THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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さあ、冒険の始まりだ!

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まぶしい」

 洞窟を出ると、まばらに木が生えた草原に出た。私は手をひたいにあてひさしを作り景色を堪能たんのうする。マロフィノは元気にあたりを駆け回っているので一応、盗賊スキル【索敵さくてき】でモンスターがいないか確認したが反応はないのでしばらく遊ばせておこう。
 現在、地球時間で午前10時。アクリスでも時間感覚は同じなのか?そもそも夜があるのか?ちなみにゲームの時はあったけど。空で燦々さんさんと輝く太陽のようなものの光に包まれたこの惑星は、まだまだ知らないことばかりだ。

「やばい、俺、今めちゃくちゃワクワクしてんじゃん」

 さて、どこに行こうか。私のワールドマップで方角を確認して景色と照らし合わせてみる。
 北に川、東に森と山、南も森と山、西には草原が広がりその奥に薄っすら森が見える。マップは現在地から少し離れた西側の一部も表示している、サンタと戦った場所だ。

「たどり着けなかったあの森……」

 あてのない旅だが行く方角は決まった。よし、マロフィノを呼ぼう。さあ!冒険の始ま
「フィンッ!」

 逆に呼ばれてしまった。

「なんだ?どうした?」

 マップで確認しながら声のした方に進む。真ん中の黒が私、マロフィノは緑、その横に白いのがある。ゲームのときはNPCの表示だったけど、嫌な予感がして走って行く。見えた、マロフィノは嬉しそうに尻尾を振っている。

「なんだ誰かいるのか?」

 駆け寄ると、マロフィノの横に人がうつ伏せで倒れていた。

「だっ大丈夫……ですか?」

 返事はない、死んでるのか?見た感じ少女のようだ。モンスターに襲われた形跡はないが……。もしかして、毒!?いや病気ということも考えられる。どちらにしろ飛散して感染するタイプならまずい、今すぐここを離れないと。
 
「クンクン。クンクンクンクン」

 マロフィノは嬉しそうに【死体】をクンクンしている。

「ダメッ!メッ!ばっちいからクンクンしたらダメッ!ねっ、もう行くよ」

 【死体】をどこかに埋めてあげたい気もするが感染したら大変だ、何せマロフィノのHPは13しかないのだから。すみません【死体】さん、せめてご冥福をお祈りします。

 シャー。

「マロフィノッ!ダメでしょ!もう。こっち来なさい!」

「フィーン」

 やる気のない返事でやっと戻ってきた、ステータスに異常はないようで一安心だ。

「行くぜマロフィノ!さあ!冒険の始ま
「ふえーーーーーん」

「マロフィノ?」

 マロフィノは足元で首を横に振っている。私は恐る恐る後ろを振り返った、すると【死体】はゆっくり起き上がり。

「ふえーーん」

 泣いた。

「突然、犬魔獣に襲われて、怖くて死んだふりしたら、クンクンされるわ、ばっちい呼ばわりされるわ、挙げ句の果てにはオシッコまで引っかけられたんじゃあ。ふえーーーん。これじゃあわらわはもう、お嫁にいけんのじゃあ。ふえーーーん」

 あっヤバイ、これは関わったら終わりのヤツだ。我々は見ないふりをして立ち去ろうとした。

「待てい」

 ガッと肩を掴まれた、しかたなく私はにこやかに営業スマイルで振り返り。

「しっ死んだふりが効果的と言うのは熊に襲われた時のようですよ」
「そうじゃのう、しかもわらわの国ではそれは迷信だという結論がでておる」

 大きな緑色の瞳が私を見つめていた。まるで人形のような色白でなんの凹凸もない・・・・・・・・・・華奢きゃしゃな体に、ノースリーブのワンピース型レザーアーマーとニーハイブーツを装着している。腰ベルトには短刀とショートステッキ、膝下まである若草色のマントでそれらを覆い、その上から大きめのショルダーバッグがたすき掛けされていた。創造神と同じ薄いピンク色の髪は、緩めの三つ編みで一つに束ねられ腰のあたりで毛先が揺れている。身長150cm、年齢は13、4ということはないだろう、おそらく16歳くらい。長く尖った耳が彼女を【人間ヒューマン】ではないことを知らせる。それにしても、年寄りくさい訛りがまったくと言っていいほど、この容姿にそぐわない。しかもわらわって、お姫様気取りかよ。

「【ホビット】のお嬢さん、私達に何か御用でしょうか?」

 べキッ!思いっきりローキックされ、私はひざを抱えるようにしゃがみこむ。

って!なにすんだ!?」

わらわは【エルフ】じゃ!それも、ただのエルフではない。エルフのだっ……ゴホンッ。と・に・か・く、ホビットのような小人こびとと間違うなど、いったいどんな目の構造をしておるんじゃ」
「エルフッ!?はぁ?そんなバカな」
「バカはおぬしじゃ、どこからどう見てもエルフであろう」

