THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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走馬灯

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 洞窟の牢獄で吠え疲れたマロフィノはそのまま眠ってしまい、さすがに疲れたので一緒に仮眠を取った。マロフィノより少し早く目覚めた私はフェンリルの亡くなった場所から複数のアイテムを手に入れた。
 【魔狼フェンリルの魔石】【魔狼フェンリルの犬歯】【魔狼フェンリルの切歯せっし】【不断縄グレイプニール】【呪縛の足枷×4】【砂袋】それらを拾い終わったあとマロフィノは目覚め。

「フィンッ!」

 さぁ行くよ!っと言わんばかりの元気な声だ。
 グーーーーッ……腹の音がデュエットしたので干し肉をむさぼる。美味い。

「うっし!」

 気合いを入れて肩を回しながら門に向かって歩きだす。名残惜しそうにフェンリルがいた場所を見つめるマロフィノの姿を見ていないふりをして門扉もんぴに手をかけると、いつの間にか私の足元でマロフィノが背中を門に当て一生懸命押そうとしている。
 私の友達は人に頼りっぱなしは嫌いなようだ。

「気合い入れて押せよ!相棒!」
「フィン!」

 足と腕に最大限の力を込めると門扉もんぴきしみながら少しずつ押し開かれていく。目を閉じて歯を食いしばり力の限り押した。

「ふぐおぉぉぉぉぉ!どっどうだ通れそうか?」

「フィン?」

 もう通ってますけど?的な鳴き声が少しだけ開いた門の隙間からする。何故だろう、今回は心配する気持ちがまったく起きない。
 力を振り絞り自分の体が入るギリギリまで押し続け、わずかな隙間に素早く体をねじ込んだ。

「ゼーゼーッ」

 門を背に両膝に手を置き項垂れていると、後方で隙間に挟まった石を擦り砕き土煙を立てながら巨大な門の片割れが元の位置に戻りまるで巨大生物の足音ような芯に響く音を立てた。
 
 私が顔を上げるとマロフィノはお座りをしたまま尻尾を振ってお出迎えをしてくれた。やっぱりめちゃくちゃ可愛い。
 優しく抱き上げ私達は門に向かって「いつかまた」という思いで少しだけ黙祷を捧げ洞窟から地上に向かって歩きだした。
 道中、相当数の蛇モンスターに襲われたが全てレベルは低かったのでピンチに陥いることもなく順調に洞窟を進んで行く。私達の復活を果たした場所を超え、さらに歩き、歩き、歩き、歩き……

「なっ長い」
 歩きだしてもう6時間。転生前の私なら完全に倒れているだろうがこの体はさほど疲れはしない。けれど、ただただ長い。マロフィノは私の服の中で就寝中。
 延々と続く洞窟を歩きながら、未練があるわけではないが、ふと、多田良夫だった自分の生涯を走馬灯のように振り返っていた。

 私もタタラくん・・・・・と同じ母親と二人暮しだった。他人から見れば貧しい暮しだったのかもしれないが、自分では裕福だとさえ思っていたほど母との生活は満たされていて。母はいつも「好奇心の先に本当の自分がいる」と言い、私が興味を持った事はなんでもやらせてくれた。
 その生活の全てが母の並々ならぬ努力のおかげである、ということに本当の意味で気づいたのは、大学を卒業して社会人になってからだった。
 母に恩返しをしたい、これからは少しでも楽をさせよう、そう思った矢先、母が他界。そのショックで私は全てのことがどうでもよくなり、好奇心を失い、無気力な人間になってしまった。
 そんな私に再び好奇心を呼び起こす物が現れる【AQURIS online】βテストプレーヤー募集のネット広告動画だ。そこに映っていた雄大な景色、緻密ちみつで洗練された建造物、恐ろしくも美しいモンスター達、その全てに心を奪われた私はすぐにテストプレーヤーに応募し当選率0.01という幸運を手に入れた100人の内の一人に選ばれ、それからは【AQURIS online】に人生を捧げて来たと言っても言い過ぎではないだろう……。

