲みながら逃げ回るか!?いやダメだ……絶対、半鬼人が真っ先に死ぬ。
「うゴッホ……アガッ……ウップ」
……私はなぜコイツを助けに来たのか、もう思い出せない。
そんな時、ふいに誰かに言われた「スキルに頼りすぎている」という言葉がよぎった。誰に言われたんだっけ……えっとぉ……って、それは今はまったく重要ではない。
ギルド交流戦を通じて得た剣術の基礎とスキルを組み合わせたら……。
「もしかし……面白いんじゃね?」
何か、新しい何かを生み出せそうな予感が電撃の如く全身を走り、身震いしながら思わず口元が、笑う。
「コロ……ッス、殺す!!」
警戒心を強めて距離をとっていたイオタが聞き飽きたセリフを吐き散らし突進を開始、その瞬間を見逃さず私は戦陣【振子】の初期動作を開始。
しかし、完全に銃撃に慣れたイオタは両手を振り回しながら銃弾を弾き衝撃波を放つ武器スキル【ブルーム】も火魔法【イグニッション】で相殺し私に爪が届く距離まで詰め寄る。
私はとっさに魔導散弾銃を両手で握り。
「来い……ベルググ」
手の中の銃が漆黒の大剣に変わる感触を感じながら、素振りの日々を思い出し上段に構え、突進してくるイオタ目掛け振り下ろす。
その斬撃はヒバチの【怒鎚】には見劣りするものの鋭く、早く。さらにベルググの攻撃力も加わり乱発していた銃弾やスキルを上回る脅威……にイオタには見えたのだろう。イオタは飛び上がるように後ろに下がり距離をとった。
「両手剣スキル……」
奥義【龍剣】後ろ飛びで着地寸前のイオタ目掛け漆黒の大剣を突き出し、大きく踏み込んだ一歩目からオーラが爆破する推進力を得て超加速。一瞬にして刀身から龍をかたどったオーラに包まれた私はその勢いのままイオタに突進。今後はイオタに噛み付いた龍の衝撃波を纏ったまま突進し続け、どんどん加速しながら闘技場の壁まで走り続ける。
「ビッ!火魔法【フレイムスロウ】!!」
龍の衝撃波に飲まれながらイオタの放った反撃の【フレイムスロウ】は【フレイムフィールド】でイオタもどきが放っていたそれとは火力も範囲も全く別次元の威力の火炎放射だった。
あっ……やっべ。内側から焼かれる龍の衝撃波を目撃しながら私は咄嗟に、無意識的に。
両手剣スキル【飛剣】地面に足を突き刺すように急ブレーキし突き出した剣を振り、今にも爆散しそうな龍の衝撃波を飛剣の衝撃波で切り離しイオタに叩き込む。
燃え盛る炎の龍はイオタを飲み込んだまま闘技場の壁の一部を轟音を響かせ吹き飛ばた。
私は飛び散る壁の破片を見ながら次の攻撃動作に移る。雷魔法【サンダー】
装備お気に入り1、漆黒の大剣が消え二振りの剣が手に現れ、片手剣スキル極地【オロチおろし】石片と火の粉が飛び散る粉塵の中に突撃した私の二振りの剣が8つ軌跡を粉塵に刻み、その全てに敵を切った手ごたえを感じながら後ろ飛びで粉塵から脱出。
ガラガラと石壁が崩れる音を聞きながら腰の鞘にオロチの牙の小太刀を納めアイテムボックスから取り出した魔法薬を一気に飲みし、ほとんど尽きかけていたOPを回復しながら、上空で響く雷鳴を聞いた。
「貫け……【サンダー】」
青白い閃光が、粉塵の中央に飛来。次の瞬間、地面に突き刺さった雷の衝撃波がさらなる粉塵を闘技場内全体に運び砂煙で数秒視界が途切れた。
この猛攻でさすがのイオタも大ダメージを負ったと確信した私は、ほんのりと甘い砂糖水のような魔法薬を3本飲み干したところでOPを完全回復させることなく、半鬼人の方を振り向き歩き出そうとした。
「炎ヲ……マナ……喰ライ……ノ全……」
近距離で響いた爆音の雷鳴のせいで唸る耳鳴りの奥で、かすかに聞こえた女性の声。
その声に振り向いた私の目に映ったのは、マグマのような瞳に狼のように大きな口、炎のような赤体毛に全身を包まれた二股の尾を持つ怪物が片手をこちらに突き出している姿だった。
「……滅ッス破壊ノ炎トナレ!火炎魔法【炎撃波】!!」
赤い閃光が視界を覆い、思わず目を閉じた。
「グアああああああァァァああああ!!!」
全身を蜂に刺されたような激痛が襲う。
いや、違う!これは!燃えている!私の体が燃やされているんだ!!