「いや、ほら、エルフってイメージがさ、身長がさ、こんなで、じゃん?」

 私は立ち上がり自分の頭より高いところで水平に手を振った。
 ベキッ!!先程よりはるかに強烈なローキックが、左足にめり込み私は悶絶もんぜつしながらしゃがみこんだ。

「それはおぬしの勝手なイメージじゃろが!わらわはエルフの中でも背は高いほうなんじゃ!まったく失礼なガキじゃ」

 えーーーっ、ウソだぁ。などと口走りそうになったがグッとこらえた。それよりも気になったのが。

「失礼ですが何歳おいくつですか?」

 ベゴッ!顔面に矢のようなグーパンが突き刺さり仰向けに倒れた。

「レディに年齢を聞くなど失礼にもほどがある!まったく最近の若者は……ボソッ…さん…じゃ」

「へっ?」
「三十ぅ三じゃ!三十三!これで満足か」

 別にそこまで聞きたかったわけではない。つーか、その見た目で33かよ。やはりエルフは長命人種なのか?でも転生前の私のほうが年上だからな!心の中で激しくツッコミをいれ、顔をさすりながらゆっくり立ち上がる。

「ところで、自己紹介が遅れたのう。わらわは隣国アルフィム王国よりまいった、【リアス・アーバン】じゃ。訳あってこの国の冒険者ギルドに冒険者登録をするため旅をしておるところじゃ。して、おぬしは……」

 ええい、いらない情報をペラペラと言いやがって。こっちは関わるつもりなんてサラサラなかったっていうのに。そんなことを考えつつも、名乗らないといけない状況におちいってしまった私は、創造神が言っていたタタラ君・・・・の情報を思い出す。

「えーっと、タタラです。年は十七。この近くの山村から出てきたばかりです」
「冒険者になるため山からきたのじゃな?」
「えっ?」
「えっ?とはなんじゃ。まさか目的もなく山から降りてきたわけじゃあるまい」

 やっとわかった。気づいてしまった。この女の目的に。この女、俺達に冒険者ギルドのある街まで送らせる気だ。

「見たところ手ぶらのようじゃが、おぬしギルドのある街まで何キロあるか知っておるのか?」

「いや、そのー。なんと言いますか、たしかに最終的にはギルドに登録しようかとは思ってはいるんですが、今はほら、あれですよ、あれ」
「250kmあるぞ」
「まじ?」

「ちなみに、ここから街まで何にもないぞ」

 250?そんなの適当に放浪してたら絶対たどり着かないじゃん。だがしかし、生粋のソロプレイヤー気質の私は群れるのが苦手だし。それに、せっかくの冒険の旅の始まりだから、俺達二人だけで始めたい。困った私は目をキョロキョロさせて、元凶であるマロフィノを探す。いた、木陰でお昼寝タイム……可愛い。って、おい!われ関せず、じゃねぇぞこの野郎。

わらわのお供になるならば、今回の件は許してやってもよいぞ。さらに街までわらわが案内もしてやろう。それともこの服のクリーニング代と慰謝料を払ってくれるのかのう」
「どっ、どちらもお断りします」
「おぬしのいた山村ではどうか知らないが、使い魔の粗相そそうは全て【調魔師テイマー】の責任。それが取れぬと言うのなら……裁判じゃ」
「裁判って、そんな。それに俺は調魔師テイマーじゃ無いし。アイツも使い魔ってわけじゃなくて、俺達はただの友達ってだけで、べつに主従関係で一緒にいるわけじゃないだ」

「友達じゃと?魔物と?わけのわからないことを言いおって。【魂職ソウルジョブ】が調魔師テイマーでなければ魔物が懐くわけあるまい」

 リアスの言っている魂職ソウルジョブとは、ゲーム時の話ではあるが、一度選択したら変えることのできない言わばメイン職業のことである。そのほか【生職ライフジョブ】というものがあり、そちらはある程度自由に転職可能。様々な生職ライフジョブを経験して、必要なスキルや魔法を習得するのが【AQURIS online】の醍醐味の一つであった。

「私の魂職ソウルジョブは、スキルメーカーなんです」
「スキルメーカー?なんだそれは、聞いたこともないぞ」

 魂職ソウルジョブ【スキルメーカー】。βテストで廃止された数少ない職業の内の一つ。能力はひとつだけで、スキルを2つ同時使用できる常時スキル【ダブルスキル】のみ。組み合わせによっては新しい効果が発生したり、新しいスキルとして習得できる場合もあるが、選択した2つのスキルの相性が悪くて発動自体しないことも多々ある。
 さらに職業による能力補正もないし、SPも少なくスキルも殆ど習得していない序盤ではまったく意味がなく、能力補正と多彩なスキルが用意された魂職ソウルジョブについたほうが正解だ。というのが、圧倒的多数の意見である。

「まあ、よい。おぬし等が何であれ、何の責任も取らずにわらわから逃げれると思わぬことじゃ」
「逃げたらどうなる」
「逃げれぬと言っておるのじゃ、絶対に」

 リアスはつるっとぺたっとした胸の前で腕を組み不敵に笑った。
ベキッ!またローキック、こいつエスパーか?