「なんだかんだ言ってアクリスに来れて良かったんだなぁ俺……。じゃあな……多田良夫」

「フィン?」

 ハッ、として回りを見ると広く開いた空間に出ていた。

「起きたか。よいしょっと」

 服の中から顔を出したマロフィノを持ち上げる。すると、はるか前方に光が見えた、時折何かに遮られ見失ってしまうほど微かな光。

「外だぜ!マロフィノ!」
「フィンッ!」

 光に向かって駆け出そうとした、その時。
 キンコンキンコン
  常時スキル【警戒】が警告音を鳴らす。すぐさま装備お気に入り1に換装し構え様子をうかがう、どうやら遠くに見える光はモンスターのうごめく影がチラつかせているようだ。

「また蛇?」

 地面を高速で何かがって近づいてくる音がする。相当デカイ。暗がりの中、頭だけで軽自動車ほどはある蛇のようなモンスターは上体を起こしその巨大な体躯を明らかにした。

 鑑定スキル【解析かいせき
 【 名前 】 オロチ
 【  レベル  】 110

「キシャッ!キシャーーーーーッ!!」
 立ったままでも丸呑みにされてしまうほどデカイ口を開いて威嚇してきた。かなり殺気だっている。外に出て狩りの帰りと言うより、仕方なくこの場所にいるといった雰囲気だ。

「なんだお前【鬼達】にビビってここまで逃げて来たのか?」

「ギッ!ギシャーーッ!!!」

 どうやら私の推測は合っていたようだ。ちなみにマロフィノはもうすでに岩場に隠れて息をひそめている。
 オロチは長い舌をチロチロとさせながら右、左、上、下とランダムに上体を揺すりながら様子を伺っている。レベル100オーバーでこの巨体、本来ならパーティーでの戦闘が推奨されるであろうこのモンスターに私は緊張を隠せないでいた。
「下手に攻撃をかわしてマロフィノにターゲットが移ったら最悪だ。かと言って……」
 攻撃が直撃したら死にはしないにしても今は生身の人間・・・・・、痛みに耐えれるかどうか。腕を食われでもしたら回復魔法で再生できるのか?選択肢が絞られるほど負の感情が私を縛り付ける。

「フィンッ!」

 岩場から飛び出したマロフィノは突然吠えた。

「キシャーーーーー!!!」
 それとほぼ同時に私の横を巨体が、ものすごい勢いで通過する。
 
 マロフィノ……

 体が凍りついたように固まり身動きが取れず、蘇った時に見たマロフィノの亡骸が、あの深い絶望と悲しみが走馬灯のように駆け巡り、心臓がその存在を主張する。
 パニック状態の私の胸に鈍器で殴られたような強い衝撃が走った。

「グッ……ハッ」

 すれ違いざまにオロチの尻尾に叩かれ吹き飛ばされた。空中を彷徨いながら視線をずらすと敵の頭がマロフィノに後2mもないところまで迫っているが、小さな体の短い足を大きく開き攻撃的な態度で威嚇の体制を取っているのが見えた。オロチは口を開け、食事を取る準備は万全の様子だ。

 鬼は怖いくせにこの野郎。私は空中で剣を振る。

「飛剣」
 思い切り振り切った剣の衝撃波がオロチの体を洞窟の壁に衝突させ粉塵を巻き上げる。そして私も壁に打ち付けられたが、すぐさま体勢を整え。
「うおおおおおおおおおおおっ!!」
 オロチもさほどダメージはなく私を睨みつける。そういえばゲームの時・・・・・ヤマタノオロチというモンスターもうろこはばまれてなかなかダメージを与えれなかったな。
「もうお前なんかにビビってないだよ」
 雷魔法【スタン】電撃がオロチの自由を奪う。私は一度大きく息を吸った。

「まずはその邪魔な防御力を削いでやる」
 片手剣スキル【鱗剥うろこはぎ】剣の軌跡のと共にオロチの鱗が飛び散りそこに短剣を突き立てる。

「ギィィシャァァァァアア」
 悲鳴じみた奇声が洞窟に響く、短剣の隣に剣も突き刺し、すかさず片手剣スキル【断破】振り抜いた傷口から大きく煙が上がったが切断にはいたらない。【スタン】が解けオロチは頭から私に突撃してきた。剣を振るが、かん高い金属を鳴らし、弾かれてそのまま壁に激突した。
「ゴハッ」
 私は血を吐き地面に倒れこむ。それを優劣感の満ちたオロチの瞳が見下ろしながらじょじょに近づいて、舌が目の前でうざったくチロチロしている。
 【断破】釣り上げた魚のような動きと音を立て煙を上げながらオロチの舌が空中で砂と消えた。
 余裕こいてるからだよ、ザマーミロ。優劣感に満ちた表情はみるみるうちに怒りへと変わっていく。さて、どうしたものか。さっきの衝撃で折れた骨がどこかにささっているのだろうか、口から血が溢れ出て、手に力が入らなくなってきた。
 怒りに食いしばっていた歯を見せつけるように大きく開いたオロチは、私を丸呑みにしようと上方からなだれ落ちてくる。痛みで力が入らない体をよじって回避を試みるが奴にとって何の意味もないようだ。生臭い匂い、目の前では半分になった舌がうごめいている。
 