炎の指輪の効果で火に対する恐怖というものが希薄になっていた私には衝撃的な熱さ、いや痛みだ。
痛すぎると感覚が麻痺するというがそんなのは嘘だ。全身の皮膚からどんどんと内側に深く何万、何十万もの針がゆっくりと刺さっていくような、まるで拷問を受けているかのような激痛に意識が飛びそうになる中、必死に指を動かしウインドウをスクロールして、回復魔法【ハイパーヒール】【ハイパーヒール】炎に焼かれ続ける私の体を癒しの光が包み焼け消えた表皮を再生するが、灼熱の光はまだ消えない。
いつ終わるかわからない灼熱の閃光に自我が崩壊し発狂しそうになったが、すんでのところで少しずつ熱が引いていくのを感じた。
回復魔法【ハイパーヒール】【ハイパーヒール】なんとか正気のうちに再度回復をすることに成功した私だったが……正直、戦えるような精神状態ではなかった。
地球からこのアクリスにやってきて何度か死の淵に立った時はあった……だが、アクリスで得たこの体で感じる痛みは地球のころと比べて弱く、例えば剣で裂傷を負わされても紙で指を切ってしまった程度の痛みしか感じなかったし、殴られたり蹴られたりしても(エヴァさんとリアスのものは除く)よそ見をして物にぶつかってしまった程度の痛みで我慢出来ないというような痛みを感じることはほとんどなかった。
だが、今の炎は違う。
今まで体感したことない恐怖と激痛。
今のをもう一度されたら……もう一度!?そんなの……。
「火ヲ司ルマナヨ我ガ波動ヲ喰ライ……」
やめろ。
「……集イ火法二宿リ……
「やめろおおおォォ!!!」
私はイオタに突進して一心不乱に剣を振った。当たっているかどうかなんて関係ない、さっきの炎の魔法さえ防げれば、ただただその一心で剣を振り続け。
「グホッ……」
腹に衝撃が走り、何がズブズブっと音を立てながら、私の中に侵入していくのを感じた。
「……」
「しッ……しし、死ッネ!!」
「ギャァァアアアアアア!!!」
イオタの鋭い爪が私の腹に突き刺さり、貫通した。私は突き刺されたまま持ち上げられ。
「【火爪】」
スキルで突き刺さった爪が灼熱の炎を纏った。
「ィギャァァアアアアアア!!!」
イオタは、痛みに絶叫しながら足をばたつかせる私の傷口が炎を吹き上げたのを見て、少しだけ勢いをつけて投げ捨てた。
はっきり言おう、爪が抜ける瞬間が最強に痛い。
私の意識はもはや風前の灯。意思を失えば確実に火葬されてしまうだろう、というか、もうすでに先ほど魔法詠唱が聞こえている。
もう無理だ。
すまんリアス、マロフィノ。私はここまで
「すまんのう」
そうやすまんのうリアス、マロフィノ。私はここまでやで……ってなんで西っぽい言葉になっとんねん!?
「って!ヒバッヂッブホッ……グハ」
「大丈夫かいな!!タラちゃん!!誰か回復って、自分でせぇや!!」
なんだこの野郎!!死にそうな人に向かってなんたる暴言、つーか私はその西っぽい言葉感染りやすいからちょっと抑えてくんない?って、じゃなくて、そんなことより。
「ヴッ……シ……ォ……」
「えっ!?なんやの?オシッコ!?」
「……法二宿リ力ヲ与エ我ガ……」
「つーかブツブツブツブツうるさいねん姉御!!」
何が起こっているのかわからないが、どうやら復活した半鬼人がイオタの追撃を抑えてくれているようだ。この隙に急いで回復魔法をかけ体力を回復した私は、なんとか起き上がったものの、血を流しすぎたせいだろう体がもの凄く重い。
「タラちゃん大丈夫かいな」
「ああ大丈夫だ、膝が笑うし全身に力が入らないし目が霞んじゃいるけど」
「ワイはその状態を大丈夫とは言わんけど、本人が大丈夫言うんやったら大丈夫なんやろ」
フラつく私の前に立つ身長2m近い上半身裸の長身の金棒を持った男、少しだけ赤みを帯びた黒っぽい肌に覆われた鎧のような筋肉、切れ上がった目の奥の黄金の瞳、その瞳の前で揺れる腰まで伸びる長い白い髪をかき分けるようにコメカミから生えた漆黒の短剣のような角。私はてっきりヒバチが復活したと思ったのだが勘違いのようだった。
「あっすみません、知人だと思って勘違いしてました、助けていただいて
「何いうてんねんタラちゃん!!ワイや!ヒバチやで!!」
「はぁ?」
「はぁ?やあらへんがな、血ぃと一緒に記憶もぶっ飛んだかいな」
確かに声も顔つきも似てるような気がするが、私の知っているヒバチはもっと……って、 解析すればいいじゃん。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 ヒバチ
【 レベル 】 182
あっヒバチだ。レベル182か結構すげぇなぁ……って!!?
「おい!お前まさか!」
「やっと気づいたんか、まぁそれも仕方ないで魔石の力でワイは」
ヒバチは自慢気に笑い。
「背が伸びたんや!」
「ああそう、良かったな」
説明してやるのも面倒くさいので後で鏡見て驚け。まぁ後があればの話だけど。
「ところでイオタは?」
「姉御は客席の方までぶっ飛ばしたで」
マジかよ……えっ本当にパワーアップしたのコイツ?
