THIRD ROVER 【サードローバー】オッサンのVRMMOは異世界にログインする

ケーサク

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暴食のベルググ

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 道中、襲いかかって来るゴブリンを斬り倒しながら木柵に沿って最短距離で村の反対側を目指す、その距離約1キロ。この足だったら3分かからずに到着できるはずだ。そろそろリアス達は最初の集団と戦闘になる頃だろうか、そんなことを考えているとまたゴブリンが2匹現れ行く手を塞ぐ。【飛剣】1匹を仕留めるも1匹にはかわされてしまった。

「グギャァ!!」

 汚い唾を散らしながら棍棒を振り上げ飛びかかって来る。
 私はふっと息を吐き、左のストレートで棍棒を殴り飛ばして、落ちてきた勢いのまま腹を切り裂き、ゴブリンを着地させることなく砂煙に変える。

「ふー」

 一息、呼吸を整える、すると爆発音が左から響き、驚いて振り向くと柵の遥か向こうに土の柱が突き上がってゆっくりと崩れていくのが見えた。

「まさかリアスの魔法か?」

 今のは、リアス最大の土魔法【愚者の塔タワーオブバベル】が発動して集団のゴブリンを半数以上を消し飛ばした瞬間だった、まぁこれは後から聞いた話なのだが。
 リアス達の健闘を目撃した私は何か熱いものを胸に宿し脇見走行をやめて、視点を前方に移す。

「見えた!」

 前方にワラワラと憎っくき緑の集団が徐々に視界を埋め尽くす。

 メニュー起動、装備お気に入り3。
 漆黒の大剣が現れて、両手剣スキル秘境【飛断剣】力強く振られた大剣より放たれた巨大な衝撃波が水平に飛び正面の5匹を真っ二つにする。大軍の一部がこっちに振り向いたがしかし、攻撃されたというのにこっちに向かってくることはなく、すぐにまた集団の中心を向き直した。
 キンコンキンコン
「グギャァ!!」
 横の林から飛びかかってきたゴブリンを斬りつけながら、私は何が起こっているのか理解できずにいた。

 龍剣で突っ込むか?いや、中心で何が起こっているのかわからないのに突撃は危険すぎる、ブルームはリアスに預けてあるし、飛剣や魔法で削るにしてもこの数じゃ時間もOPもかかりすぎる……OP……ヤバイ!長考しているこの間に私のOPがどんどん食われ続けていた・・・・・・・・
 その時、「OPがなくなれば死ぬ」という創造神の忠告を思い出し、恐怖のようなものを背筋に感じたが、同時ある技を思い出す。

 ゴブリンのOPはせいぜい20程度……それなら。

「喰らい尽くせ!武器スキル【暴食】」

 この武器スキルは範囲内全て・・の生物から毎秒10のOPを吸い取るという、この大剣の武器スキルである。
 剣を構えると大剣が影のようなドーム型の光を放ち一瞬にして私の半径50mを包み、その中に飲まれた私を含む全ての生物から湯気のような光が溢れて剣に向かって集まっていく。
 ヤバイこの感じ、気を抜くと意識がぶっ飛びそうだ。

 2秒後、影のドームに飲まれたゴブリンは全て砂煙になり、マップ上の赤い点滅は食パンをかじったあとのように半円形分消滅した。すると消えた部分を補うように左右が移動し始めた隙間から一瞬黒点が見えた。なぜ敵は中心の人物に敵意を集中させているのだろうか。【暴食】解除、装備お気に入り1。大剣のかわりにオロチの角の剣に持ち替え、半円の空白を埋めようと寄ってくるゴブリンをなぎ倒しながら駆け抜ける。

「まだだ……」

 微かに男の声が聞こえた気がした。

「まだまだだぁ!!スキル【挑発】」

 私をターゲットしていたゴブリンどもが中心を向き直す。剣を右に左に振り回しながら、ついに中心の人物の元にたどり着く。

「だいじょ……うっ……」
「なんだ?増援か……へへへっありがてぇ」

 そこにいた30代の男は、汗だくでボロボロの体を、地面に突き刺した剣を右手で握ることで支え、膝が地面につくギリギリでなんとか立っている。
 金髪というより黄色に近い髪は血なのかドロなのかわからないが、ほとんど茶色に染まり、鎧だったであろう一部が未練たらしく腰のあたりにぶら下がっている。
 そして左の腕には無造作に布がまかれ、そこから先は無くなっていた。