「どっ、どこを見ておる。このどスケベが」
「見るようなもんがどこにあるんだ!」

 バキッ!メキッ!ドガッ!ベキッ!……ボコボコにされた。

「もういい、おぬしのような助兵衛すけべえと一緒に旅なんぞできぬ。クリーニング代と慰謝料、合わせて十万で勘弁してやろう」
「十万なんて誰が払うか!慰謝料っていうんならコッチが欲しいくらいだ。話にならん、もう行くぞ。マロフィノ!」

「フィッ?」

 ゲームの通貨がこの世界で使えるかどうかわからないので、この女に渡して反応を見ても良いのだが。十万は大金だし、なによりこの女に金を払うなんて私の安いプライドが許さない。

「おのれタタラ、これを見てもそんな態度でおれるかのう。地図スキル【パーフェクトワールド】!」

 地図スキル?そんなのゲームでは聞いたこともないぞ。好奇心にられ、思わず振り向いてしまった。リアスの前に半透明のホログラムのような物が浮かび上がっている、地図ウィンドウだ。表示を見るかぎりは私のワールドマップと同じ行った場所が表示されるタイプのようだが、さほど埋まってはいない。いったい何がパーフェクトなのか。

「どうじゃ驚いたか」
「いや、全然」

 私も地図ウィンドウを出して見せた。

「なに!?おぬしも地図スキルが使えるのか。じゃがしかし、おぬしとわらわの地図では大きな違いがあることが分からぬか」
「違い?」

 目を凝らして見るとリアスの地図には小さな点が密集している場所が何ヶ所か……まさか。

「人か!?」
「そうじゃ、驚いたじゃろう。パーフェクトワールドは一度会った人物の現在地を表示することができるわらわの特殊スキルなのじゃ」
「ちなみに地図上で個人の特定なんてできないですよね」
「もちろん可能じゃ。ただし、わらわが名前を知っていれば・・・・・・じゃがな」

 はめられた。あの不自然な流れの自己紹介はこのためだったのか。というかこのスキル、使い方によってはかなりヤバイくないか?

「わかった、俺の負けだ。ギルドまで送って行くからそれで勘弁してくれ」
「じゃからおぬしような助兵衛とは

 私はアイテムボックスからあるアイテムを取り出し地面に置いた。

「【異次元収納魔法】だと!?そっそれに、それは一体なんじゃ?」
 
「魔導機関式電動二輪装甲車両、通称【ダンゴ】。まぁ簡単言うと、早く遠くに移動できる機械で、地形やモンスター次第でもあるが今日中にギルドの街に到着できる。俺が作った物の中でも一番の自信作さ」

「魔物を懐かせ、地図スキルに異次元収納、さらに魔導機関を手作りだと。いったい何者じゃ……それに、あの犬。マロフィノと言ったか、あれもおぬしが名づけたのか?」
「そうだけど」

 私は得意げに胸を張った。

「おぬし……ネーミングセンス、大丈夫か?」

 うるさい。

 マロフィノを服の中に入れ、後ろにガッカリエルフを乗せ、異世界の草原でバイクにまたがり、ようやく旅立ちの時がおとずれた。誰も私達の邪魔をするものはいな
「早く出発しないかのう」
「フィンッ!」

 もういい。さあ、ぼーけんの始まりだー。
 ハンドルの右手親指あたりにある赤いスイッチを押すと電子音とともに魔導機関内部を電気が駆け巡り、ファンの回転する音が徐々速度をましながら大きくなっていき、私が右手スロットを全開に回した瞬間、空気を突き破りながら全力を浮かせたバイクがものすごい勢いで発進する。

「きゃーーーーーーーーーぁぁ」
「フィーーーーーーーーーーッ」

 砂煙を巻き上げながら、戦車のようなバイクが猛スピードで草原を駆け抜ける。目指すは遥か250km先、冒険者ギルドの街。やっぱり、ちゃんと言おう。

 さあ、冒険の始まりだ!


 タタラ(Lv21)スキルメイカー 
 HP:1702/1828   OP:880/880

  攻撃力:1833
  守備力:1141
         魔力:1010
  素早さ:1527
      技術:935
          運:110

 マロフィノ(Lv1)
  HP:13/13   OP:5/5

 リアス・アーバン(LV33)
 HP:285/285 OP:240/254


「リアスさん少し離れてください……オシッコ臭い」
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