「てことは、今のうちに瓦礫どけて逃げれんじゃん」
「ああ!すまん!入場口の瓦礫ぶっとばして穴開けてもうたで」
「仕事早っ!ではさっそく逃げましょう」
「せやな!」
いかれたヒラメキが奇跡的に成功したヒバチは、信じられないほど身体能力が向上していた。フラフラと走る私を肩に担ぎ上げ一目散に口を開けた入場口に向かって走って行いく。
これでこの地獄からようやく。
「ウソやろ……」
ヒバチは言葉を失い立ち止まり、私をおろした。その理由は入場口の前で仁王立ちする炎の化身と化したイオタの姿があったからだ。
「タラちゃんの攻撃あんだけ食らって、ワイの全力連打全部受けて、なんでまだ起き上がって来れんねん」
「ガゥゥウウウウゥゥ」
もはやイオタは理性も知性も失い、獣ですらなくなり、殺戮を行うだけの存在へと変貌していた。
私はメニューウインドウから装備お気に入り2を選択し魔導散弾銃を装備しミスリルスラッグ弾を込めフラつく足に力を込めて構えた。
「やるしかないんかい」
戸惑いながらヒバチも身構えた瞬間、イオタの目が燃え上がったように光った。すると徐々に闘技場の温度が上昇し気がつくと火の海に飲み込まれていた【フレイムフィールド】だ。
「またかいな!」
「ビビるな、なんだろうとやることは変わらない」
「せやな、ってタラちゃん後ろ!」
後方で燃え上がった火の海から現れたのはイオタというよりも炎の悪魔のような姿をした者だった、そいつが放つ【フレイムスロウ】に対応するべく振り返りながら私は雷魔法【イグニッション】を放ったが完全に火力負けし左半身を焼かれ皮膚が焦げる。
「あ゛ァァァじぃぃぃっ!!」
回復魔法【ヒール】。激痛に身動きが取れなくなる前に急いで回復をする。
本来なら発動するはずの常時スキル【警戒】が機能しないフレイムフィールド内でのイオタの【フレイムスロウ】、おそらくフレイムスロウとは言っているがフレイムフィールドの炎が集まって放出されているようだからフレイムスロウもフレイムフィールドの一部ということで認識していない攻撃に該当しないためで【警戒】が発動しないのだろう……。
クソッ、厄介すぎる。ヒバチがいなきゃ文字通り火ダルマになっているところだ。
「タラちゃん、ホンマヤバそうやで、火力がさっきと桁違いや」
「ああ」
「パワーアップで手間取っておいて悪いんやけど、今のワイでもあの火力はアウトやで」
ヒバチの顔を流れる汗は熱さからくるものだけではないようだ。かくいう私もそうなのだが。
「今の全身が炎に包まれたイオタは放つ雰囲気が別格にヤバすぎる、それに俺は長期戦はもう無理だ……だから」
「だから?」
「一撃離脱する!ついて来い」
「乗ったで!!」
作戦はこうだ。
私がベルググの龍剣でフレイムフィールドを蹴散らしながらイオタに突撃、その後ろからヒバチが追走、そして、龍剣とイオタが衝突した瞬間ヒバチが飛び出して再度観客席まで吹っ飛ばして逃げ去る。というものだった。
「来い!ベルググ」
手の中に漆黒の大剣が現れた。
『今日は大忙しだなって、おいおいタタラお前、死にそうじゃねぇか』
うるさい黙ってろ、視界はボヤけるし立っているのがやっと、ベルググの言う通り本当に死にそうだ。
だが私は……。
「帰るぞ……」
「なんて?」
「なんでもねぇ……行くぞ!!」
「ブチかましたらぁ!!」
両手剣スキル奥義【龍剣】剣を突き出し残った力を全て込めて走り出した足がオーラの爆発の推進力を得て加速
「グオォォォォォォォォォォッ!!」
両腕を大きく広げ身を乗り出すようにしてイオタが吠えた瞬間だった。
火の海が渦を巻き私達の周りに集まり、数十体の炎の悪魔が放つフレイムスロウが灼熱の炎の渦となって私達を飲み込んだ。
「グァァァアアァァァァァ!!」
「ギャァァァァァァアァァ!!」
『【獄炎嵐】』
炎の嵐に飲まれた私は、サタンに殺された時と同じ闇に飲まれていくのを感じながら、アクリスの日々の走馬灯を見ていた。
マロフィノの成長をもっと見守りたかった。
もっとアクリスという世界を旅したかった。
お世話なった人達に恩返しをしたかった。
リアスのランクが上がるようにもっと……もっと……
『待っておるからな!!絶対戻って来るんじゃぞ!!』
消えかけた意識に、別れ際のリアスの言葉が響きわたる。
「い…ま……帰り…ます」
この後、私のとった行動は何か狙いがあってしたわけではなく、それしか、ただ呟くことしかできなかった、ただそれだけの理由であった。
「喰ら……尽…せ…ベルグッ……」
『【暴食】』
私の意識はここで一度途絶えた。
次に意識が戻った時、私は仰向けで口に回復薬の瓶を3本つっこまれた状態で、漆黒の長い髪を揺らしながら腕を組みイオタを睨む我等がギルドマスターの声を聞いた。
「安心しろ、1分たっても起き上がれなかったら痛くないように一瞬でとどめを刺してやるから」
いや、確かに全身の痛みでもう一度気を失いそうなくらい辛いですが、それを聞いて安心するヤツいるんすか!?