 この男、こんな状態で仲間の退路を作るために【挑発】スキルでこれだけの大軍を引き付け続けていたのか。
 男のあまりにも酷い有様と、その勇姿に言葉を失い立ち尽くしていると、男に背後からゴブリンが飛びかかった。
 ほうけていた私は剣を振る反応が遅れ間に合わないと思ったが、地面に刺さっていたはずの男のボロボロの剣が空中のゴブリンの胸を貫いていた。
 私は砂煙になったゴブリンと入れ替わるように男に背中に回る。

「この状態であなたにヒールをかけたらその左腕はどうなりますか」
「おかしなこと聞くヤツだねぇ、傷は塞がるだけでこのままさ、まぁなくなった腕があれば別だがね」

「その腕、今どこに」
「どっかのゴブリンの腹ん中で一緒に砂煙になったよ」

 私はうつむき、背中を預けたまま無言で【ハイパーヒール】をかけた。

「うほ!剣士で上級回復魔法とは、その若さで恐れいるねぇ」

「ほかにもまだ2人囲まれています、一気にここを片付けますが。あなたの最大OPはどのくらいですか?」
「?、ギルドでこないだ測った時は150くらいだったが?」

 アイテムボックスから魔法薬を取り出して男に飲ませ、装備お気に入り3、黒い大剣を取り出した。
 
「気をしっかり張っていてくださいね」
「はぁ?」
「武器スキル【暴食】」

 構えた剣より放たれた漆黒の光は集団の全てを包み込みオーラを吸い上げる。

「なんだ!?そのヤバイ雰囲気の剣は?呪いの魔剣か?」
「呪いは……解除してこれです」

「ははは、マジかよ……」

 男は思ったよりも全然余裕で耐えている。

 この漆黒の大剣、これこそが私が大剣使いを辞めざるを得なくなった元凶である。
 なるべく意識はしないようにしていたが、ふいにこの剣を入手した時のことを思い出す。

 コレは、グランドクエスト【魔王討伐】に繋がる【蠅王ベルゼブブ討伐】というクエストの攻略メンバーに参加し、3時間にも渡る激戦のすえ見事ベルゼブブを打ち倒し、出現したドロップアイテムのひとつだった。
 メンバーから戦闘の功績を高く評価してもらった私は優先的にアイテムを選ばせてもらったわけなのだが。当時、大剣主体の戦闘をしていた私は呪いのことなど考えもせずに、この珍しい漆黒の大剣に手を伸ばし、ばっちり呪いを受け装備解除不可状態になった。
 その状態でも私は特別焦りはしなかった。鑑定スキル【正常化】で呪いの解除ができるからだ。しかし【正常化】で呪いを解除した場合は例外なく素材の状態まで戻ってしまうため私が悩んでいると、あるステータスの異常に気づいく。それは、毎秒1SPの減少である。やむなく【正常化】を駆使したのだが、コレは何故かそのまま手元に残った。『おおおっ』とメンバーから歓声が上がり、すこし恥ずかしくなった私は、ヘコヘコと頭を下げながらいくつか渡された素材アイテムとこの剣をアイテムボックスに収納し、メンバーから離脱。そそくさと拠点に帰った。これが悪夢の始まりとは知らずに……。
 拠点のソファでくつろぎながら、戦利品の確認のためアイテムボックスを開いた瞬間、背筋が凍った。20万もの日本円をつぎ込んで手に入れた課金ガチャアイテム【神刀グラム】、素材集めに3ヶ月費やした【ウルフバート】、ほかにも
1000万ピック費やした【名工ウォレスの大剣】など、私のアイテムボックス内の大剣コレクションが全て消滅していたのだ……ただひとつを除いては。

 【暴食のベルググ】
 攻撃力5900
 武器スキル【暴食】
 常時武器スキル【求気】
 蠅王の愛刀。海王リヴァイアサンの鱗ともに錬成された黒きオリハルコンは、嫉妬に狂う暴食の魔剣となった。

 破格の攻撃力に【求気】までならわかるが、なんだ嫉妬に狂うって!?アイテムボックス内の同系列武器を喰い尽くすってか!?
 悪夢にうなされる前に、ただのバグではないかと願いながら、大急ぎで街に向かい、安い剣と大剣を購入してアイテムボックスに収納してみた……やはり大剣だけが消滅した。運営に報告……(仕様です)……。

