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世界を構成する物
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この惑星アクリスは【マナ】【ソウル】【オーラ】【マソ】の四つの要素で構成されているらしい。
土や水や草木や生物の肉体などありとあらゆる物体の元になる【源】
物体を作り出す核となり、その物の精神となる【魂】
マナやソウルが他の物体に影響を受けないように保護をする【波動】
この惑星のオーラとも言える【魔動】そしてこの【マソ】が何かの原因で汚染されたり、濃度が高くなったりすると魔石が生成され、魔石自身が持つ収集の効果で近くの【マナ】と【マソ】を集成した結果モンスターが生まれるのだとか。モンスターという存在は我々とは根本的に違う生命体のようだ。
そして、私がモンスター言っている存在はこの世界では【魔獣】と呼ばれいるらしいのでこれからはそう呼称するようにしよう。
「魔獣の切断部位や死体が砂煙になる理由はその生体構造にある」
魔獣の体を形成するのは浮遊【マナ】がほとんどで、それらは元々、空気や塵などの微細なものが魔石の力により無理矢理、骨や肉に変化させられ魔石がなければ結合しているのが不可能なほど不安定なものらしい。
「じゃあ、これらはどうして砂煙にならずに」
「ドロップアイテムに理屈は近いが、それに食材を手に入れる者と調理する者の特殊スキルが加わって初めて魔獣食が可能となる」
ドロップアイテムは魔獣が生成された環境により生じる個体差が関係しているそうだ、例えばホーンラビットが角を残すか否かは魔石の収集した【マナ】の硬度によるものが大きく、さらに魔獣同士の交合で生まれた個体はドロップしやすい傾向にあるのだとか。魔獣も交尾するのかなどと一瞬考えそうなったがビールを飲み思い留まる。
「もしかして第二世代以降の魔獣はより生物近くなるってことですか?」
「ご名答」
そこで登場するのが魔獣食材の狩り人と調理人に必須とされる特殊スキル【癒合斬り】だ。その名の通り、切った傷口が瞬時に塞がるというスキルなのだが、このスキルで切断された魔獣の肉体は砂煙になることなく高確率でその形を留めるらしい。もともとは回復魔法の効かない壊死した部位を切断してなんとか命を繋ぐための医療系スキルなのだが、とあるクレイジーな冒険者兼医師がそれを魔獣に使ったのが始まりなのだとか。
「すごいっす、そんな希少な料理だったとは」
「だろ。まぁ叫顔根なんか一部の魔獣は素人でも扱える物もあるが、今日出たほとんどの食材は魔獣自体のレベルも高く、これらを入手できる魔獣ハンターはアクリス全土に一人だけだろう」
アクリス全土にたった一人だけ。その言葉は私の内にある何かをざわつかせ身震いを起こし鳥肌を立てさせた。
「いったいどんな人物なんですか?」
目を輝かせて質問をした私にヨーコさんが嬉しそうに答えてくれた。
「大きくて、強くて、優しくて、とーっても頼りになる私の旦那様です。狩りに出ると1ヶ月ぐらい帰ってこないので今はいないんですけどね」
頭の中には仏様のような顔のプロレスラーが鉈と弓を手にした映像が浮かび、自分の想像力の脆弱さをなげくいていると、エヴァさんがうつむきながらボソボソと解析をしてみろとヨーコさんに聞こえない小声で私に指示を出す。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 ヨーコ・リバーサイド
【 レベル 】 505
思わず私もうつむいた。この人の旦那様だったらいったいレベルいくつなんだよ、ははは、この世界に来てからヤバイ人にしか会っていない気がする。落ち込んでいると急に左肩が重くなり視線を動かすと、スピースピーと鼻息を立て、くの字になりながら私の肩に寄りかかって眠るエルフの顔が見えた。静かだと思ったら足元の皿の上で黒い毛玉も寝息を立てている、エヴァさんと視線を合わせると右手を軽く振り会計をして帰れと促してくれた。
マナについて聞きたいことがあったのだが、今日は退散するとしよう。
「明後日ギルドに来い」
なぜ明日ではないのか気にはなったが色々忙しいのだろうと思い頷き返事をした。
「お会計お願いします」
「ありがとうございます。こちらになります」
♦︎
リアスさんを背負いマロフィノを懐に忍ばせ、夜の活気に溢れている目抜き通りをミケさんの宿屋まで歩く。
