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大海の災厄
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「おはようございますぅ……って、あれ?」
出航4日目、船に乗ってから夜更かしをしなくなったリアス達はいつもなら私より早く目覚めているのに今日は珍しくまだ熟睡している。
メニューウインドウを開き時刻を見るとすでに午前11時、少々寝すぎな気が……そう思った瞬間、外で何かが爆発する音が連続で響く。
「砲撃音!?まさか!?起きろリアス!!マロフィノ!!」
しかし、いっこうに起きる気配が無い。
「おい、どうした!?まさか睡眠薬か魔法の類いか?」
穏やかな寝顔なので毒の類いではないと思うが、さてどうしたものか……このままリアス達を置いて行くのは気がひけるが、外の状況を把握しなくては。
メニュー起動、装備お気に入り2。
両手 :ブルーム
弾 :ミスリルスラッグ
頭 :オロチの鱗の兜
体上 :フロッグレザージャッケット
体下 :バトルフォースパンツ
腕 :オロチの鱗の手甲
足 :オロチの皮ブーツ
耳 :スカルヘッドイヤリング
右手首:バトルスタッズバンド
左手首:職人の時計
指 :スカルヘッドリング
腰 :スキルアップベルト
あり合わせで埋めただけの装備に換装し部屋を飛び出し甲板へ続く階段を駆け上る。
そして、扉を開けた私の目に飛び込んできたのは武装した船員達が甲板を襲う無数の巨大な触手のような物と闘う姿だ。
「コレが……大海の災厄……」
海の中から突き出てくる半透明な触手はどれもマストより太く長さ数十メートル、移動砲台をなぎ払い、船員を絡めとり海へ引きずり込もうとあちこちで蠢いている。
「グァッ!!」
「ギャァッ!!」
あちこちから響く船員達の悲鳴と怒号が入り混じり、昨日までの平和な航海が嘘のようにブラックオニキス号は戦場……いや惨状と化していた。
「誰か来てくれ!!カブがヤバイ!!」
その叫び声の先で船員のカブさんの足に触手に絡みついていた。
銃スキル【電磁誘導弾】構えた銃身を電気のオーラが覆い発射された銃弾は電磁誘導の力で音を超えた速度でカブさんを掴む触手に命中し爆散させた。だが、切り離された部分は砂煙になり消えたものの本体と繋がった方はすでに再生が始まっている、どうやらこの魔獣は超再生能力もあるようだ。
「何でタタラさんが!?いやそれより、誰か解毒剤持ってこい!!」
「くっ!!コッチも手一杯だ!!」
「解毒剤?まさかこの触手に毒が!?それなら俺がっ」
キンコンキンコン。
私が正面に気をとられている間に後方から触手が迫り常時スキル【警戒】の警告音が鳴っていたが、甲板で耐えず響く轟音で一瞬気づくのが遅れた。
「ゲッ!ヤッベ!!ッグァ!!」
触手に撃ちつけれらそうになった瞬間、誰かが私をつき飛ばし身代わりに甲板へと叩きつけられた。
「グァッ!!」
「何んで……アンタが」
私の身代わりになったのは、バンダナ髭もじゃのフィットだった。
立ち竦む私をフィットは口から血を流しながら見上げ。
「グフッ……だから……船を降りろって……たんだ……俺達の……身勝手……若いアンタ等が……犠牲になるのは……」
そうか、この人があんなに私達に突っかかって来ていたのはそういうワケだったのか。
回復魔法【ヒール】【キュア】白と緑の光に包まれた後、驚きながらフィットが立ち上がる。
「回復……魔法だと、アンタ戦闘職じゃないのか」
「質問は後だ!まずは毒にやられた人達の回復を」
「おっおう!」
海から伸びる触手に囲まれた船の甲板を走り、倒れいる人に片っ端から【ヒール】【キュア】をかけていく。すると再び【警戒】の警告音が鳴り。
「危ねぇ!!兄ちゃん!!」
「心配ご無用!!」
鞭のようにしなりながら上から襲ってくる触手に向かい雷魔法【ショック】【スタン】突き出した手から放たれた電撃が触手を押し返し、ダメ元で狙った麻痺の効果は。
「止まっ……た」
予想外に、そして予想以上の効果を発揮し全て触手の動きを止めてしまった。まぁ元を辿れば一体の魔獣だから当たり前と言えば当たり前なのだが、たった1発の電撃で長さ数十メートルの触手10本余りが一気に活動停止すると流石に焦る。だが今の隙にと思い、魔法薬を取り出しながら叫ぶ。
「すぐ動き出すぞ!!ボケッとしてないで体勢を立て直せ!!」
『おおおおお!!』