さらにエヴァさんが乱入し戦況がさらに変貌したこの戦い、私の命の危機はさらに危険度を増した。
「だっ誰か……わっワイにも……回復薬を……」
「カカカ……知らんがな、あんな姉御は初めて見たわ」
逆立った真っ赤な毛を炎のように揺らめかせ、両手の爪はナイフのように伸び、もはや獣人というより怒れる猛獣の様相のである。
「殺ス、殺ス、コッコッコロ……」
おぼつかないロレツで殺す殺すと連呼しながら、獲物に飛びつこうとする獣の如く前傾姿勢をとるイオタ。
「来るぞ!!」
「おう!!」
「殺ス!!!」
身構えた私とヒバチだったが、まるで赤いレーザービームのようなイオタの突進に反応すら出来ずに鋭い爪で腕や腹部を切り裂かれた。
「グッア!?マジかいな!!」
「クッ!どこに行った!?」
「後ろや!!」
振り返ると後方で闘技場の壁に張り付いたイオタが再度こちらに飛びつこうとしていた。
「やらせるか!!【飛剣】」
振り切った赤ミスリルの剣のから放たれた衝撃波が壁を蹴り飛び出したイオタに直撃したがまるで小虫でも払うかのように片手で簡単に振り払われた。
「なっ!?」
そのまま突進の勢いを弱めることなく一直線に私に飛びついて来たイオタの突き出した鋭い爪をなんとか剣で受け止めることができたが。
「なんだこの……パワーは」
「ロス……コ……ロス」
イオタのパワーはすさまじく、剣で受けている私は足で地面に2本の線を引きながら後ろに押し込まれていく。
このまま壁際まで追い込まれたらまずい、状況を打開するべくスキルか魔法で応戦したいところだが一瞬でも力を弱めたらあの爪の餌食になってしまう為メニューウインドウも開けない。
「喰らえや!!」
叫びながら飛び上がったヒバチが私を押し込むイオタに金棒を振り下ろした、がイオタは素早く身を翻し距離をとった。
その瞬間、ほんの一瞬だけ、イオタのジャンプスーツの開いた胸元で何かが光った。
「気ぃ抜くなやタラちゃん」
「……見たか?」
「何をや」
「胸の谷間のところ」
「こんな時に何興奮してるんや!!何プレイフェチやねん」
「そういうんじゃねぇっつーの!!胸に石が……」
「石?……姉御のでか乳があるだけで何も見えへんで」
確かに今は胸の谷間に隠れて何も見えないが、もしさっき見えたのが……。
「考え事は後や!!」
イオタが両腕を開きながらこちらに近づいて、そして。
「消えっ!?」
「上や!!」
私の頭上で鋭い爪を振り下ろすイオタ。片手剣スキル【刃流し】今度は受け止めずに受け流す。
その勢いのまま地面に着地したイオタは瞬時に態勢を立て直し左右から高速で爪を振り回す。
「殺ス!殺ス!殺ス!コロス!!」
私は後ずさりしながら連続で【刃流し】を発動し続けるも、イオタの手数が圧倒的に上回りバトルフォースジャケットごと私の肉を切り裂いていく。
「くっ!何で俺ばっか……狙ってくるんだ」
「せやで!コッチも忘れんなや!!」
ヒバチが叫びながら金棒を振り回すもイオタは躱さずに片手で受け止めてみせた。
「なんや!?グッ、ピクリともせえへん!!」
助かったけど、黙って殴ればいいのになんでコイツはいちいち叫びながら攻撃するんだよ!
「来いベルググ!!」
赤ミスリルの剣がベルググに変わった瞬間即座に両手剣スキル極地【逆鱗】ゼロ距離で突き出した漆黒の大剣が龍の形の衝撃波を纏いイオタを吹き飛ばす。
「大丈夫か」
「見えたで」
「何が?」
「胸んとこの、あれは……魔石やった」
やはりそうか……。
「イオタは……血の魔石を埋め込まれて狂獣人になってしまっている」
「バーサカ?もしかしてアレか理性ぶっ飛んで人を襲うっちゅーやつか?」
「ああ……」
しかし、私の聞いていたイメージだと血の魔石を埋め込まれたらすぐに狂獣人化すると思っていたのだが……ついさっきまでイオタは普通……とは言えないがある程度理性を保っていたように見えたの。
いったい、いつ、血の魔石を埋め込まれたのだろう。
「魔石のおかげであんなパワーアップしたんか……」
「パワーアップしたかどうかはわからないけどって?ヒバチ?」
「タラちゃん、オモロイこと思いついたで。ちょっと時間稼ぎしとってくれへん」
何を思いついたのか、ヒバチはズボンのポケットに片手を突っ込んで何やらニヤニヤしはじめた。
「悪い予感しかしないんですが……」
「ワイの鋭い直感がビリビリっときたで!!魔石ぶっさすのは痛そうやから、こうしたらワイもパワーアップや!!」
そう叫びながらポケットから取り出した、黒い石。そう【戦鬼ヴィザルの魔石】をヒバチは高らかと掲げてから。
「ウグッ!?ゴェッ……グッウェッ……」
……飲み込んだ。
「ウグッウ……ゥエォッ……」
……訂正、飲み込もうともがいている。
「馬鹿かお前!!吐き出せ!ど阿呆!!」
涙目のヒバチは片手で口を押さえながら、もう片方の手で私の後方を指差した。
振り返ると【逆鱗】の衝撃波で闘技場の壁まで吹き飛ばされたイオタが無傷でこちらに近づいて来ていた。
どうやらこの阿呆はマジで飲み込むまで時間稼ぎさせようしているらしい。
「チッ!大変不本意だが少しだけ時間稼いでやるから結果を出せよ」
大粒の涙をこぼしながらヒバチはグッと親指を立てた。
グッ!じゃねぇよクソが!!飲み込んだところで腹壊して終わりだっつーの。