不意にため息が漏れた。
「38万かぁ……」
確かにいくらまでって言ってなかったもんな。ははは。
アクリス3回目の夜はどこか冷たく悲しい風が吹いていた。
土や水や草木や生物の肉体などありとあらゆる物体の元になる【源】
物体を作り出す核となり、その物の精神となる【魂】
マナやソウルが他の物体に影響を受けないように保護をする【波動】
この惑星のオーラとも言える【魔動】そしてこの【マソ】が何かの原因で汚染されたり、濃度が高くなったりすると魔石が生成され、魔石自身が持つ収集の効果で近くの【マナ】と【マソ】を集成した結果モンスターが生まれるのだとか。モンスターという存在は我々とは根本的に違う生命体のようだ。
そして、私がモンスター言っている存在はこの世界では【魔獣】と呼ばれいるらしいのでこれからはそう呼称するようにしよう。
「魔獣の切断部位や死体が砂煙になる理由はその生体構造にある」
魔獣の体を形成するのは浮遊【マナ】がほとんどで、それらは元々、空気や塵などの微細なものが魔石の力により無理矢理、骨や肉に変化させられ魔石がなければ結合しているのが不可能なほど不安定なものらしい。
「じゃあ、これらはどうして砂煙にならずに」
「ドロップアイテムに理屈は近いが、それに食材を手に入れる者と調理する者の特殊スキルが加わって初めて魔獣食が可能となる」
ドロップアイテムは魔獣が生成された環境により生じる個体差が関係しているそうだ、例えばホーンラビットが角を残すか否かは魔石の収集した【マナ】の硬度によるものが大きく、さらに魔獣同士の交合で生まれた個体はドロップしやすい傾向にあるのだとか。魔獣も交尾するのかなどと一瞬考えそうなったがビールを飲み思い留まる。
「もしかして第二世代以降の魔獣はより生物近くなるってことですか?」
「ご名答」
そこで登場するのが魔獣食材の狩り人と調理人に必須とされる特殊スキル【癒合斬り】だ。その名の通り、切った傷口が瞬時に塞がるというスキルなのだが、このスキルで切断された魔獣の肉体は砂煙になることなく高確率でその形を留めるらしい。もともとは回復魔法の効かない壊死した部位を切断してなんとか命を繋ぐための医療系スキルなのだが、とあるクレイジーな冒険者兼医師がそれを魔獣に使ったのが始まりなのだとか。
「すごいっす、そんな希少な料理だったとは」
「だろ。まぁ叫顔根なんか一部の魔獣は素人でも扱える物もあるが、今日出たほとんどの食材は魔獣自体のレベルも高く、これらを入手できる魔獣ハンターはアクリス全土に一人だけだろう」
アクリス全土にたった一人だけ。その言葉は私の内にある何かをざわつかせ身震いを起こし鳥肌を立てさせた。
「いったいどんな人物なんですか?」
目を輝かせて質問をした私にヨーコさんが嬉しそうに答えてくれた。
「大きくて、強くて、優しくて、とーっても頼りになる私の旦那様です。狩りに出ると1ヶ月ぐらい帰ってこないので今はいないんですけどね」
頭の中には仏様のような顔のプロレスラーが鉈と弓を手にした映像が浮かび、自分の想像力の脆弱さをなげくいていると、エヴァさんがうつむきながらボソボソと解析をしてみろとヨーコさんに聞こえない小声で私に指示を出す。
鑑定スキル【解析】
【 名前 】 ヨーコ・リバーサイド
【 レベル 】 505
思わず私もうつむいた。この人の旦那様だったらいったいレベルいくつなんだよ、ははは、この世界に来てからヤバイ人にしか会っていない気がする。落ち込んでいると急に左肩が重くなり視線を動かすと、スピースピーと鼻息を立て、くの字になりながら私の肩に寄りかかって眠るエルフの顔が見えた。静かだと思ったら足元の皿の上で黒い毛玉も寝息を立てている、エヴァさんと視線を合わせると右手を軽く振り会計をして帰れと促してくれた。
マナについて聞きたいことがあったのだが、今日は退散するとしよう。
「明後日ギルドに来い」
なぜ明日ではないのか気にはなったが色々忙しいのだろうと思い頷き返事をした。
「お会計お願いします」
「ありがとうございます。こちらになります」
♦︎
リアスさんを背負いマロフィノを懐に忍ばせ、夜の活気に溢れている目抜き通りをミケさんの宿屋まで歩く。
不意にため息が漏れた。
「38万かぁ……」
確かにいくらまでって言ってなかったもんな。ははは。
アクリス3回目の夜はどこか冷たく悲しい風が吹いていた。
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