一瞬の間はあったものの、流石は海の男達。今の一言で素早く砲台を起こし、負傷者を回復し、武器の補充を始めた……のだが。
「えっ……ウソ……」
スタンの拘束が解けた触手は、水しぶきを上げながら一本残らず海に消えてしまった。
「タッ!タタラ君!?」
そして、焦りながら私に駆け寄って来る男が1人。
「ハイト船長!無事でしたか」
「変に聞こえるかもしれないが、どうしてここに」
「何で起きているんだって事ですか?」
ハイト船長は誤魔化すつまりはまったくないと言った表情で「ああ」と頷いた。
「俺、一応、全状態異常耐性のスキルがあるんです。まぁその話は後でゆっくり」
「そうだね後であったらゆっくり話そう、とりあえずコレだけ渡しておくよ」
そう言われ手渡されたのは虹石に輝く尖った細長い宝石のような石、コレは。
「転移石……」
「勝ち目が無いとなったら君達だけは逃せるようにと準備していたんだ」
騙されていると思いながらもこの船の人達を嫌いになれなかった理由がようやくわかった。
この人達は私達を道連れにしようなんてまったく考えてなどいなかったのだ。私達が寝ている間に大海の災厄を討伐できればそのままエンドーレへ、そうでなければ転移石で安全な場所へ……か。
「見ろ!出るぞ!」
そう、誰かが叫ぶと。ゆっくりとせり上がった海が水しぶきを立てながら押しのけられるように割れ、中から丸みを帯びたの巨大な何かがゆっくりと姿を表した。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 クラーケン
【 レベル 】 699
押しのけた海が大波を立てる中から現れたファンタジー系ゲーム好きなら知らない者はいないであろう超メジャーモンスター【クラーケン】の名を冠するその巨大な……いや巨大すぎるその海洋魔獣は、あなた想像している通りの見た目……。
では、無かった。
「何がクラーケンだ!!ふざけんなこの野郎!!俺は絶対認めないぞぉぉ!!」
百メートルを優に超える傘のような型をした半透明の体から伸びる無数の触手……そうアクリスのクラーケンはアレだった。
そのユラユラプカプカと海面を漂う姿を見て、何故かはわからないが自分では抑えきれない怒りがふつふつとこみ上げて来て叫ばずにはいられなかった。
「クラーゲンに改名しろぉぉ!!」
その瞬間、甲板の船員達が大海の災厄クラーケンではなく私を見つめていたのは言うまでもないことである。
出航4日目、船に乗ってから夜更かしをしなくなったリアス達はいつもなら私より早く目覚めているのに今日は珍しくまだ熟睡している。
メニューウインドウを開き時刻を見るとすでに午前11時、少々寝すぎな気が……そう思った瞬間、外で何かが爆発する音が連続で響く。
「砲撃音!?まさか!?起きろリアス!!マロフィノ!!」
しかし、いっこうに起きる気配が無い。
「おい、どうした!?まさか睡眠薬か魔法の類いか?」
穏やかな寝顔なので毒の類いではないと思うが、さてどうしたものか……このままリアス達を置いて行くのは気がひけるが、外の状況を把握しなくては。
メニュー起動、装備お気に入り2。
両手 :ブルーム
弾 :ミスリルスラッグ
頭 :オロチの鱗の兜
体上 :フロッグレザージャッケット
体下 :バトルフォースパンツ
腕 :オロチの鱗の手甲
足 :オロチの皮ブーツ
耳 :スカルヘッドイヤリング
右手首:バトルスタッズバンド
左手首:職人の時計
指 :スカルヘッドリング
腰 :スキルアップベルト
あり合わせで埋めただけの装備に換装し部屋を飛び出し甲板へ続く階段を駆け上る。
そして、扉を開けた私の目に飛び込んできたのは武装した船員達が甲板を襲う無数の巨大な触手のような物と闘う姿だ。
「コレが……大海の災厄……」
海の中から突き出てくる半透明な触手はどれもマストより太く長さ数十メートル、移動砲台をなぎ払い、船員を絡めとり海へ引きずり込もうとあちこちで蠢いている。
「グァッ!!」
「ギャァッ!!」
あちこちから響く船員達の悲鳴と怒号が入り混じり、昨日までの平和な航海が嘘のようにブラックオニキス号は戦場……いや惨状と化していた。
「誰か来てくれ!!カブがヤバイ!!」
その叫び声の先で船員のカブさんの足に触手に絡みついていた。
銃スキル【電磁誘導弾】構えた銃身を電気のオーラが覆い発射された銃弾は電磁誘導の力で音を超えた速度でカブさんを掴む触手に命中し爆散させた。だが、切り離された部分は砂煙になり消えたものの本体と繋がった方はすでに再生が始まっている、どうやらこの魔獣は超再生能力もあるようだ。