半ばヤケクソ気味に時間稼ぎを決意した私はアイテムボックスから取り出した魔法薬をがぶ飲みして。【ハイパーヒール】で回復。武器を魔導散弾銃に持ち替え散弾【ミスリルバードショット弾】を装填。
「ああクソッ!何でこんなんばっかりなんだよ俺の異世界生活は」
私のせいなのかそれともこの世界だからなのか、一歩間違えれば死んでしまうようなトラブルに定期的に見舞われている自分に少し嫌気がさしてきた。
「見せてやるよ赤髪ババァ!(AQURIS online)ヘビーユーザーの本気見せてやる!!戦陣【振子】」
まだイオタとの距離があるうちに魔導散弾銃を構え、イオタの右側に向け発砲。
素早さの高いイオタは当然のように左に横飛びで躱すわけだが、飛距離こそないが約100発の粒状のミスリル弾が広範に広がるバードショット弾を躱す動作は大きくなるため、あらかじめ予測した着地点よりやや左手に向かい発砲。
寸前で右に横飛びで回避するしたイオタの右を狙い発砲……右、左と間髪入れず魔導散弾銃から放たれるミスリルバードショットを回避しながら私との距離を徐々に詰めてくるイオタ、装填したミスリルバードショットは残り2発というところで回避の着地点をあえて狙って撃っていた発砲のタイミングをずらし銃スキル【連射】【魔弾(スタン)】わずかに銃口をずらしながら連続で放たれた銃弾はイオタの回避範囲を超えた広範に200のミスリルの粒を飛ばしその何発が高速で動くイオタを捉え【魔弾(スタン)】の電撃で拘束し一瞬動きを止める。
そのすきを見逃さず、私は一歩前に踏み込み武器スキル【ブルーム】空の銃身に込められたオーラが放射され魔弾(スタン)で動きを止めたイオタを吹き飛ばす。
「来い!ベルググ!」
アイテムボックスに引き戻された魔導散弾銃の代わりに漆黒の大剣ベルググが手の中に現れた直後、両手剣スキル秘境【飛断剣】鋭さを持った特大の衝撃波が【ブルーム】に飛ばされて着地したばかりのイオタを闘技場の壁まで押し戻す。
局部切断も出来る【飛断剣】だが、レベル400を超えるイオタの守備力を上回ることは出来ない。まぁ、わかっていたことではあるけど。
振り出しに戻しただけに見えるが今の攻撃で確実にHPを削ることは出来たはずだ。
この戦陣【振子】は猪突猛進型の敵を引き寄せ、押し戻すを何度も繰り返し相手の体力を時間をかけて奪い続けるハメ技的な連続攻撃だ。ちなみ、大き過ぎたり重過ぎたりする相手には通じないが人程度の大きさで吹き飛ばし可能な相手であればごらんの通りではあるが……問題は次の攻撃である。
「殺す」
たいしたダメージを受けた様子もなく起き上がるイオタだが【ブルーム】とベルググの【飛断剣】が直撃したのでさすがにHPの10パーセントくらいは削れた……はずだ。
確証はないまま大丈夫だと自分に言い聞かせてメニューを起動し装備お気に入り3 、ベルググからブルームに換装。撃ち切った銃弾を補充、最初にバードショット1発とミスリルスラッグ弾を4発装填。
「来いイオタ!!戦陣【振子】!!」
この戦陣【振子】はバードショット弾の攻撃力の低さがバレると弾幕お構いなく突進されてしまう傾向にある、そこで最初の1発だけバードショットを放ち次はスキル【連射】【魔弾(スタン)】で攻撃力の高い単発弾ミスリルのスラッグを突進してくるイオタに全弾打ち込む。
受けながら突進する想定の銃弾に予想外の攻撃力を発揮され驚きさらに【魔弾スタン】に拘束。そこに先程と同じようにブルームからのベルググを呼びの【飛断剣】また壁際まで押し戻すことに成功した。
ところで後ろのヒバチはというと。
「うっ、ゴッフ……グエッ……」
まだ悶えている。
さて、ここからが問題なのだが、どうでもいいから早くしてくれよヒバチ。
ブルームから発射される銃弾の攻撃力を知った相手が次にとる行動は、最初と同じ回避行動よりも2回目の突進の場合が多い。それも魔導散弾銃から発射される弾丸の最大攻撃力を想定しての突進だ。さらに連続食らったスタンの効果が徐々薄くなっているのもバレていると思うと、さらに強い銃弾でもあればいいのだが、さすがにミスリルスラッグ以上の銃弾はない。
つまり次は。
「目の前まで来られたら接近戦だ」
とりあえず今のところはイオタが魔法やスキルを使ってこないのが救いだ、おそらくファイヤーウォールを維持しているため他の魔法が使えないのだろう、と予想はしているが、もしイオタが魔法やスキルを使い始めたら。
いやな想像を打ち払うように魔導散弾銃を構える。
「ゴロズッ!!ゴロッ殺ス!!」
圧倒的な殺意を吐き散らし、同じような突進をしてくるイオタだったが今回は当然のように弾幕を振り払い、一気に私との距離を詰めてきた。さぁここが正念場だ、ベルググを呼び両手剣スキル極地【逆鱗】突き出した漆黒の刃が纏った龍をかたどった衝撃波が一直線に向かってきたイオタを飲み込み激しい爆音とともに三度闘技場の壁際まで押し返す。
判断ミスの許されない緊張感の中、連続攻撃をしていた私は疲労から肩で息をし始めていたが、【逆鱗】を直撃させさすがにしばらくは起き上がれないだろうと少しだけ安堵したのだが、爆風が立ち上げた砂埃の中から難なく起き上がるイオタを見て驚愕した。
コイツは私の想定よりも遥かにダメージを受けていない。
「ヤベェかも、この状況」