 万事休すか。強い敗北感に私は強く力を込めて目をつぶった。

「ギィィシャァァァァ!!」

 その声と共に生臭い匂いが消え、私は目を開く。目の前にはおぞましいオロチの顔ではなく、勇ましいマロフィノの顔があった。
 マロフィノは私が丸呑みにされる寸前にオロチに飛びかかりその目を引っ掻いたのだ。その証拠のオロチの左目から煙が上がっている。
「最高すぎるぜ!相棒!」
「フィンッ!」
 回復魔法【ハイパーヒール】自分が使える最上級回復魔法で回復をする。口から溢れていた血は止まり体の痛みも消えた。実験するつもりなどまったく無かったが回復魔法は肉体の損傷にも効果があることが証明出来た。
 もぞもぞと、マロフィノが私をよじ登り頭にしがみつき。
「ブィィィィッ!ブィィィィッ!」
 威嚇をしている。もしかして、ものすごく怒っているのか?

「ギシャーーッ!ギシャーーッ!」
 オロチも負けずと威嚇を始めた。まったく威嚇合戦をしたいなら私だって。
 武術スキル【威嚇】私の殺気がオロチをひるませた。マロフィノはまったく私の頭を降りるつもりはないようだ。

「わかった!一緒に倒そうぜ!」

「フィンッ!!」

 雷魔法【スタン】電撃がオロチを襲うが2回目は耐性ができ効果時間が短い。
武術スキル【業】ステータスを底上げして勝負に出る、俺達・・の初めてのボス攻略だ振り落とされんなよ。
 オロチは【スタン】が解けると同時に突撃してきた。武術スキル【いなし】一度見た攻撃を最小限の動きで回避する。
 巨体が壁に激突して自動車事故のような爆音を洞窟内に響かせ土煙が上がる、その瞬間オロチの尻尾攻撃!【いなし】ジャンプで尻尾を回避し、片手剣スキル【飛剣】土煙の中に衝撃波を打ち込む。

「ギィィシャァァァァ!!」

  煙を巻き上げながらオロチが頭を出す【業】のブーストが切れるまであと10秒。片手剣スキル【飛剣】武術スキル奥義【四四連ししれん】片手から四つ、計八つの斬撃の衝撃波がオロチにヒットする。
「グギャアアアアア!!」
 オロチは天上を向き直立した。あと3秒。

「お前が俺達から奪おうとするなら、俺達がお前から何を奪っても文句言うんじゃねぇぞ」

 片手剣スキル極地【オロチおろし】鱗のはげた傷口に向かい高速の八連撃でオロチを切断する。そして【業】反動によるステータス低下が始まった。

「ギヤァァァァァァァァァッ!!」

 断末魔が洞窟に響きオロチの体が砂と煙になっていく。

 勝った。良かった。

 マジでもう死ぬかと思った。ゲームの時は丸呑みにされても何秒か継続ダメージを受けたら吐き出されて復帰出来ていたが。モンスターのエサになりかけるなんて想像もしていなかった。それに痛みで動けなくなるなんて事もなかった。ギリギリだったけど今回の戦いは勉強になった。
 それにしてもさっきの後遺症か?頭がめちゃくちゃ痛っ……。ダラダラ。

「フィッ……フィー……」

 よほど必死に掴まっていたのだろう、私の頭にマロフィノ爪が深々と突き刺さっている。

  痛い。


 ドロップアイテム
 【オロチの皮】【オロチの鱗】

 タタラ(Lv21)スキルメイカー 
 HP:520/1828   OP:122/880

  攻撃力:1833
  守備力:1141
         魔力:1010
  素早さ:1527
      技術:935
          運:110

 マロフィノ(Lv1)
  HP:10/13   OP:4/5



 

 
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