「何でタタラさんが!?いやそれより、誰か解毒剤持ってこい!!」
「くっ!!コッチも手一杯だ!!」
「解毒剤?まさかこの触手に毒が!?それなら俺がっ」
キンコンキンコン。
私が正面に気をとられている間に後方から触手が迫り常時スキル【警戒】の警告音が鳴っていたが、甲板で耐えず響く轟音で一瞬気づくのが遅れた。
「ゲッ!ヤッベ!!ッグァ!!」
触手に撃ちつけれらそうになった瞬間、誰かが私をつき飛ばし身代わりに甲板へと叩きつけられた。
「グァッ!!」
「何んで……アンタが」
私の身代わりになったのは、バンダナ髭もじゃのフィットだった。
立ち竦む私をフィットは口から血を流しながら見上げ。
「グフッ……だから……船を降りろって……たんだ……俺達の……身勝手……若いアンタ等が……犠牲になるのは……」
そうか、この人があんなに私達に突っかかって来ていたのはそういうワケだったのか。
回復魔法【ヒール】【キュア】白と緑の光に包まれた後、驚きながらフィットが立ち上がる。
「回復……魔法だと、アンタ戦闘職じゃないのか」
「質問は後だ!まずは毒にやられた人達の回復を」
「おっおう!」
海から伸びる触手に囲まれた船の甲板を走り、倒れいる人に片っ端から【ヒール】【キュア】をかけていく。すると再び【警戒】の警告音が鳴り。
「危ねぇ!!兄ちゃん!!」
「心配ご無用!!」
鞭のようにしなりながら上から襲ってくる触手に向かい雷魔法【ショック】【スタン】突き出した手から放たれた電撃が触手を押し返し、ダメ元で狙った麻痺の効果は。
「止まっ……た」
予想外に、そして予想以上の効果を発揮し全て触手の動きを止めてしまった。まぁ元を辿れば一体の魔獣だから当たり前と言えば当たり前なのだが、たった1発の電撃で長さ数十メートルの触手10本余りが一気に活動停止すると流石に焦る。だが今の隙にと思い、魔法薬を取り出しながら叫ぶ。
「すぐ動き出すぞ!!ボケッとしてないで体勢を立て直せ!!」
『おおおおお!!』
一瞬の間はあったものの、流石は海の男達。今の一言で素早く砲台を起こし、負傷者を回復し、武器の補充を始めた……のだが。
「えっ……ウソ……」
スタンの拘束が解けた触手は、水しぶきを上げながら一本残らず海に消えてしまった。
「タッ!タタラ君!?」
そして、焦りながら私に駆け寄って来る男が1人。
「ハイト船長!無事でしたか」
「変に聞こえるかもしれないが、どうしてここに」
「何で起きているんだって事ですか?」
ハイト船長は誤魔化すつまりはまったくないと言った表情で「ああ」と頷いた。
「俺、一応、全状態異常耐性のスキルがあるんです。まぁその話は後でゆっくり」
「そうだね後であったらゆっくり話そう、とりあえずコレだけ渡しておくよ」
そう言われ手渡されたのは虹石に輝く尖った細長い宝石のような石、コレは。
「転移石……」
「勝ち目が無いとなったら君達だけは逃せるようにと準備していたんだ」
騙されていると思いながらもこの船の人達を嫌いになれなかった理由がようやくわかった。
この人達は私達を道連れにしようなんてまったく考えてなどいなかったのだ。私達が寝ている間に大海の災厄を討伐できればそのままエンドーレへ、そうでなければ転移石で安全な場所へ……か。
「見ろ!出るぞ!」
そう、誰かが叫ぶと。ゆっくりとせり上がった海が水しぶきを立てながら押しのけられるように割れ、中から丸みを帯びたの巨大な何かがゆっくりと姿を表した。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 クラーケン
【 レベル 】 699
押しのけた海が大波を立てる中から現れたファンタジー系ゲーム好きなら知らない者はいないであろう超メジャーモンスター【クラーケン】の名を冠するその巨大な……いや巨大すぎるその海洋魔獣は、あなた想像している通りの見た目……。
では、無かった。
「何がクラーケンだ!!ふざけんなこの野郎!!俺は絶対認めないぞぉぉ!!」
百メートルを優に超える傘のような型をした半透明の体から伸びる無数の触手……そうアクリスのクラーケンはアレだった。
そのユラユラプカプカと海面を漂う姿を見て、何故かはわからないが自分では抑えきれない怒りがふつふつとこみ上げて来て叫ばずにはいられなかった。
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