スキルの電磁誘導弾を混ぜて銃撃で行くか?いや、貫通力はあるがチャージタイムがかかりすぎる、連射になれた敵ならなんなくかわされてしまうか、その間距離を詰められてしまう、そうなると……。
私が次の作戦を考察していると左右で入場口を塞ぎ燃え盛る【ファイヤーウォール】が消えた。
これは逃走のチャンスだと喜べたのはほんの一瞬だけで、イオタの放った魔法に戦慄する。
「火魔法【点火】」
私でも扱える火魔法の初期魔法にして、文字通り点火程度の威力しかない最弱のはずの魔法は、まるで炎の矢の如く私の横を通過し壁にぶつかり爆発。その爆発により崩れた壁が入場口を塞ぎ、その突然の出来事にあっけにとられていると、反対側から爆発音が響き振り向くと対面の入場口も完全閉鎖された。
「殺ス!殺す!!コロッス!!!」
マジか……闘技場の壁は軽く見て5m以上。
出入り口が一切無くなった閉鎖空間に猛獣と化した狐人と馬鹿で阿呆で足手まといの半鬼人と私。
私に残された選択肢は戦って勝つしかないのだが、戦陣【振子】でHPをまったく削れない相手をどうすれば良いのやら。【鳥籠】も遠距離攻撃持ちには効果を発揮出来ないし……アレも……ダメ……そうだ!ベルググの暴食を発動し続けて魔法薬を飲みながら逃げ回るか!?いやダメだ……絶対、半鬼人が真っ先に死ぬ。
「うゴッホ……アガッ……ウップ」
……私はなぜコイツを助けに来たのか、もう思い出せない。
そんな時、ふいに誰かに言われた「スキルに頼りすぎている」という言葉がよぎった。誰に言われたんだっけ……えっとぉ……って、それは今はまったく重要ではない。
ギルド交流戦を通じて得た剣術の基礎とスキルを組み合わせたら……。
「もしかし……面白いんじゃね?」
何か、新しい何かを生み出せそうな予感が電撃の如く全身を走り、身震いしながら思わず口元が、笑う。
「コロ……ッス、殺す!!」
警戒心を強めて距離をとっていたイオタが聞き飽きたセリフを吐き散らし突進を開始、その瞬間を見逃さず私は戦陣【振子】の初期動作を開始。
しかし、完全に銃撃に慣れたイオタは両手を振り回しながら銃弾を弾き衝撃波を放つ武器スキル【ブルーム】も火魔法【イグニッション】で相殺し私に爪が届く距離まで詰め寄る。
私はとっさに魔導散弾銃を両手で握り。
「来い……ベルググ」
手の中の銃が漆黒の大剣に変わる感触を感じながら、素振りの日々を思い出し上段に構え、突進してくるイオタ目掛け振り下ろす。
その斬撃はヒバチの【怒鎚】には見劣りするものの鋭く、早く。さらにベルググの攻撃力も加わり乱発していた銃弾やスキルを上回る脅威……にイオタには見えたのだろう。イオタは飛び上がるように後ろに下がり距離をとった。
「両手剣スキル……」
奥義【龍剣】後ろ飛びで着地寸前のイオタ目掛け漆黒の大剣を突き出し、大きく踏み込んだ一歩目からオーラが爆破する推進力を得て超加速。一瞬にして刀身から龍をかたどったオーラに包まれた私はその勢いのままイオタに突進。今後はイオタに噛み付いた龍の衝撃波を纏ったまま突進し続け、どんどん加速しながら闘技場の壁まで走り続ける。
「ビッ!火魔法【フレイムスロウ】!!」
龍の衝撃波に飲まれながらイオタの放った反撃の【フレイムスロウ】は【フレイムフィールド】でイオタもどきが放っていたそれとは火力も範囲も全く別次元の威力の火炎放射だった。
あっ……やっべ。内側から焼かれる龍の衝撃波を目撃しながら私は咄嗟に、無意識的に。
両手剣スキル【飛剣】地面に足を突き刺すように急ブレーキし突き出した剣を振り、今にも爆散しそうな龍の衝撃波を飛剣の衝撃波で切り離しイオタに叩き込む。
燃え盛る炎の龍はイオタを飲み込んだまま闘技場の壁の一部を轟音を響かせ吹き飛ばた。
私は飛び散る壁の破片を見ながら次の攻撃動作に移る。雷魔法【サンダー】
装備お気に入り1、漆黒の大剣が消え二振りの剣が手に現れ、片手剣スキル極地【オロチおろし】石片と火の粉が飛び散る粉塵の中に突撃した私の二振りの剣が8つ軌跡を粉塵に刻み、その全てに敵を切った手ごたえを感じながら後ろ飛びで粉塵から脱出。
ガラガラと石壁が崩れる音を聞きながら腰の鞘にオロチの牙の小太刀を納めアイテムボックスから取り出した魔法薬を一気に飲みし、ほとんど尽きかけていたOPを回復しながら、上空で響く雷鳴を聞いた。
「貫け……【サンダー】」
青白い閃光が、粉塵の中央に飛来。次の瞬間、地面に突き刺さった雷の衝撃波がさらなる粉塵を闘技場内全体に運び砂煙で数秒視界が途切れた。
この猛攻でさすがのイオタも大ダメージを負ったと確信した私は、ほんのりと甘い砂糖水のような魔法薬を3本飲み干したところでOPを完全回復させることなく、半鬼人の方を振り向き歩き出そうとした。
「炎ヲ……マナ……喰ライ……ノ全……」
近距離で響いた爆音の雷鳴のせいで唸る耳鳴りの奥で、かすかに聞こえた女性の声。
その声に振り向いた私の目に映ったのは、マグマのような瞳に狼のように大きな口、炎のような赤体毛に全身を包まれた二股の尾を持つ怪物が片手をこちらに突き出している姿だった。
「……滅ッス破壊ノ炎トナレ!火炎魔法【炎撃波】!!」
赤い閃光が視界を覆い、思わず目を閉じた。
「グアああああああァァァああああ!!!」
全身を蜂に刺されたような激痛が襲う。
いや、違う!これは!燃えている!私の体が燃やされているんだ!!