 悪夢だ。

 コイツを素材変換してまた一から大剣を集めねば……しかし、悪夢はこれで終わらなかった。この剣は素材変換はおろか、売却も出来ず、捨ても預けてもアイテムボックスにオートリターン……。しばらくこの剣を使ってみたものの、スキル主体の戦闘スタイルのソロプレイヤーの私は毎秒1SP減少の効果は致命的なSP不足に落ち入り、今迄組み立てていた戦闘プランの全てが崩壊してしまい、やむなく私は大剣を使うのを諦めたのであった。
 
「おい!ゴブリンどもは消え失せたが、こいつはいつまで続くんだ!?」
 
 ハッと我に帰ると7秒経過して、漆黒の光のドーム中は砂煙で何も見えなくなった。【暴食】解除。

「とんでもねぇ剣だな、まったく」
「ええ、魔剣【暴食のベルググ】……付き合いは長いですが、まったく使いこなせる気がしないじゃじゃ馬です」

 メニュー画面起動、装備お気に入り1。

『また呼べよ、タタラ』

「えっ?何ですか」
「なんだ、何も言ってねぇぞ」

 名前を呼ばれた気がしけど、気のせいか。
 マップ表示、暴食の範囲内で残っているのは正面2体、左に1体か。

「左の1体お願いします。俺は正面に」
「了解!なんでも屋のあんちゃん」

 私達は同時に地面を蹴り、それぞれの方向に向かって走り出し、徐々に消えていく煙の中、敵の姿を捉える。

 残っていたのはゴブリンより一回り大きい体を持つ上位種のロードとビショップだった。

 ゴブリンビショップは羽根の付いた首飾りをなびかせながら、杖を私に振りかざし何やら呪文のようなものを唱え出し、その右脇からフルアーマーのゴブリンロードが盾を突き出しながら白く光る剣を振り上げ突撃してくる。
 片手剣スキル【飛剣】振り切ろうとした瞬間、鈍い金属音が響きオロチの角の剣はゴブリンロードの盾に阻まれ、【飛剣】は不発に終わった、かに思った。

「グギャ!?」

 ゴブリンロードが間抜けな声をあげ、醜い顔に一筋の切り傷が刻まれ煙が上がる。攻撃した私も、盾で防いだのに深手を負ったゴブリンロードも、お互い何が起こったのかわからずに戦場に沈黙の時間が訪れる。
 その沈黙を打ち消すように、ものすごい勢いで熱気がゴブリンロード背後から迫り、私の意識が戦場に戻される。
 ゴブリンビショップの放った火魔法【火炎風ファイアブロウ】がゴブリンロードをかわすように上空から曲線を描き、私の頭上に押し寄せる。
 水魔法【プール】【プール】頭上で二段に重なって作られた水のボールが熱気に飲まれ、1個が完全に蒸発し、2個目のボールが沸騰し始めた。私をこの場にに押し込めようと盾を突き出すゴブリンロードを足払いして転ばせ、飛び越えて【ファイアブロウ】を回避し次の魔法を必死に唱えるゴブリンビショップと視線を合わせ、片手剣スキル【飛剣】【断破】放たれた衝撃波で杖の先が飛び、なおも勢いが残った飛剣はゴブリンビショップの首飾りを切断しながらその体に傷を刻む。

「ギィッ!ギャァァァァ!!」

 逆鱗に触れたのかゴブリンビショップが叫び声を上げるが、【飛剣】の動きと連動させ使った【断破】で切断したゴブリンロードの頭が地面に転がり砂煙に包まれたのを見て態度が一変、背中を見せながら逃走の体制に入る。

【飛剣】

「ギャッ」

 ゴブリンビショップが砂煙になりながら顔面から地面に突っ込んでいったのを見守ったあと、左の一体に向かった男を追いかける。

「グギョッ!」

 片手で突き出した男の剣が、風に流される砂煙から刀身をゆっくりと現す。

「なんだ、もう終わったのか?」

「それはこっちのセリフでもあるけどね。ゆっくりしゃべってたいところですが急ぎますよ」
「おう!よろしく頼むぜ」

 マップの赤い集団ここから500mほどのところにあと1つ、そこに黒い団体が向かっているのが見える。リアス達はどうやら順調に進んでいるようだ。
 私達は焦る気持ちを抑え、最後の戦場に走って行く。







 

 
 

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