炎の指輪の効果で火に対する恐怖というものが希薄になっていた私には衝撃的な熱さ、いや痛みだ。
痛すぎると感覚が麻痺するというがそんなのは嘘だ。全身の皮膚からどんどんと内側に深く何万、何十万もの針がゆっくりと刺さっていくような、まるで拷問を受けているかのような激痛に意識が飛びそうになる中、必死に指を動かしウインドウをスクロールして、回復魔法【ハイパーヒール】【ハイパーヒール】炎に焼かれ続ける私の体を癒しの光が包み焼け消えた表皮を再生するが、灼熱の光はまだ消えない。
いつ終わるかわからない灼熱の閃光に自我が崩壊し発狂しそうになったが、すんでのところで少しずつ熱が引いていくのを感じた。
回復魔法【ハイパーヒール】【ハイパーヒール】なんとか正気のうちに再度回復をすることに成功した私だったが……正直、戦えるような精神状態ではなかった。
地球からこのアクリスにやってきて何度か死の淵に立った時はあった……だが、アクリスで得たこの体で感じる痛みは地球のころと比べて弱く、例えば剣で裂傷を負わされても紙で指を切ってしまった程度の痛みしか感じなかったし、殴られたり蹴られたりしても(エヴァさんとリアスのものは除く)よそ見をして物にぶつかってしまった程度の痛みで我慢出来ないというような痛みを感じることはほとんどなかった。
だが、今の炎は違う。
今まで体感したことない恐怖と激痛。
今のをもう一度されたら……もう一度!?そんなの……。
「火ヲ司ルマナヨ我ガ波動ヲ喰ライ……」
やめろ。
「……集イ火法二宿リ……
「やめろおおおォォ!!!」
私はイオタに突進して一心不乱に剣を振った。当たっているかどうかなんて関係ない、さっきの炎の魔法さえ防げれば、ただただその一心で剣を振り続け。
「グホッ……」
腹に衝撃が走り、何がズブズブっと音を立てながら、私の中に侵入していくのを感じた。
「……」
「しッ……しし、死ッネ!!」
「ギャァァアアアアアア!!!」
イオタの鋭い爪が私の腹に突き刺さり、貫通した。私は突き刺されたまま持ち上げられ。
「【火爪】」
スキルで突き刺さった爪が灼熱の炎を纏った。
「ィギャァァアアアアアア!!!」
イオタは、痛みに絶叫しながら足をばたつかせる私の傷口が炎を吹き上げたのを見て、少しだけ勢いをつけて投げ捨てた。
はっきり言おう、爪が抜ける瞬間が最強に痛い。
私の意識はもはや風前の灯。意思を失えば確実に火葬されてしまうだろう、というか、もうすでに先ほど魔法詠唱が聞こえている。
もう無理だ。
すまんリアス、マロフィノ。私はここまで
「すまんのう」
そうやすまんのうリアス、マロフィノ。私はここまでやで……ってなんで西っぽい言葉になっとんねん!?
「って!ヒバッヂッブホッ……グハ」
「大丈夫かいな!!タラちゃん!!誰か回復って、自分でせぇや!!」
なんだこの野郎!!死にそうな人に向かってなんたる暴言、つーか私はその西っぽい言葉感染りやすいからちょっと抑えてくんない?って、じゃなくて、そんなことより。
「ヴッ……シ……ォ……」
「えっ!?なんやの?オシッコ!?」
「……法二宿リ力ヲ与エ我ガ……」
「つーかブツブツブツブツうるさいねん姉御!!」
何が起こっているのかわからないが、どうやら復活した半鬼人がイオタの追撃を抑えてくれているようだ。この隙に急いで回復魔法をかけ体力を回復した私は、なんとか起き上がったものの、血を流しすぎたせいだろう体がもの凄く重い。
「タラちゃん大丈夫かいな」
「ああ大丈夫だ、膝が笑うし全身に力が入らないし目が霞んじゃいるけど」
「ワイはその状態を大丈夫とは言わんけど、本人が大丈夫言うんやったら大丈夫なんやろ」
フラつく私の前に立つ身長2m近い上半身裸の長身の金棒を持った男、少しだけ赤みを帯びた黒っぽい肌に覆われた鎧のような筋肉、切れ上がった目の奥の黄金の瞳、その瞳の前で揺れる腰まで伸びる長い白い髪をかき分けるようにコメカミから生えた漆黒の短剣のような角。私はてっきりヒバチが復活したと思ったのだが勘違いのようだった。
「あっすみません、知人だと思って勘違いしてました、助けていただいて
「何いうてんねんタラちゃん!!ワイや!ヒバチやで!!」
「はぁ?」
「はぁ?やあらへんがな、血ぃと一緒に記憶もぶっ飛んだかいな」
確かに声も顔つきも似てるような気がするが、私の知っているヒバチはもっと……って、 解析すればいいじゃん。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 ヒバチ
【 レベル 】 182
あっヒバチだ。レベル182か結構すげぇなぁ……って!!?
「おい!お前まさか!」
「やっと気づいたんか、まぁそれも仕方ないで魔石の力でワイは」
ヒバチは自慢気に笑い。
「背が伸びたんや!」
「ああそう、良かったな」
説明してやるのも面倒くさいので後で鏡見て驚け。まぁ後があればの話だけど。
「ところでイオタは?」
「姉御は客席の方までぶっ飛ばしたで」
マジかよ……えっ本当にパワーアップしたのコイツ?
「てことは、今のうちに瓦礫どけて逃げれんじゃん」
「ああ!すまん!入場口の瓦礫ぶっとばして穴開けてもうたで」
「仕事早っ!ではさっそく逃げましょう」
「せやな!」
いかれたヒラメキが奇跡的に成功したヒバチは、信じられないほど身体能力が向上していた。フラフラと走る私を肩に担ぎ上げ一目散に口を開けた入場口に向かって走って行いく。
これでこの地獄からようやく。
「ウソやろ……」
ヒバチは言葉を失い立ち止まり、私をおろした。その理由は入場口の前で仁王立ちする炎の化身と化したイオタの姿があったからだ。
「タラちゃんの攻撃あんだけ食らって、ワイの全力連打全部受けて、なんでまだ起き上がって来れんねん」
「ガゥゥウウウウゥゥ」
もはやイオタは理性も知性も失い、獣ですらなくなり、殺戮を行うだけの存在へと変貌していた。
私はメニューウインドウから装備お気に入り2を選択し魔導散弾銃を装備しミスリルスラッグ弾を込めフラつく足に力を込めて構えた。
「やるしかないんかい」
戸惑いながらヒバチも身構えた瞬間、イオタの目が燃え上がったように光った。すると徐々に闘技場の温度が上昇し気がつくと火の海に飲み込まれていた【フレイムフィールド】だ。
「またかいな!」
「ビビるな、なんだろうとやることは変わらない」
「せやな、ってタラちゃん後ろ!」
後方で燃え上がった火の海から現れたのはイオタというよりも炎の悪魔のような姿をした者だった、そいつが放つ【フレイムスロウ】に対応するべく振り返りながら私は雷魔法【イグニッション】を放ったが完全に火力負けし左半身を焼かれ皮膚が焦げる。
「あ゛ァァァじぃぃぃっ!!」
回復魔法【ヒール】。激痛に身動きが取れなくなる前に急いで回復をする。
本来なら発動するはずの常時スキル【警戒】が機能しないフレイムフィールド内でのイオタの【フレイムスロウ】、おそらくフレイムスロウとは言っているがフレイムフィールドの炎が集まって放出されているようだからフレイムスロウもフレイムフィールドの一部ということで認識していない攻撃に該当しないためで【警戒】が発動しないのだろう……。
クソッ、厄介すぎる。ヒバチがいなきゃ文字通り火ダルマになっているところだ。
「タラちゃん、ホンマヤバそうやで、火力がさっきと桁違いや」
「ああ」
「パワーアップで手間取っておいて悪いんやけど、今のワイでもあの火力はアウトやで」
ヒバチの顔を流れる汗は熱さからくるものだけではないようだ。かくいう私もそうなのだが。
「今の全身が炎に包まれたイオタは放つ雰囲気が別格にヤバすぎる、それに俺は長期戦はもう無理だ……だから」
「だから?」
「一撃離脱する!ついて来い」
「乗ったで!!」
作戦はこうだ。
私がベルググの龍剣でフレイムフィールドを蹴散らしながらイオタに突撃、その後ろからヒバチが追走、そして、龍剣とイオタが衝突した瞬間ヒバチが飛び出して再度観客席まで吹っ飛ばして逃げ去る。というものだった。
「来い!ベルググ」
手の中に漆黒の大剣が現れた。
『今日は大忙しだなって、おいおいタタラお前、死にそうじゃねぇか』
うるさい黙ってろ、視界はボヤけるし立っているのがやっと、ベルググの言う通り本当に死にそうだ。
だが私は……。
「帰るぞ……」
「なんて?」
「なんでもねぇ……行くぞ!!」
「ブチかましたらぁ!!」
両手剣スキル奥義【龍剣】剣を突き出し残った力を全て込めて走り出した足がオーラの爆発の推進力を得て加速
「グオォォォォォォォォォォッ!!」
両腕を大きく広げ身を乗り出すようにしてイオタが吠えた瞬間だった。
火の海が渦を巻き私達の周りに集まり、数十体の炎の悪魔が放つフレイムスロウが灼熱の炎の渦となって私達を飲み込んだ。
「グァァァアアァァァァァ!!」
「ギャァァァァァァアァァ!!」
『【獄炎嵐】』
炎の嵐に飲まれた私は、サタンに殺された時と同じ闇に飲まれていくのを感じながら、アクリスの日々の走馬灯を見ていた。
マロフィノの成長をもっと見守りたかった。
もっとアクリスという世界を旅したかった。
お世話なった人達に恩返しをしたかった。
リアスのランクが上がるようにもっと……もっと……
『待っておるからな!!絶対戻って来るんじゃぞ!!』
消えかけた意識に、別れ際のリアスの言葉が響きわたる。
「い…ま……帰り…ます」
この後、私のとった行動は何か狙いがあってしたわけではなく、それしか、ただ呟くことしかできなかった、ただそれだけの理由であった。
「喰ら……尽…せ…ベルグッ……」
『【暴食】』
私の意識はここで一度途絶えた。
次に意識が戻った時、私は仰向けで口に回復薬の瓶を3本つっこまれた状態で、漆黒の長い髪を揺らしながら腕を組みイオタを睨む我等がギルドマスターの声を聞いた。
「安心しろ、1分たっても起き上がれなかったら痛くないように一瞬でとどめを刺してやるから」
いや、確かに全身の痛みでもう一度気を失いそうなくらい辛いですが、それを聞いて安心するヤツいるんすか!?
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